今日は何となく快い。

 

 その証拠に、いつも傍でせわしく動き回る妻が気にならない。

 

 涼しい気候だからろうか・・・

 

 妻にかける言葉も、いつより優しいように思う。

 

 妻もいつもより穏やかに感じるのは気のせいだろうか・・・

 

 近所のアパートの解体工事も終わりが近いのか、喧噪も酷くなくなった。

 

 穏やかだ。

 

 こんな日に逝けたら幸福かなと思ったりもする・・・

 

 火宅の家を捨てて、少年期に放浪の詩人を夢見ていた。そして何処か見知らぬ土地の草場で、主のない野良犬のように朽ち果てても良いと思った事もあった。まだ天皇国日本が見えていなかったのです。

 

 穏やかな日に、遠い遠い昔の精神史を思い浮かべています。人間には愛するものが必要だなと・・・