粒子発見10周年の講演が国際会議場で昨日あった。
まだ野次馬根性の残っている私は夫婦で参加してきた。ほとんどは中高生、高校生だ。
先着150名。
なんでやねん。
KEKでしかも国際会議場なのに人数制限している。
なんでやねん。
大会議室なら半分でも500人は固いだろうに。
講演はアトラス実験グループの日本代表の花垣和則教授。アトラスATLASは
LHCという大型実験装置の一つでチームの数は3000人という。
重要な論文を書くときは3000人の名前が載ることになりそうだ。
何千億円という装置なので名誉を分け合うのもいいだろう。
CERNの何にんかの研究生が中を中継で紹介してくれた。
懐かしい光景だが中高校生には珍しく興味深いだろう。
最後の質問コーナーで中高校生に混じって私も
意地悪な質問をしてみようと思った。
それで次世代の検出器はどんな新しい工夫がされているかを質問した。
花垣教授は予想していない質問だったらしく隣の専門家らしきヒトに質問を振った。
その質問を振られた中堅の先生は質問を少しはぐらかせて
二つの解決すべき問題があると応えた。
1、(100TeV, 周長100キロの)加速器の測定器では放射線損傷が大きくなりそのままでは持たない。
2、データ量が多すぎて今のコンピューターでは処理しきれない。
それじゃー、ダメじゃないですか
と畳み掛けると、大丈夫だろうと訳のわからないことを言う。
私が予算を決めるヒトだったら、これでは却下する。
まあ、この人たちは3000人の中の1人だから割り当てられた
仕事をしていればよく、
物理の問題も予算の問題も気にしなくても良いのだ。
ノーベル賞を取った大先生だって、その課題であるニュートリノの
素朴な問題、
例えばニュートリノが質量の違うニュートリノになったときに
質量とエネルギー問題はどう理解しているのかといった
最も素朴な質問には
答えられないだろう。と思う。
そうなるともう多くの研究者が知的探求をしているとは言えなくなるかもしれない。
そんな1日だった。
それでも数兆円の装置を作るべきかどうかと問われればそうすべきだと思う。
1人の人間が全てを理解できなくとも
全体で理解を分け合えばいいのだ。
FCCの価格は大きいがそれでも
JamesWebb 宇宙望遠鏡や
アメリカの空母と
価格・予算は同じ程度だ。
いずれも価値に見合った存在理由があってある。
中高生や高齢者の後援会への参加はそれなりの意義があった。