稀代の才能をもつ数学者望月新一博士の ABC予想の正しさの確認が完了するのがまじからしい。
ABC予想と
a + b = c

を満たす、互いに素な自然数の組 (a, b, c) に対し、積 abc の互いに異なる素因数の積を d と表す。このとき、任意の ε > 0 に対して、

c > d1+ε

を満たす組 (a, b, c) は高々有限個しか存在しない


と予想する。
その証明を望月博士が2012年に証明したと発表したが総計500ページにわたる論文を他の数学者が理解するに
何年もの時間がかかりその作業中だというものである。

言葉にすれば数行で済むこのような予想に(証明が納得されれば定理となる)
なぜこれほど大騒ぎするのか。

それはこの証明を使うと別の難問であったフェルマーの定理を簡単に証明できるというからである。

谷戸光昭さんによるわかりやすい解説がここにある

それではフェルマーの定理がなぜそれほど重要なのかという新たな疑問を生む事になりどうどう巡りである。
 ABC予想はそのただしいかどうかより証明の技法のほうが重要であるという意見もあるのだが
つまらないことを証明しても意味がないのでそうはいかないだろう。
もっともABC予想は他の重要な数論の予想も証明できるのでより価値が高いという。

スピロ予想 (Szpiro's conjecture) とヴォイタ予想 (Vojta's conjecture))

フェルマーの定理とは
立方数を2つの立方数の和に分けることはできない。4乗数を2つの4乗数の和に分けることはできない。一般に、(べき)が2より大きいとき、その冪乗数を2つの冪乗数の和に分けることはできない。この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる。(フェルマー)

であるがこのような定理が世界の真理にどのような意味があるのか?

意味の少ない定理になぜ数学者はこれほどの知的努力を払うのか?

これが偶然にも物理の理論などの革新に使われるのだろうか?

将棋やチエスや囲碁などと同様の知的ゲームなのか?