「なあに、かえって免疫力がつく」は本当だった?適度に不衛生な環境の方が免疫機能が高まることが実証される(米研究)






「なあに、かえって免疫力がつく」とは、擁護するには無理な状況の中、それを理不尽なまでにポジディブかつ肯定的にとらえる言葉として使用されているが、実際に、ある程度細菌に接触していたほうが、病気になりにくいという説は昔から存在していた。



 ただその仕組みについては解明されておらず、「俗説」的な位置づけだったのだが、ハーバード大学医学部微生物学者、デニス・カスパー氏らがマウスを使った研究で、細菌への接触と免疫系の役割についてのメカニズムを特定できたという 。




実験では、無菌状態のマウスとそうでないマウスを用い、喘息および潰瘍性大腸炎 (共通する炎症性腸疾患) の進行を観察した。



 無菌状態のマウスでは、体内の免疫細胞の一つ iNKT (invariant natural killer T ) 細胞が多かった。iNKT 細胞は体から外敵を守る重要な免疫機能でもあるが、過剰に存在すると喘息および潰瘍性大腸炎を引き起こす要因ともなる。これに対し、通常状態のマウスは iNKT 細胞が少なめであった。このことから幼少期に細菌に接触する機会が増えると体内の iNKT 細胞が減少し、喘息や潰瘍性大腸炎などになりにくくなるということがわかったという。



iNKTイメージ

音史のブログ-免疫力1





この研究結果は、先進国で見られる過剰なまでの消毒対策や、抗生物質や抗菌剤の多用は子供の細菌への接触を減らしてしまい、正常な細胞にまで過剰に反応する「自己免疫疾患」に陥りやすいとことを意味している。



 そして、これまで俗説でしかなかった汚い場所で暮らすとアレルギーに強くなるなどといった「衛生仮説」をサポートする結果となった。






音史のブログ-免疫力2





 ということで、子どもの頃から自然に触れたり3秒ルールを適応したりと、ある程度の不衛生な状態に接しておくことがアレルギーなどの病気になりにくくなるということが実証された形となるわけだね。ある程度がどの程度なのかが難しいところではあるわけだけど。






日本では落としたものを食べる場合に3秒ルールが適応されるが、アメリカの場合は5秒ルールとなる。



音史のブログ-免疫力3



日本では衛生面では先進国の中でもかなり上位に位置づけられていて、海外旅行で腹を壊すのは日本人が多いという話も聞く。アメリカなんかだと、子どもたちが土足でカーペットに座り、テレビ見ながらクッキーなんか食べて、それを落としても平気で口に入れたりしてるのを目の当たりに見てギョっとしたりするんだけど、それくらいなら平気なのかな?いずれにせよ子どものうちからだから、大人になっていまさら汚い環境に身を置いても手遅れかもしれないね。














<カラパイア 記事より>