VOL.1 | TWO-WHEEL TALK
2011-09-13 17:28:00

VOL.1

テーマ:ぼくはこんなクルマ本を読んできた

ぼくはこんなクルマを読んできた


齢32にしてようやくマイカーを手に入れた“リアル”なきクルマ好き、佐藤が

これまでに買って、読んで、集めた愛すべき自動車関連書籍を紹介。



Vol.01


TWO-WHEEL TALK

ダンディー・トーク


(
徳大寺有恒著/みずうみ書房)

1989年発行

『間違いだらけのクルマ選び』で有名な徳大寺有恒氏が“ダンディー”をキーワードにモノ・コトを論じたエッセイ集です。クルマの話題を中心に、ファッション、映画、音楽、恋愛などを硬派かつユーモアの効いた“徳大寺節”ともいうべき語り口で綴っています。発売されたのは日本中がバブルに浮かれた1989年ですが、内容は骨太そのもの。すでに絶版だと思いますがあえて若い人に読んでもらいたい一冊です。なんというかクルマ本でここまで知的興奮を味わえることってあまり無いですから。徳大寺さんのクルマ論は端的言えば「豊か」、これに尽きます。クルマのエンジニアリングやデザインに対し、文化的・歴史的側面からも見事に論じ切っています。クルマは芸術作品ではありませんが、よくよく目を凝らしてみると「最新こそ最良」という合理主義では括れない、歴史や国民性に裏付けられた作者の感性や意志が隠されているんですね。徳大寺さんはクルマ以外にもファッション、映画、食など、色々なものにこだわっています。それは単に収集するといった金さえあればどうにでもなるようなものではなく、あらゆるモノやコトに対して深く考え自分なりの“解釈”をしているということです。「情報」の背景を知ることで「知識」に。「知識」に解釈を加えることで「教養」に……。「GT」の定義、フェラーリの官能性の秘密、この本の中で語られるクルマ論が圧倒的な説得力を持つのは情報を教養まで高めているからに他なりません。ジャガ―をジェントリーと呼ばれるイギリスの特権階級になぞらえた名文は読んだときにはあまりの論のキレと説得力に鳥肌が立ちました。この本の発売から20年後の現在、いまやメーカー自らが“ブランドイメージの確立”を命題に新商品に歴史的な連続性を持たせようと躍起になっています。その重要性を遥か昔に見抜いていた徳大寺さんの評論スタイルの意義、説得力は言うまでもないでしょう。ちなみに僕はこの本に収録されている「その名は『ポピー』」というエッセイが大好きです。クルマの話ではなく、氏が10代の頃、格式高い元町の老舗洋品店で初めて買い物をしたときのことを綴ったものですが、素晴らしい名文だと思います。






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