(南都七大寺巡り その4から続く)
 

 

奈良で一番有名な寺院といえば、おそらく東大寺。

 

奈良で一番有名な仏像といえば、おそらく東大寺の大仏様。

 

そんな大仏様の鎮座している大仏殿に、他にも仏様の像が収められているとは、全く知りませんでした。

 

観覧コースが大仏殿の中を一周していく道筋になっていなかったら、おそらく、大仏様の御顔を拝顔しただけで満足して、そのまま帰ってしまう人も少なくなかったのでは。

 

観覧ルートに従い、大仏様の右側へと進んでいくと、大仏様の右斜め後ろに鎮座する仏像が見えてきました。

 

 

大仏様の脇侍(メインの仏様を脇で支える仏様)である「虚空蔵菩薩」像です。

金色の色合いだけ見ると、大仏様より目立ってますね(笑)。

 

 

虚空蔵菩薩は、記憶力を良くしてくれる菩薩様らしいです。

最近、物覚えの良くない私としては、念入りに拝んでおかなければ…。

 

反対側にあたる、大仏様の左斜め後ろにも「如意輪観音菩薩」という像があるのですが、観覧コースの回る方向の都合で、全く見られず。

 

大仏様と、その両脇を固める脇侍の菩薩様。

いわゆる「三尊像」という形式ですね。

 

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さらに大仏殿を奥へと進んでいくと、目前に巨大な木像が立ちはだかっていました。

 

 

「四天王」の一人、広目天の像です。

 

この像に関しては、我が家にもフィギュアがあるので良く知っています。

我が家にあるのは、小さな手のひらサイズですけど(笑)。

 

 

上から静かに見下ろされているような気がして、なかなかの迫力です。

 

ちなみに、四天王像といえば、「悪鬼」といわれる鬼を踏み付けているのが特徴ですが、

 

 

ちょっと可愛らしい鬼ですね。

このまま「鬼瓦」になりそうな感じ。

 

広目天像が大仏殿の左奥の隅に立っているのに対し、右奥の隅に立っているのが、同じく四天王の「多聞天」の像。

 

 

こちらも格好いいです。

 

そして、こちらも、

 

 

ちょっと狛犬っぽい悪鬼を踏ん付けています。

 

四天王で並ぶ時は「多聞天」。

単独で祀られる時には「毘沙門天」。

上杉謙信が信奉していた事でも有名ですよね。

 

平安時代と戦国時代の2回、戦火によって焼失してしまった東大寺の大仏殿。

この四天王像も2度失われ、その度に作り直されてきました。

 

鎌倉時代に作り直された時には、有名仏師である運慶が手掛けたそうですが、その像は戦国時代に再び焼失…。

運慶の作った像が現代まで残っていたら良かったんですけどね~。

 

江戸時代、大仏殿の再建と共に、四天王像も作り直される事になりましたが、完成したのは「広目天」と「多聞天」の2体のみ。

 

残る「増長天」と「持国天」は…

 

 

出来上がったのは頭部だけ。

このまま、現在も展示されています。

 

そりゃあ、当然、こんな顔にもなりますよね(笑)。

 

二人の像も再建されるように、寄付を呼び掛けていましたが、いつの事になるやら。

 

なかなか素晴らしい四天王像だと思ったのですが、実は、東大寺の四天王像といえば「戒壇堂」にある像の方が有名。

しかも、そちらは奈良時代に作られたもので、国宝に指定されています。

 

今回、戒壇堂には足を運べなかったので、それは近い将来の楽しみに取っておきます。

今回は、興福寺の阿修羅像も千手観音像も見られなかったからなぁ…。

 

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大仏殿にあるのは仏像だけでなく、かつての東大寺の様子を再現した模型も。

 

 

 

戦火によって焼失する前の東大寺や大仏殿の姿が再現されています。

 

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大仏殿を訪れた観光客が、一度は「やってみようかな…」と思い、ちょっと悩むもの。

 

それは、

 

 

この「柱くぐり」。

 

大仏様の鼻の穴と同じ大きさだという穴を潜れば、無病息災、色々とご利益があるそうです。

 

でも、いざ挑んでみたところで、引っかかって抜けなくなったらどうしようか…。

 

そもそも、こんなに多くの観光客がいる前で、四つん這いになって穴潜りなんて…。

 

そうやって考えれば考えるほど、興味がある人でも、挑戦する意欲は失せてしまうもの。

 

ところが…!

 

 

勇者、出現!

 

カップルの彼女が挑戦して、見事に潜り抜けました。

 

恥ずかしそうに立ち上がる彼女に、一斉に浴びせられる万雷の拍手。

でも、ちょっとギリギリだったかなぁ…。

もし、失敗していたら、どんな空気になっていたのやら(笑)。

 

やはり、こういう挑戦モノは、カップルとか団体の方が、勢いとノリで出来るもの。

 

私のような一人旅では、絶対に無理ですね。

 

そもそも、穴の大きさを見ただけで、自分が潜り抜けられないのは分かりますけど(笑)。

 

 

(南都七大寺巡り その6に続く)
 

 

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