■実はドリフトワーカーを大量に生む、ノマドワーカー礼さん主義に待った! | 前川孝雄の"はたらく論"

前川孝雄の"はたらく論"

「人が育つ現場づくり」の専門家集団(株)FeelWorks代表取締役の前川孝雄が、この国の人材育成・キャリア支援をあるべき方向に持っていく処方箋を書き綴ります。


テーマ:

先週日曜の夜、 『情熱大陸』

ノマドワーカー として安藤美冬さん が取り上げられていました。


ソーシャルメディアを使って発信し、

さまざまな仕事をてがけるフリーランスという職業。

肩書きは"安藤美冬"と話されていました。


以前、テレビ番組でご一緒した本田直之さんも

好きな場所に住んで自由に働くことを

ノマドライフ として推奨されています。


昨年6月にU-STREAMでの番組で対談した20代女性も

自分のことをノマド女子 と称し、とても楽しく働いている様子を語ってくれました。


一部の若者たちにノマドライフ、ノマドワークが支持されています。


とはいえ、実はこのノマドという言葉は特段新しい概念ではありません。


私自身、サラリーマン時代に

何度か受けさせられたキャリアアセスメントで

ノマド志向が強いと常々レビューされてきていましたので(笑)。


それは私自身も自覚しており、とにかく人から管理されるのが苦手。

といって、人を管理支配したいという志向も強くない。

もちろん良い影響は与えたいと思うのですが、

それは圧力をかけるのではなく、応援に近いもの。


人それぞれが自分らしく生き生きと働きあう社会のなかで

自分も生き生きと働きたい。自分の人生のハンドルは自分で握りたい。

それは自分勝手に生きるというわけではなく、

むしろ自分以外の人の笑顔のために働く人生としたい。


そんな志向を、ノマド、遊牧民と括られ、

人にはそういうふうに映るんだなぁと、若かりし頃、

自分を客観視できたことを覚えています。


さて。

この一部の若者に支持されるノマド志向。


私の個人的な意見としては、

若者は安易に実践しない方がよいと思います。


ノマドライフやノマドワークを実現できるのは、

本田直之さんや安藤美冬さんです。


ちなみに遡れば、個人的にいつも応援してもらっている

中谷彰浩宏さんはご自身の肩書きを、

安藤さんのずっと以前から"中谷彰宏です"と仰っていました。

ノマドワーカーの先駆けかもしれません。


つまり、それだけの実力とご縁を持っていなければ

手に入れ続けることはできないからです。


一時期、自由に楽しくご機嫌な仲間と働くことはできるでしょう。


でも、それが5年、10年、20年と続けられるかというと、

そんなに簡単ではありません。


私が懸念するのは、ノマドを追い求める若者たちの間に

会社で上司と合わない、

やりたい仕事をさせてもらえない、人間関係が面倒臭いetc.

といったストレッサーから逃れたいという背景が色濃くある点。


職場の人間関係で傷つくことは辛い経験です。

できれば経験したくないし、相性の良い人たちや

自分を承認してくれる人とだけ付き合いたいという気持ちはわかります。



しかし。

ノマドワーカーになるということは、

会社などの組織に属して働くよりも、実はもっと辛いものです。

手に入る楽しさや自由と表裏一体で、

会社員では味わうことのない辛さ・しんどさを伴うのです。


本当に必要とされる人材でなければ

誰からも仕事の依頼など声がかかることがないからです。


会社組織に属していれば、

まだ未成熟な若手であっても、何かしらの仕事を与えてもらえます。


仕事ができなければ、上司や先輩から叱責も受けるでしょう。

つまり、自分の仕事ぶりについてフィードバックを受けられるということ。

成長の機会を与えていただけるということ。


これがノマドワーカー、つまりフリーランスであれば、

仕事ぶりがよくなくとも、叱られることはあまりありません。

それがいいかというと、実はとんでもない。次にもう仕事の依頼は来なくなるからです。


フリーで働くノマドワーカーは毎月給料日にお給料が振り込まれるわけではなく、

仕事が来なくなるということは、収入ゼロになるということなのです。


私が対談番組でインタビューした

ノマド女子も実はある会社で契約社員の形で働いています。


「情熱大陸」でも、安藤美冬さんは、

ともにプロジェクトで働く大企業のどの会社員たちよりも、

本気で真剣にアウトプットを出そうとされていました。


それは、企業で働き、そこで心の病にかかった経験と、

ノマドワークを標榜したはいいものの、最近までほとんど仕事がなく、

生活に困った経験があるからにほかありません。


私自身、ノマド志向と言われ続けたものの、

正確にはフリーランスではなく、会社を立ち上げたのですが

実際起業するには20年近い時間を要しました。


大手企業の要職を捨てることが怖かったこともありますし、

そこまで自分の実力やご縁が足りないと感じ続けてきたからです。


もっと深掘りすると、自分の中の軸、使命がハッキリしなかったからです。

ジャンプできたのは、おぼろげながら使命がクリアになり、

かつ勤めている会社では自分の使命がまっとうできないと確信したからです。


そもそもノマドワーカーは、働き方の提案にすぎません。

働き方の前に、自分は何を成したいのか。

どんな社会貢献をしたいのか。


その成したいことを実践する方法として、

ノマドがいいかどうかを判断した方がよいでしょう。


会社を飛び出すからには、少々の生活苦にも負けない、

自分の軸をしっかり持たなければ

簡単に流されてしまいます


この国の未来の金の卵である若者たちが、

遊牧民を志したつもりが、漂流民になってしまわないよう

切に願います。


そもそもノマドワーカーを一部の若者たちが目指し始めているのは、

本人たちも気づいていないかもしれませんが、

失われた20年の間に、会社・職場に安心できる居場所が崩壊してきたからです。

絆や希望が経たれ続けてきたからです。

だから、会社の外に絆や希望を見出そうとしているのです。


大人は、会社を離れようとする若者心理を憂い、

こんな働く社会を創ってしまったことを反省しなければいけません。


私が人材育成を使命と定め、会社・職場といった働く場所に

絆と希望を取り戻し、人を大切に育て活かす社会づくりに貢献したいと

起業したのも、こんな働く社会を創ってしまった大人の一人として猛省し、

できる仕事から始めようと考えたからです。



メディアもノマドワーカー化する若者を

興味本位でヒーロー扱いしないようにしてほしいと思います。

一部の成功者を取り上げ、はやし立てないでほしい。



私は、会社を安直に辞めてしまい、

落ちていった人を何人も見てきました。

社会保険を滞納し、年金も支払えず、督促から逃げ続け、

怪しい投資話やマルチ商法にハマる若者もいます。


会社員で評価が落ちたといっても、食うには困りません。

しかし会社を辞めてしまうと、とたんに困窮に陥ります。


本当のノマドワーカーが実践できる人は

会社で働いていてもズバ抜けた結果を出せる人です。


それ以外の人が現状逃避でノマドワーカーを目指すと、

ドリフト(漂流)ワーカーになっしてまうでしょう



あたりまえだけどなかなかわからない 働く人のルール/前川 孝雄
¥1,365
Amazon.co.jp

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
+ サラリーマンから独立したFeelWorks代表・前川孝雄が直接指導!       +
+ 会社員のための1日完結 「人材育成で独立ゼミ」 <自己確立編> +
+            ~キャリア支援で食べていく~                  +
+  ・2012年 7月11日(水)10:00~17:00 ・2012年 7月14日(土)10:00~17:00  +
+       各回5名まで ※先着順・1名でも開講します                 +
+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

()FeelWorksの活動は、以下でもチェックくださいね

◆FeelWorksのホームページ



前川孝雄@FeelWorks代表取締役さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス