世間では新型コロナウイルスの話題で持ち切りです。
ウチなんかハイリスクの家族が居るので気が気ではありません。
と言っても、じゃあどうする?って話にもなりそうにないので、とにかく情報収集ばっかりで、毎朝3時間くらいはソッチに取られます。

なんせ政権が真っ直ぐ感染対策してませんからね、検査せずに感染者数誤魔化して。
ソコへ御用医者とメディアが茶坊主になってるんですから、国内の情報ダケ見てると騙されます。
欧米や中国の情報もチェックしないと、頭ん中の情報マップが歪んでしまいます。
それがチョット昔だと大変でした。
15年前に難病の情報を調べた時は、中国の情報を得る為にアッチの専門書を売ってる本屋さんを探して、専門書を注文して、届いたらスキャナで読み込んで、翻訳ソフトで訳して・・・まあ、大変でしたよ。
英語でも、まだまだ翻訳ソフトの能力がプアーでしたから、海外の情報を得る為には、ウェブサイトであっても一旦コピペして翻訳ソフトで翻訳して、それを読んでマトモな日本語になるように手直しして・・・・
医学論文なんかだと、コッチに基礎知識がないと手直しすら出来ませんから、躓く度に日本の文献を読んで言葉の意味とか、前提知識とか仕入れて、それからもう一回翻訳に戻る、みたいな事で、フーフー言いました。
今は、Google翻訳がスゴく良くなったので楽勝です。
一瞬でほぼほぼ意味が取れる日本語になりますからね。

それでも毎朝数時間は取られます。
この時期は一年で一番忙しい時期で、ご注文も沢山いただきますし、コチラの作付け準備もしなければならないし、ウチの場合は、未だ圃場整備も完了してませんから、木を切ったり土運んだり石積んだりハウス建てたり・・・・まあ、どうせ全部は間に合いませんから、出来ない分はまたしても先送りってだけなんですけどね。
それにプラス、「道楽」の稲作試験。
コッチはワタシ的には「メイン」なんですね。
そりゃ仕事としては種子販売の方が優先ですけどね、お客様がおられる事ですから。
だけど何でタネ売ってんだ?って元を正せば、稲作試験の資金作りの為なので、タダの「道楽」って訳には行かないんです。
コレも訳有って「田んぼ作り」からなので労力かかります。
今までは単に直播のタネの播き方とか、苗立ち率がどうだとか、播種労力はどうだとかばっかりでしたから、とりあえず平らにして水貯めるだけでも良かったんだけど、そろそろ収量はどこまで上がるか?とか、倒伏耐性は?とか収穫労力は?とか、実務的レベルの方をやらなければならない段階に入って来たので、急ごしらえの試験田を一般の田んぼに近い状態にしなければならないので、腐植質増やしたり砂利や砂を除いたりとか、コッチも労力かかって大変です。

んで、何時もの事ですけど、パニクってます。
何時もの事ですから、パニクる事に慣れてますから、大した事ありませんけど、キツイことはキツイですね。

で、あんまりココに記事を書いてる時間もないんですけど「ウイルス」についてです。
植物にもウイルス病があります。
発見されたのは植物の方が先みたいですね。

最初にウイルスってものが居るって分かったのがタバコモザイクウイルス(TMV)って奴で、コレは農学系では植物病学とかで一番に習いますから誰でも知ってますよね。
コレは大雑把に言えば、RNAです。
RNAをメチャ大雑把に言えば、DNAの片割れみたいなもんです。
DNAって二本の鎖をよじった構造ですが、それを1本だけにした様な奴です。
このTMVって奴は色んな植物に感染して、酷くなると枯れたり、成長が悪くなったり、収量が落ちたりします。
RNAの塊みたいな奴なので、それ単体では生きていけません。って言うか生き物じゃありません。
純粋に抽出すると棒状の「結晶」になるそうです。
生き物の中に入ると、生き物の細胞に乗っかって生き物みたいな振る舞いをして増えてしまいます。そして感染します。感染先でまた増えます。
植物の場合、治療する薬剤はありません。とにかく見つけたら引っこ抜いて焼却処分です。
どう言うワケか、成長の盛んな組織には入りにくく、茎の先端の分裂組織(1mm以下の小さな成長点など)にはウイルスは居ないので、感染株でも貴重な個体などは茎頂組織を取り出して培養すれば無菌株が作れます。
それからタネには感染しにくいので、タネを採って新たに栽培すれば大丈夫なモノがほとんどです。
動物や人間では、母体から胎児に感染する「垂直感染」もあるので、植物の様なワケには行かないみたいです。

ウチでもウイルス病かな?って奴はチョイチョイ出ます。
出てもあまり気にしないので、今、探してみたら写真が撮ってありません。
気にしない理由は後で書きます。

コレは去年の小麦です。
畑の隅に2㎡くらい成長が悪く枯れ葉が目立つ部分がありました。
「縞萎縮病」じゃないかな?と思います。コレもウイルス病です。
葉には不明瞭な濃淡の斑が見えます。
植物のウイルス病では、葉っぱにボケ斑が出る事が多いです。

コッチのイネは多分ウイルス病ではないと思いますが、「縞葉枯病」に似ています。
「縞葉枯病」だと、もっと不鮮明な斑です。そして上の方の葉が小さく縮れたりします。

他にもキュウリやカボチャでチョイチョイでます。
大きな葉っぱが変形したり、表面がしかんだりするのでスグに分かります。
因みに、正確にウイルスかどうかを判定するためには、そこらに生えてる雑草の「アカザ」の葉っぱを目の細かい紙やすりなどで軽く傷つけて、罹病植物の葉をすりおろした汁を付けてみれば分かります。1、2週間で病斑がでます。
ま、ソコまでしなくてもシワシワの葉っぱや形のオカシナ葉っぱやボヤ~ッとした斑紋のある葉っぱが出て、成長速度が鈍るのでだいたい分かります。

でも、何もしません。
広がった事は一度もないんですよ。もう、何十年もやってますけど・・・
でも、野菜のウイルス病は危険で深刻な病害と言われています。
ハウス栽培とかだと非常にヤバイです。
動物のウイルスと違って、植物体外に出ても死滅しません。
同じ場所で次の年も出たりしますから、産地が壊滅的な被害を受ける事もあります。
(新型コロナウイルスは体外に出ると数時間から数日で不活化すると言われています)
ハッキリ覚えてませんけど、「姫百合」か何か、ま、他のユリでもそうですけど、日本は野生種でも非常に綺麗で大きな花を咲かせるユリが多いのですが、昔から切り花の産地がなかなか長続きしません。
ウイルスにやられるからです。やられると花が奇形になったりします。
キュウリとかでも、多分今はウイルス耐性のあるF1品種とか耐病性の台木に継いだりとかしてるんじゃないかと思います。
でも、ウチでは放ったらかしで何ともありません。

調べたわけじゃありませんけど、それは、動植物の種類数、個体数の問題なんじゃないかと思います。
植物のウイルス病は、人間と違って「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」は無いようです。
感染するのはカメムシやアブラムシなどの「吸汁昆虫」の媒介によります。
感染株に付いた吸汁昆虫が汁を吸って、昆虫の口の中でウイルスが増えて、次に他の株に行って汁を吸う時に感染します。
丁度、人間で言えば「日本脳炎」や「デング熱」が蚊に刺されて感染するのと同じです。

ウチの様に、1品種数株~十数株の栽培しかなく、除草剤使わないから周りは草だらけ、殺虫剤使わないから虫や蜘蛛やカエルやトカゲや・・・
みたいな環境では、特定の吸汁昆虫は増えないので伝染しにくいし、毎年違う品種を違う区画で栽培するのでウイルスが土壌に残ってても極端な蔓延は起こりにくいのだろうと思っています。
山や野原の自然環境も同様に、特定の病気が極端に蔓延する事はあまり無いようです。

つまり、感染症が流行するのは一種類の生物が高い密度で生活しているからです。
ウイルス病ではありませんが、イネの「いもち病」や小麦の「赤カビ病」アブラナ科野菜の「灰色かび病」などで壊滅的な被害を受けた事は何度かあります。
害虫ではイネの「ウンカ」などにも2、3度やられた事があります。10年に一回くらいの頻度です。
そう言う被害が大きく出る時、以下の条件が共通しています。

1.大量に同じ品種を栽培した。
2.植栽密度が高く通風が悪い。
3.耐病性の低い品種。

こう言う条件はウイルス病だろうとバクテリアだろうと菌類だろうと、人間や家畜の病気でも同じだと思います。
ですから、対策は個人的には
1.集まらない。
2.くっつかない。開放し換気する。
3.睡眠、休養、運動を十分にとりストレスを無くし、免疫力を上げる。

と言う事だろうと思います。
社会的には、
出来る限り最大限の検査を行い、感染者を隔離する
以外に無いと思います。
検査のキャパが足りないとか、沢山感染者が見つかったら医療資源が枯渇して医療崩壊が起こるとか言ってる人が居ますが、「気は確かか?」と言いたいです。
ドンドン感染者が増えればいずれ医療資源は枯渇します。
増やさない事が先決です、増えなければ枯渇するワケがありません。
専門家会議は、「8割は軽症者」とか「8割の感染者は他の人にうつしていない」とか言っています。
コレは嘘ではないでしょう。
植物の茎頂組織と同じ様に、体内でウイルスが急速に増えなければ、健全さを保てます。
体内で増えていない軽症患者は他人にうつす可能性も低いでしょう。
若年の軽症者はほとんど無治療で自然治癒しています。
だったら、ホテルとかを借り上げて、軽症の感染者を隔離すれば良いと思います。
観光客減少で倒産の危機に直面しているホテルもあります。そう言うところは利用してあげた方が良いでしょう。
感染者が未感染者にうつさない限り、流行はソコで止まります。
軽症者のところで止めなければ、感染者が増え、比率的に重傷者も増え、医療資源が枯渇し、医療崩壊が起こり、治療が行き届かなくなって死亡率も高まってしまいます。
オリンピックに色目を使うのはやめて、今、止めなければ更に高いものに付くでしょう。