コレね2018年7月27日フェイスブックページに書いた記事です。
ヤフーブログから引っ越してきて、ヤフーの方に書いてた記事は全部こっちに来てるんだけど、1年くらいヤフーに書いてなかったのでその間の記事をチョイチョイこっちに追加します。
日に1件アップしてたのですが、間に合わないので2、3件ずつアップします。

 

無肥料試験田の「コシヒカリ」はなかなか大きくなりません。

水も澄んでるし、葉色も薄くて澄んでるし、見た目には清々しくて良いんですけどね。
動きはホントにゆっくりです。
ここら辺で硫安なんぞをドッとやるとグングン出てくるんでしょうけど・・・


播いたのも遅いわけなんですけど、普通だったらもうそろそろ株も太くなり大きな葉がギュッギュッと出てくるトコなんですけどね。
葉の色も透けて見える様な淡い緑でナヨナヨしています。

要するに圃場の経済収支が赤字なんでしょうね。
自然から供給される量が稲が消費する量より少ないようです。
養分が足りないワケです。
今年は何故かオタマジャクシは多かったのですが、ユスリカやヤゴは少ないようです。
藻類が湧かず水は常に透明なままです。
 

多肥栽培テストのバケツ稲などギトギトに藻類が湧いて肥溜め(死語ですが)みたいになっています。
鶏糞と米ぬかを半々で混ぜた肥料を一握りドンと入れたからです。
ドブの水みたいに富栄養化しています。

多肥栽培のバケツ稲は土の量が限られているのでバカデカくはなりませんが、ドンドン分けつを出しています。
葉色もヨモギみたいに濃い色です。
一日に1cm弱水が減ります。

 

外部から窒素を入れれば藻類も増えるしそれを食べる微細な生き物も増えるしで、色々増える方向へ回るんでしょうね。

試験田は「藁振り」直後は一時的に水が緑がかりましたが、そのまま増える方向へは行かずに静かになってしまいました。
稲が養分を消費してしまったのかも知れませんし、藁が分解する為に窒素を奪っているのかも知れません。
藁などで堆肥を作る時には、硫安や家畜糞尿等の窒素源を添加します。
有機物を分解する時に微生物が増えるので、微生物の菌体を作るために窒素を使われてしまうんですね。
それで作物に行く窒素が減って、いわゆる窒素飢餓が起こるワケです。
菌体に使われた窒素は「貯金」になって圃場に残るので、いつかは作物に利用されるだろうと思いますけどね。
 

苗が大きくなって、より深く根を張るようになれば、去年の稲の根などが分解された養分を吸い始めるので、葉色も濃くなると思ったのですが、なかなかそうはならないようです。

少し水の深い所は、生き物が作ったドロが溜まっているのでその養分を吸収して稲も大きく葉色も濃くなっています。

深い所と言っても10cmくらい、普通の田んぼよりは浅いかもですが、オタマジャクシの糞などから出来たドロがたまっていて、葉色も濃く、株もがっしりしています
が、水の浅い所は土も硬く、泥もたまっていないので、稲は全く育ちません。


やはり去年育ちが悪かった所が今年も悪い感じですね。
まだ雑草があまり生えていないので、稲が育たないと土の中の有機物も増えないからでしょう。
悪循環になってる感じです。


この株も深い所、全体がこうなる様に工夫すれば良いって事ですよね。
しかし、それを肥料なしでやるのは難しいですね。
田んぼ自体がもっと水持ちが良くて、深い水位を維持できればやり易いんですが、元々ここは山を削った造成地ですから、田の床に赤土でも打ち込まなければ水持ちも良くはなりそうにありません。

様々な生物の働きにより圃場が肥えて行く事は間違いなさそうですが、作物を作れば当然消費もされますから、上手くやらないと貯金が底を突くかも知れません。

今年の稲が終わったら、稲わらを全面に「藁振り」して、麦を播こうと思います。
しかし、この流れだと、まだまだ肥料分は土に蓄積される段階で、作物の方へは供給されないかも知れません。
メシ食わずに貯金している、みたいな話ですね。

自然農法を行う場合に、イキナリ無肥料にしない方が良いんじゃないかと思うのはこの辺の事情です。
養分が圃場環境、生態系から作物に供給されるサイクルができてないと、上手く回らないでしょうからね。

それなら、適度に肥料を与え、作物を正常に育てながら、土壌に「貯金」も貯めて行き、溢れて出てくる様になったら施肥をやめる、とか、少しずつ施肥量を落としながら自然のサイクルに移行するように持って行く、などの方が穏健で失敗が少ないように思います。


とは言え、この試験田は最初から痩せ地で田でも畑でもない所に水を貯めて稲を植えたらどんな風に変化していくのか?と言う事を知る為にやっているので、育ちが悪くてもこのまま無肥料で作り続けます。

少しでも藻類が増えるように、昼間は水を足さずに流れを止めておくことにしました。
夜間注水すれば夜温を下げる事にもなるので、幾分マシかも知れません。