木内昇『惣十郎浮世始末』です。

 

 

      服部惣十郎は、北町奉行所奉行所定町廻り同心である。

      初春月の寒い日、浅草の薬種問屋「興済堂」の火事で、

      二たいの遺骸があがった。

      同心の惣十郎は犯人を捕まえるが、指示薬の足取りは

      掴めない。

      一方、町医者の梨春は惣十郎の調べを手伝う傍ら、小児

      医療書を翻訳刊行せんと奔走していた。

      事件を追ううちに、惣十郎がたどり着いた驚愕の真実

      とは、思いもせぬ物だった。

 

      罪を見つめて、人を憎まず・・・の惣十郎だったが、

      この浮世をどう生きるかってのは、いつだって難儀なもの

      だな・・・。(帯)

 

 

      この小説には、何個かの小説が書かれているよう。

      常に、犯人らしくちらつかせておいて、最後は「そっちかい!」

      あまり、目が良く無い僕は、542頁の本のなかを、3日間あっち

      こっちと引っ張り回された感じです。

      犯人を追って、惣十郎と一緒に小説の中で探索しましたが、年寄

      にはつかれた本です。

      でも、なかなか面白い本ですよ!