--今回はマーケティング部の萩原翠さんにお話を伺います。まずは自己紹介をお願いします!

萩原「マーケティング部でグッズを担当している萩原翠です。ゼルビア歴は8年目になりました。」

 

--グッズ担当とのことですが、具体的にはどのような業務なのでしょうか?

萩原「企画、製作、販売、管理など、グッズ全般のことをやっています。グッズと言ってもいろいろなカテゴリー分けができますが、ユニフォームやタオルマフラーなどの試合観戦の必需品である応援グッズ系、キーホルダーや文房具など、日常で使えるものまで、様々あります。」

 

--最近の会心グッズは?

萩原「まずは選手名の入ったプレイヤーズフェイスタオルが1つです。コロナ禍で声を出せない状況の中、選手たちを鼓舞する応援グッズとしてサポーターの皆様に大好評を博しました。サポーターの皆様がタオルを掲げている姿を見ると、選手たちからもうれしいとの声が多かったです。また昨年のファンフェスタでは高橋祥平選手が「自分のタオルが少ない!」と言ったところ、そのメッセージが届いたのか、高橋選手のタオルはとても売れています。販売開始から3年目ですが、選手たちも告知に非常に協力的で大好評です。サポーターの方の中にはタオルを2、3枚繋げて、掲げている方もいらっしゃってビックリしました。」

 

--他にはありますか。

萩原「「なりきりゼルビー」というマスコット型の帽子です。特に冬は防寒対策としても重宝されています。第一弾は早々に売り切れてしまい、改良した第二弾も大好評です。お子さんからの人気が高く、「かわいい!」「これ欲しい!」といった声も多く、ゼルビー人気を改めて痛感しました。」

 

--ちなみに今回、お知らせがあるとか?

萩原「現在、7月のホームゲーム3試合で着用する3rdユニフォームを販売中です。名付けて、「天空の城ユニフォーム」です!!」

 

--アイディアの出発点は?

萩原「例えば過去にはトップチーム創設30周年記念ユニフォームなどを製作してきましたが、また別の記念ユニフォームを作りたいといった話が社内ミーティングの中で出ました。現在は町田GIONスタジアムを「天空の城 野津田」としてブランディングしているので、それに合わせたユニフォームを選手やサポーターの皆様に着用してもらいたいとの想いから、製作を決めました。何か記念ごとがあるタイミングではないのですが、「天空の城」を築城中の一環として、販売することにしました。」

 

--どのデザイン案にするのか、話し合いで決めたのですか。

萩原「10種類ぐらいのデザイン案がある中で、社内で何度も検討し1つの案に落ち着きました。」

 

--“黒ユニ”とはまたかっこいいですね。

萩原「「天空の城ユニフォーム」なので、城壁の色である茶色も1つの案でしたが、茶色のユニフォームは映えないなと。海外クラブの例を見ると、黒は映える印象でしたし、フィールドプレーヤーのユニフォームは「天空の城 野津田」の夜空をイメージした黒に、またGKユニフォームは、青空をイメージして青にしました。」

 

--ちなみに苦労話はありますか。

萩原「中国産の衣類は新型コロナウイルス感染症の影響でロックダウンをしている工場が動かないといった現象が起きているため、サプライヤーであるSVOLMEさんには国内の工場を見つけていただいて、国内で製造することになりました。SVOLMEさんの調整が大変だったと思います。」

 

--「天空の城ユニフォーム」のアピールポイントは?

萩原「城壁と夜空が描かれている星の部分は、今までの壁を乗り越えてきたことをイメージしています。またこれからは新しい景色、まだ見たことがないJ1の景色をファン、サポーター、町田の地域の方々と一緒に見に行こうというコンセプトが込められています。まさにクラブの想いの部分が凝縮されています。」

 

--フィールドプレーヤーの着用モデルは平戸太貴選手でした。モデルに選出した理由は?

萩原「平戸選手はキャプテンですし、映えることを期待しての人選です!」

 

--告知関係はどんな予定でしょうか。

萩原「公式サイトで特設ページを作りました。そこにコンセプトなどを記しているので、そちらをぜひご覧下さい!」

 

--ここからは少し萩原さんご自身のことを伺います。グッズ担当としての仕事のやりがいは?

萩原「スタジアムで応援グッズを身に付けている方の姿や、グッズを購入する様子を見た時、また声を掛けていただく方々のメッセージを聞くたびに、「もっと良いグッズを作りたい!」という原動力になっています。」

 

--グッズ販売はクラブの貴重な収益の柱でもありますよね。

萩原「まだまだグッズの収益は不十分です。いつかはクラブの収益の3本の柱の内の1つになれるようなボリューム感にしていきたいです。もっと良いものを届けていきたいです。」

 

--グッズを考案する上で自分が大事にしていることは?

萩原「1つは作るからには自分が買いたいものかどうかを大事にしています。また社内のスタッフの意見にも耳を傾けて、自分だけでは決めないようにしています。ファンやサポーターの皆さまからは時に耳の痛いご意見もありますが、そうした声を真摯に受け止めて、次のグッズに活かせるようにしています。」

 

--ちなみにゼルビアに入社したキッカケは?

萩原「そもそもサッカーに興味を持ったキッカケが、小学生の時に、味の素スタジアムで行われた東京ヴェルディvsレアル・マドリーの試合をスタジアムで見たことです。そしてその時に、ピッチ外に立つスーツ姿の方々がかっこいいなと思い始めたことがキッカケになりました。当時から地元にゼルビアがあることは知っていましたし、いつかサッカークラブで働きたいなと思っている中で、JAPANサッカーカレッジに2年間通い、2年生の時に知人を介して、インターンシップという形で約3カ月、お世話になりました。そして卒業のタイミングでちょうどクラブスタッフの方が1名退社することになり、ポストが空いたため、ありがたいことに入社のオファーをいただきました。」

 

--インターンではどんな活動をされたのですか。

萩原「当時は社員の人数も少なかったですし、メインは社員のみなさんの仕事を補助することでした。」

 

--まだ10人に満たない時期を知っているということですね。

萩原「業務を兼務されている方が大半でしたし、グッズ関連や総務関係だけではなく、広報やホームタウン活動のサポートもしました。インターンでは貴重な体験を積むことができました。当時を振り返ると、今では25名近くまで社員の数が増えたことは感慨深いですし、町田出身の身として、ゼルビアがこんなに早くここまで大きくなるとは…思っていませんでした。スタジアムも1万5000人のJ1仕様になって、専用の練習場もクラブハウスもある。ここまで環境が整って、「すごい!」という一言に尽きます。」

 

--クラブハウスの使い勝手はいかがですか。

萩原「以前はサイン1つをいただくにしても、事務所と練習場の往復をしていた時代がありましたし、当時を思うと、選手とのコミュニケーションをスムーズに取れることが、とてもありがたいです。」

 

--今後はどんなグッズを作っていきたいと思っていますか。

萩原「永遠の課題ですが、ファンやサポーターの皆様に買っていただき、完売するグッズを1つでも多く作っていきたいです。グッズ研究を含めて、時には他クラブの試合会場にも行くことがありますが、選手系やマスコット系のグッズで、かっこいいものから、かわいいものまで、いろいろなラインを揃えているクラブもあるので、刺激になっています。」

 

--ちなみにグッズ数はどのぐらいあるのですか。

萩原「試合会場で販売しているものは約70種類。それ以外を含めると150種類以上あります。」

 

--150種類以上…。そんなに! ちなみに萩原さん個人としての今後の目標は?

萩原「ゼルビアが地元の象徴的な存在として在り続けて、近い将来J1へ昇格できるように、グッズの面から力になりたいです。買っていただいたグッズを身に付けたファン、サポーターの方々で「天空の城 野津田」が青一色に染まり、それが選手の後押しとなって、J1昇格へと繋がるように、これからも頑張ります。」

 

--最後に萩原さんにとって、FC町田ゼルビアとは?

萩原「地元町田の象徴であり、私の生活の一部です。」

 

●編集後記・・・

物凄い業務量をこなす萩原さん。

グッズの制作だけでなく、在庫管理や企画の立案。

そして、少し前までは、総務関連の業務もこなしている姿を見ていると、体調を崩さないか心配になります。

 

ただ、どんな時でも自分の仕事を完遂する姿はクラブ内でもとても頼もしく、スタッフの中でも一目置かれています。

 

グッズへの強い信念を持っていながら、インターン生からもアイデアを聞くなど、柔軟な姿勢も併せ持つ萩原さん。

 

今後も新商品を次々と企画し、皆様に届けてくれると思います。

皆様のアイデアもぜひ、武器・防具屋にいる萩原さんにお声がけください。

(MACHIDiary 編集長より)