タイトーチェイスH.Q.で遊んでみた(レビュー48) | バーチャルコンソールクエスト

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2年目も気の赴くままに紹介していきますよー
ということでバーチャルコンソールレビュー48回目の今回は異色のカーアクションゲー
タイトーチェイスH.Q.をお送りします。
それでは。



ナンシーより緊急連絡。


相棒のレイモンドが助手席でいろいろやかましかったこととか
プレイしてる分にはいいけど傍から見てると結構鬱陶しかったパトライトなどは忘れてても
ナンシーの無線連絡はみなさん覚えてるのではないでしょうか。
思い返すと、ナンシーが車ぶつけてでも確保せれと無茶ブリしてくる相手は
どれもA級の凶悪犯ばかり、しかも確保に失敗すると罵声を浴びせられる
鬼嫁仕様の恐ろしい女子でしたな。
でもあの声には逆らえないんだよなあ、これが。



チェイスH.Q.は1988年にアーケードで発売されたカーアクションゲームです。

昔の擬似3Dレースゲームといえば、対向車=障害物でした。
接触するとタイムロスとなるのは当然ですが
ゲームによっては容赦なく爆発炎上であります。
なので対向車はお邪魔で鬱陶しい存在でありました。
対向車ウゼー、こんなやつこうしてやる!!
と開発スタッフさんがそう思ったかどうかは定かではありませんが
それまでの対向車へのフラストレーションをぶつけるかのごとく、
というか文字通り対向車にぶつけることを目的としたゲームを作ってしまったのです。
こういうのをコロンブスの卵的発想とでも言うんでしょうかね。
簡単に思いつきそうなアイデアですがコレを活かすとなるとなかなか難しい。
そこでこのアイデアを活かすべくスタッフさんは頭を悩ませた…
かどうかもこれまたよく分かりませんががモチーフとして採用されたのが
80年代のアメリカ映画やドラマでよくみられたカーチェイスの一場面。
そう、西海岸の警察屋さんはよくハイウェイで犯人の車めがけて
ガツガツやっとりましたよ。
これならいくらぶつけてもオッケーでしょう。
アイデアは出来た、舞台も整った。
そして登場したのがチェイスH.Q.というわけであります。

インターミッションでのナンシーとのやりとり
逃走者に追いつくまでのけっこうシビアなドライブパート。
そして対向車を目視してからの熱い熱いカーチェイス。
気分は完璧にアメリカ映画の刑事さんであります。
設定とシステムが見事に融合したいいゲームでありました。


ここまで条件が揃えば、アーケードで人気が出ないわけがありません。
みんなナンシーの言葉攻めを聴くために…
じゃなかった、逃走車をボコボコにするために
シートに座ってコインを投入したのでした。

そして当時多くの人気アーケード作品と同じく
チェイスH.Q.も多くの家庭用機に移植されました。
1990年に登場したPCエンジン版はけっこう出来よかったよねー
という記憶を頼りに約20年ぶりの再会…





えー、ナンシーさん、声の調子がよろしくないようですが?
僕は一瞬バラデュークの冒頭でI'm your friendとしゃべるパケットを思い出しましたよ。
だ、大丈夫ですか?
ヴィックス一個あげましょうか?

急に不安になりつつターゲットを追っかけます。
そうそう、操作説明操作説明。

十字キー左右がハンドル操作、上下はギアチェンジで下がLOW・上がHIGH。
2ボタンがアクセルで1がブレーキ、マイナスボタンがターボで
ターボは3回まで使用可能です。


操作説明終えたところでレビュー再開。

僕の記憶ではゲーセンに近いグラフィック…
のはずでしたがけっこうしょぼーん、な感じで驚く。
逃走車ももっとボコボコになってた印象なのに
けっこうしょぼーく壊れていきます。
これちょうど1年前、初レビューのオーダインと同じじゃないか。
アーケードの映像とごっちゃになって記憶が美化されてた模様。
ファミコン版やゲームボーイ版と比べると
相当頑張った忠実な移植であると言えるんですけど
オリジナルとの距離は思いのほか大きかった。
記憶って当てにならないわ。

しかしゲーム性のほうはまずまず。
というか時速300キロオーバーでカーブ曲がれたりするから驚く。
ギアも2段階だし、ステアリングも右!左!と極端だし。
かなり大味。
でもこれも昔は頑張ってたほうなんだよなあ。
十字キーでの大味な操作に最初こそ戸惑いましたが
これはこれで今遊ぶには逆に新鮮でありました。
そして、ボイスやグラフィックは多少ショボかったりしますが
逃走車を追い詰めるのは相変わらず楽しい。
特にカーブでインにつけたときのうれしさときたらもう。

パターン入ったー!!

と有野課長のように喜びながらガリガリ削っていきますよ。
いやほんと、このシステムと舞台設定は素晴らしすぎます。


それにしてもあれだ、レースゲームの進化っぷりはすごい。
チェイスH.Q.はたしかに面白い作品ではありましたが
今のレースゲームしか知らない世代にとっては
ジェネレーションギャップがありすぎるかもしれません。
ドカーンとぶつける快感はバーンアウトシリーズとかには到底敵いませんからなあ。
レースゲームといえばリアルにシミュレートされた
グラフィックと挙動にばかり目が行ってましたが
コントローラと操作系の進化もものすごいものがありますね。
隣にある360のコントローラを眺めながら
そりゃライトな方は操作から戸惑うよなあ、なんてこと思ってみたり。
そういう観点からするとWiiハンドルはこれまた違う次元にステップアップした
ものすごい代物だなあなんてことも思いました。
チェイスH.Q.もWiiハンドルで遊べると
まったく違った次元のいいゲームに化けるかもなあ。


ということで観るべきところは多いにも関わらず
今これで遊ぶとなるとちょっと気が引けるという切ない結果に。
もし興味を持たれたならVC版と共にPS2のタイトーメモリーズ2下巻に
アーケード版が収録されているのでこちらもいっしょにどうぞ。



タイトーチェイスH.Q.(タイトー)
PCエンジン作品・2008年8月26日配信開始
DLに必要なWiiポイント:600


僕のオススメ度  65%