貸金債務者側弁護士の控訴理由書中の表現が慰謝料支払対象に | 福岡若手弁護士のblog

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(ただしうち1名が圧倒的に多いですが、だんだん若手じゃなくなってるし)

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http://www.nagasaki-np.co.jp/kiji/20110906/04.shtml

2011/9/5長崎地裁佐世保支部。

借主側に立った佐世保市内の

弁護士と福岡市内の弁護士の

2名に対し、控訴理由書中の記載に

ついて30万円の慰謝料支払を

菊池浩明裁判官が命じている。

>「守銭奴とも評すべき」

>「当たり屋的」「マネー

>ロンダリング類似行為」

 準備書面の記載が完全に

表現の自由で免責される

関係はないけれども、一般に

控訴理由書は当事者以外に

公開する文書ではないので、

名誉棄損の公然性を認定

する上記評価については、

上記記述に対応する慰謝料

30万円が妥当な金額か否かも

含めて、意見の割れるところ

ではあろうが、弁護士にとって

本件で看過できない特殊性は

別の視点にあるように感じた。

>当該貸金の裁判は平成

>22年10月に和解で終結。

 貸主と借主間の貸金をめぐる

法的紛争(本来の本筋事件)は

もはや解決済みでありながら、

借主側の2人の弁護士が本筋

事件で勝ちたい余りに記した

記述を発端に、新たに貸主と

借主側弁護士の紛争が

感情面にとどまらず法的

水準で勃発していることだ。

 借主側弁護士でもし穏当な

表現を使う人物を選任して

いれば、1個の法的紛争で

終結したかもしれず、ここで

皮肉な見方をくわえるなら、

借主側弁護士がわざわざ

社会に紛争を惹起したとも

いえなくもないのである。

2人の実名がわからないので

人物像も知らぬままの抽象的

論点設定になってはいるが。

 あと、かつてから、準備書面や

法廷での尋問内容が不適切で

あることを理由に、戒告処分を

受けるケースはまま見られた。

が、戒告処分にとどまらず、

法的に金銭補償を弁護士に

対して求める案件が現に

都会ではなく佐世保のような

田舎でも発生する時代になり、

しかも「弁護士、けしからん」と

裁判官が弁護士に金銭補償を

命じることもある時代に変化

しつつあるともいえる。

 これは数多の弁護士にとって

有益な示唆に富む判決と

思われるので、ぜひ公刊物に

掲載してほしい。

ろぼっと軽ジK