羽生さくる文章教室では、文章を書きはじめる前に決めておくことを順番に沿ってお話しています。
今週はこちらでもその講義をしています。
順番のすべてはこちらです。
① 誰に向けて書くか。
② どんな気持ちを伝えたいか。
③ どんなモードで書くか。
④ なにをテーマに書くか。
きょうはいよいよ最後の4番めに決めること、なにをテーマに書くか、です。
テーマって最初じゃないの?と思われていますか?
そうですよね。
わたしも以前はテーマから決めていました。
最初の記憶について書こう。
育児で心がけてきたことについて書こう。
きのう笑っちゃったあのジョークについて書こう。
エッセイなので相手は不特定多数。
テーマと相手だけでも書けることは書けます。
ただ、ふくらんでこないというか、文章がカチカチしてしまうんですよね。
硬い文章になるというよりも、言葉自体が硬くなる。
こんなふうに書きたいんじゃないのになー、って思うような文章になっていきます。
文章には隙間が大事です。
ばらけてるっていう意味ではなくて、ジョイントがゆるやかな感じ。
そういう文章を書くためにはどうしたらいいか、を考えました。
といっても、自分では言葉になる前のところで変えていってしまうので、
プロセスに分けるとどうなるかな、とじっくり考えたたのです。
その結果が、
① 誰に向けて書くか。
② どんな気持ちを伝えたいか。
③ どんなモードで書くか。
④ なにをテーマに書くか。
だったわけです。
一つの文章にすると、
あの人に向けて、こんな気持ちを、このくらいの親しさで、このことについて書いて、伝えたい。
さくる文章メソッドでは、伝えたいのは「こと」ではなくて「気持ち」です。
わたしが「書く」のは「書く」ことを目的としているのではなく「伝える」ためなのです。
この書きかたを一度試してみてください。
言葉の柔らかさ、文章各部のジョイントのゆるやかさを感じていただけるのではないでしょうか。
春に向かって蕾がふくらむような文章がきっと書けると思います。
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