文章はビジュアルである。
と、わたしは考えています。
ひらがなと漢字、カタカナの混ざり具合、読点の位置、センテンスの長さ、改行の位置...
段落で見たときのバランスも大事。
それも正解を求めているわけではなく、あくまでも自分が心地よく感じるビジュアルなのですが。
好きなビジュアルを作るために、一語一文字ずつを瞬間的に検討しています。
たぶん、ほとんどの選択肢はそれぞれブロックになっていて、
文章の流れのなかで自動的に選ばれているのだと思います。
ブロックを次々つなげて文章を作っていく感じですね。
文章を書くのが好きで、もっと自分らしく書きたいなと思っていらっしゃる方や、
これから文章をたくさん書いていきたいと思われる方に、試していただきたいことがあります。
きょうは少し時間をかけて書いてみようとまず決めてください。
そして、書きはじめたら、ひらがなを漢字に変換するときに、すぐにenterや決定のキイを押さないようにします。
押さずにいったん、考える。
パソコンのワープロソフトやスマートフォンの予測変換に、ストップを掛けるわけです。
一呼吸置いて、この変換にわたしは同意できるかな、と検討する。
たとえば「よろしくおねがいいたします」というフレーズを書くとします。
お仕事のメールや連絡などで、一日に何度も書くフレーズだったりしますよね。
フレーズをまるごとをワープロソフトのいう通りに変換すると...
「宜しくお願い致します」
になり、もっとも漢字が多くなります。
「ヨロシク」は「宜しく」でいいかな「よろしく」かな。
「オネガイ」は「お願い」でいいかな「おねがい」かな。
「イタシマス」は「致します」でいいかな「いたします」かな。
「宜しくお願い致します」から「よろしくおねがいいたします」までの間には
(いま書き出そうと思いましたがとても複雑で降参しました。笑)
ひらがなと漢字のバランスのたくさんのバリエーションがあります。
そのなかでどれがいちばん自分の好きな感じか。
一度意識して選ぶと、これがわたしの「ヨロシクオネガイイタシシマス」だ!と自分の血が通います。
この検討と選択の集積が自分らしい文章であり、自分らしい文章のビジュアルになります。
少々面倒なプロセスではありますが、言葉が一つ一つ自分のものになっていく手応えを感じていただけることと思います。
羽生さくるの文章教室個人授業。
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基本4回のプログラムをご用意していますが、単発でもお受けします。
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