エリマツイ(ＥＲＩ ＭＡＴＳＵＩ)アーカイブコレクション
プレスルームにあったエリマツイ(ＥＲＩ ＭＡＴＳＵＩ)のドレス。たくさんのレンズで作られている。
ただし、このデザインは２０１２／２０１３年秋冬コレクションの作品ではない。２０１３年春夏コレクションでもない。数年前のアーカイブコレクションだ。だが、東京コレクションの人気ブランドの秋冬コレクションや２０１３年春夏コレクションの中で並んでいても違和感がない。むしろ、新しく見える。
９０年代後半、なぜ身体は美しいのか、美しい服とは何かを追求し、３Ｄ解析することから生まれた、リンゴ皮のようなクールカッティングをはじめ、２０００年代のトポロジー、「脳、心、コンピューター」、数学コンピューターとのコラボレーション、コンピューターで身体を計測し、左右対称ではないゆがみまでも服に取り入れたハイパークチュール、ヒューマノイドなど、東京の中でも全く異質なコレクションを発表してきた松居エリ。パリで作品を発表したこともある。
また、通常のコレクションだけでなく、実際に宇宙旅行で着るための服を選ぶスペースクチュールデザインコンテストや屋外でのライブショーなども行ってきた。数年前にも数学、アート、ファッションを融合させたコレクションを発表している。
そうした動きの背景には科学者やアーティストの集まりなどに参加するなど、「いまは科学、アート、ファッションデザイン、それぞれが分かれしまっている。もし、ばらばらになっている感性と認識がいっしょになれば素敵だな。ベーシックなデザインは他の人にまかせていてもいいのかなと思っています」という考えがある。
ショールームにアーカイブコレクションを置くというのも逆に新鮮。衣装としての使用やアーカイブコレクションと他ブランドのコレクションの組み合わせ、アーカイブの復刻などもおもしろいかもしれない。
