第12回JFW、2011/2012年秋冬東京コレクション・ウィークはなぜ中止ではなく延期したのか



第12回「東京発 日本ファッション・ウィーク(JFW in tokyo)」が中止となり、それにともない2011/2012年秋冬東京コレクション・ウィークも開催されませんでしたが、現時点でわからないことがいくつかあります。



なぜ、延期ではなく、中止となったのか。


今回中止となったことで、今年度で最後と言われていた支援予算はどうなるのか。


チャリティコレクションという案はでなかったのか。



技術的には、3・11東日本大震災によって海外のトップモデルが帰国したためにコレクションができない、計画停電の中で、デザイナーはもちろん、資源・エネルギー問題や原子力安全にも関連する経済産業省もファッションショーなど開催してはいけないようなムードになっていたなど、いくつもの理由があることはわかります。


地震がない通常のコレクションでも、入場するまでに何十人、何百人もの人を待たせる上に、終わった後も押し合いへし合いでは、余震が続く中でとても安全とは言えません。


また、開催していたとしても、電車の運行本数が減らされている状況では移動時間がまったく読めず、間に合わない、いつまで待てばいいのかわからないというケースが続出し、スケジュールはめちゃくちゃになっていたでしょう。


しかし、こうした理由なら、中止ではなく、4月中旬、あるいは4月末かゴールデンウィーク以降に延期するという考え方もできたはずです。もともと東京コレクションの場合、秋冬コレクションは4月に開催されていましたし、これまでも3月にコレクション、4月に展示会というブランドもたくさんありました今の状況ではヨーロッパはもちろんアジアのバイヤーも来日しませんから、延期して開催したとしても、特に問題はないはずです。


そうなると、あえてここまで書きませんでしたが、延期ではなく中止となった理由はやっぱり3月31日までに終わらないから、つまり予算が消化できないから、ということでしょうか。それとも、コレクションをしてもしなくても展示会受注に影響しないし、ショーや派手なイベントはやるべきではないというムードで、今後はショーに対してではなく、ビジネスマッチングに対して支援するという方針からでしょうか。


支援の終了、自立化、トーキョーアイやクールジャパンによる海外ビジネス展開支援の拡大など、転機を迎えているJFW in tokyoと東京コレクション・ウィークですが、今回の中止によって、それがさらに加速したということかもしれません。