この5年ほどで、ベトナム2回、中国1回、イラン1回の訪問団に、日弁連推薦で講義をおこなっている。

 

 

訪問団のメンバーはいずれも国家を代表しての高い地位の方々ばかりである。しかし、逆に担当すればするほど矛盾を感じることも多い。

 

 

一番最近の中国全人代常務委員会法制工作委員会のメンバーに対する行政手続法の講義を例にとれば、感じる疑問は次のようなことだ。

 

 

行政手続法とは行政の公正性・透明性確保と国民の権利利益の保護を目的とする、行政の自己規律の法律といっていいであろう。しかし、これに行政が反したら、国民は裁判所にその行政の決定の違法性を訴えることができることが前提である。

 

 

疑問の第一は、訪問団が丁度日本を訪れていた時、最高人民法院(最高裁)院長の周強さんが、高裁院長会議で、中国は三権分立原則をとらない、裁判所、司法の独立はないとあいさつしているのだ。これは中国の国是であり、三権の矛盾は全人代常務委員会または国務院が統一することは、周さんが言わなくても決まっている。が、そうすると懸命に日本で、行政手続を研究している訪問団が持ち帰る成果はどのように扱われるのだろうと思うのである。

 

 

疑問の第二は、訪問団が訪問する国を間違っているのではないかということだ。日本の行政手続法、行政手続のレベルは先進国とは言えない。ドイツやアメリカに行けばいいのではと思う。考えすぎかもしれないが、日本の不十分さが参考になるのかもしれないと思ってしまうのである。     

 

 

斎藤浩

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