2020年7月のMVP | 銀玉戦士のアトリエ

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☆2020年7月 月間MVP☆

 

👑🇧🇷デイブソン・フィゲレーロ🇧🇷👑(UFCフライ級王者)

 

【UFC FIGHT NIGHT VS ジョセフ・ベナビデス戦 dif1R一本勝利】

 

今年2月にジョセフ・ベナビデスとUFCフライ級王座決定戦を争い、2RTKO勝利したものの、自身の計量ミスによりベルトを手中に納める事が出来なかったデイブソン・フィゲレーロ。

今回はその仕切り直しとなる一戦、フィゲレーロは無事に前日計量もパスし、万全の状態でUFCフライ級のベルトの頂に挑む。

 

 

1R、まずは両者オーソドックスに構える。

フィゲレーロは構えのスタンスを広く取り、前手のガードを下げて時折両手を伸ばしながら距離を取る。

構えの懐が深いフィゲレーロに近付き、得意のショートレンジブローやタックルへと繋げたいベナビデス。

どっしり構えて相手の出方を伺うフィゲレーロの周りを左右にサークリングしながら、ローキックを放ってゆく。

前回の試合は初回から踏み込みにカウンターを多く合わせられていたので、まずはローで下から崩していく作戦か。

だがフィゲレーロも細かくフェイントを掛けながらじわじわとプレッシャーを掛けてベナビデスを下がらせ、回し蹴りを放つ。

回し蹴りを放った後、サウスポーにスイッチしたフィゲレーロ。

ベナビデスもサウスポーにスイッチし、左のローキックを放つが、フィゲレーロは前手(右手)のカウンターフックを当てて早くも先制のダウンを奪う。

グラウンド状態となり、トップから強烈な打ち下ろしのエルボーを当てるフィゲレーロ。

そこからバックを取って執拗にリアネイキドチョークを狙っていくが、ベナビデスもあわや一本決めかけられたところを何とか執念で脱出し、立ち上がってスタンド状態に戻る。

サウスポースタイルから右の前蹴りを放ち、体重を掛けた飛び込み左フックや右オーバーハンドを当てるフィゲレーロ。

ベナビデスもショートパンチを放つがフィゲレーロは自信を持って難無く捌き、ベナビデスの左ミドルにも右ストレートのカウンターを当てる。

フィゲレーロのフィジカル、パワー差の利点が両者の試合運びに如実に出る展開、フィゲレーロは左フックからガードの空いたところへ右フックで2度目のダウンを奪う。

そして横拳ではなく縦拳で繰り出される右のオーバーハンドフックで3度目のダウンを奪ったフィゲレーロhttps://twitter.com/mosagon/status/1284691355399143424 、またもグラウンド状態から強烈な肘パウンドを打ち下ろしてベナビデスを流血させてマウントポジションを取り、そこから再びリアネイキドチョークで締め上げ、ベナビデスが失神したところでレフェリーストップ。

コンディションを万全に整えつつも、前回以上に圧倒した試合でベナビデスに1R一本勝ちを決めたデイブソン・フィゲレーロが、デメトリアス・ジョンソン、ヘンリー・セフードに続く、第3代UFCフライ級王者に戴冠した。

 

⚜️デイブソン・フィゲレーロ  フィニッシュ動画🔜https://youtu.be/vI-ZFiUt_1E ⚜️

 

 

子供の頃にカポエイラを習っており、16歳でMMAファイターになる事を志す。

2012年にMMAデビュー。ブラジルのMMA団体ジャングル・ファイトで主に活躍し、プロ11戦無敗の戦績で2017年にUFCデビューする。

テクニカルな試合運びをする選手が多いフライ級という階級において、フィジカルとパワー、そして決定力の高さで相手を圧倒していくファイトスタイルはデビュー当時からにわかに注目され、UFCでも6勝1敗という戦績でUFCフライ級のタイトル挑戦権を獲得。

前フライ級王者ヘンリー・セフードの王座返上により、空位となったベルトを賭けて2020年2月にUFCフライ級創世記からトップ選手として活躍していたレジェンド、ジョセフ・ベナビデスに挑む。

序盤から相手を圧倒し、2Rに右ストレートでダウンを奪いTKO勝利を納めたものの、自身の前日計量ミスにより、勝ってもベルトを腰に巻く事は叶わなかった。

今回、契約体重をクリアしタイトルマッチを無事に成立させた上で、仕切り直しの一戦でもベナビデスを退けて、晴れてUFCフライ級のベルトを腰に巻いた。

 

通常時の体重がフライ級(56kg)選手にしては大柄の70kgあり、大幅な減量によるリカバリーによって得られるフィジカルとパワーを駆使し、どっしりとした構えから相手を一撃でノックアウトできる強烈なパンチを武器とする。

特に必殺の右の拳は、両構えから放つ事ができ多彩な軌道から放たれる、相手選手にとっては読み辛いトリッキーな一撃だ。

豪快なパウンドや仕掛けるときの決めの速さがありながら、反応速度の速さも同時に併せ持ち、相手の踏み込みやタックルに合わせてのカウンター打撃、ギロチンチョークといった技で、相手の打撃・寝技いかなる仕掛けでも即座に対応してフィニッシュする事ができる。

アスリート然としたUFCフライ級ファイターにはあまり居なかった、ギラギラとした狂気を身に纏い対戦相手を破壊するフライ級新王者は、マイティマウス絶対政権とはまた違った景色を魅せて、ファンの心を掴んでいく事だろう。