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「新任のFRB議長には手厳しい」ことが慣例となっているものの、ここ最近の米長短利回り格差の拡大は、ウォーシュ議長への信認がより低下していることを示唆しています。



米長期金利の上昇はインフレの長期化を示唆しており、FRBがインフレをしっかりとコントロールしているという確信を投資家が持てなくなっているのかもしれません。



米10年債利回りはFOMCを境にさらに上昇し、先月末には一時4.74%にまで達しています。
2023年11月2日以来の水準で、FF金利がまだ5.25-5.50%だったころです。
市場がインフレの長期化を警戒していることが分かります。
一方2年債利回りはさらなる上昇には至っておらず、むしろFOMC以降は上昇が一服しています。
このように短期債利回りが低下し、長期債利回りが上昇する事象を「ツイスト・スティープ」と言います。
 

米国債「ツイスト・スティープ化」、FRBの信認巡る懸念反映か
米連邦準備理事会(FRB) が7月29日に終わった連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定した後、米国債のイールドカーブが急激にスティープ化(長短金利差の拡大)し、FRBの信認や、インフレ抑制に本気で取り組む姿勢に対する懸念が市場で浮上している構図になった。(7月31日付ロイター)

 

7月FOMC後の会見でケビン・ウォーシュFRB議長は、これまでの動きからすでに市場が「引き締め」状態になっていることを指摘しました。
積極的な利上げサイクルからは距離を置く見通しで、これにより投資家はインフレへの警戒を高めているとの指摘です。



FedWatchによると、現時点での年内利上げ確率は86.4%と「1回利上げ」期待を維持しています。
 

短期ゾーンの利回り​は引き続き低下したものの、長期ゾーンの利回りは急上昇に転じ、特に30年債利回りは19年ぶりの高水準まで跳ね上がった。この結果イールドカーブは大きくス​ティープ化し、一部投資家の間で「市場がFRBのインフレ抑制への本気度を疑い始めている兆候」と受け止められた。(同記事より)

 

このように米当局とマーケットの見通しには乖離があり、このまま両者が平行線をたどるとなると、長期利回り上昇短期利回り低下が続きそうです。
利回り格差の拡大は、当局への不信と言えそうです。

 

FRBや英中銀、市場に金融引き締め委ねる-中東紛争でリスク高まる
世界の主要中央銀行の一部は、債券市場に金融政策の役割の一端を担わせることに前向きなように見受けられる。 米連邦準備制度とイングランド銀行(英中央銀行)はいずれも、最近の国債利回り上昇を踏まえ、政策金利を据え置いたまま様子を見ることが可能との見方を示唆している。米国とイランの断続的な軍事衝突を背景としたエネルギー価格の上昇が、本格的な物価ショックにつながるかどうかを見極める考えだ。(4日付ブルームバーグ)

 

市場の反応こそが金融環境の引き締まりをもたらしているため、中央銀行は様子見に徹するようです。
そんななか、今週末には「米国雇用統計」、来週水曜日には「米国消費者物価指数」がそれぞれ公表されます。
指標発表が様子見の中央銀行を動かすことになるのか、注目されます。
 

 

 

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