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谷本 憲彦
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ECB理事会とは
欧州中央銀行(ECB)最高の意思決定機関。ユーロ圏の統一的な金融政策を決定する。6週間毎に開催され、役員会メンバー6名(総裁、副総裁、理事4名)とユーロ圏の中銀総裁19名の計25名で構成される。

30日に、ユーロ通貨圏の金融政策を話し合う「ECB理事会」が開催されます。
協議後に政策金利が公表され、その後ラガルドECB総裁による会見が行われます。
前回会合の概要と、今回のポイントをまとめます。

▼前回会合

 

2025/9/11会合

声明

ラガルド総裁

ECBスタッフ予測

「主要政策金利の中銀預金金利を2.15%で維持することを決定」
「インフレ見通しに関する評価は概ね変更なし」
「ECBスタッフによる新たな予測は、6月の予測と同様のインフレ像を示している」
「特定の金利パスを事前に約束せず」

「成長に対する逆風は、来年にはおさまる見通し」
「先行指標は、賃金上昇がさらに緩やかになること示唆」
「インフレ見通しは通常よりも不透明」
「ディスインフレの進行は終了」
「EUの財政枠組みに基づいて運営すべき」

「25年のインフレ見通しは2.1%、26年の見通しは1.7%」
「25年のGDP成長率見通しは1.2%、26年は1.0%」

 

ECB政策金利は中立金利に近づいたとの見通しから、9月会合でECBは政策金利の据え置きを決定しています。

 

ECB、2会合連続で金利据え置き-リスクはより均衡したと総裁
欧州中央銀行(ECB)は11日の政策委員会会合で、中銀預金金利を2%に据え置いた。据え置きは2会合連続。インフレ圧力が抑制され、景気が堅調に推移しているとの認識から金利を現状で維持した。これを受けて投資家の間では、今後の追加利下げはないとの見方が強まった。
据え置きはブルームバーグの調査に参加した全アナリストの予想通りだった。政策委員会は今後の金融政策の方向性について明言を避け、引き続き経済指標を踏まえて会合ごとに判断する姿勢を示した。
ラガルド総裁はフランクフルトで記者会見し、「基調的なインフレの指標は、ECBの中期的な目標である2%と一致する状態が続いている」と指摘する一方で、貿易環境の不透明を背景に「物価見通しは通常よりも不確実性が高い」と強調した。
「経済成長に対するリスクは、より均衡した」と述べた上で、「最近の貿易協定によって不確実性は和らいだものの、貿易関係が再び悪化すれば、輸出が一段と冷え込み、投資や消費にも下押し圧力がかかる可能性がある」と続けた。
ラガルド総裁の発言を受け、市場では追加利下げの見込みが後退。金利先物の動向は、利下げサイクルが終了した可能性を示唆している。(9月11日付ブルームバーグ)

 

会合後の会見でラガルド総裁はディスインフレの進行は終了したとの見方も示し、何らかの行動を講じる必要はないことを強調しています。

▼今会合のポイント

利下げ打ち止めと12月会合での「残り1回利下げ」で、市場の見方は分かれているようです。

 

ECB、今後2年間は政策金利2%で据え置きの見通し-エコノミスト調査
欧州中央銀行(ECB)は2027年いっぱい、中銀預金金利を2%で維持する見通しだ。ブルームバーグの調査でエコノミストらが予想した。
エコノミストは来週の金融政策会合での据え置きを予想している。その先については、回答者の3分の1が少なくとも1回の追加利下げを見込んでいる。
12月には、2028年を初めて含む新たな経済見通しが公表される予定で、重要な会合と見なされている。(24日付ブルームバーグ)

 

ロイターは今会合のポイントを、次のようにまとめています。

 

・ECBの決定と現状認識
・物価上昇率の目標比上振れをECBは懸念しているか
・市場で来年の利下げを巡る予想が揺れている理由
・なお高い経済の不確実性がECBの政策運営に与える影響
・凍結ロシア資産活用したウクライナ向け融資案を巡るECBの立ち位置

 

ECBは昨日「月次調査」を公表しましたが、今後12カ月間の期待物価上昇率が前月から減少しているため、今会合での金利据え置きを後押しする見通しです。



米雇用統計の下振れやトランプ大統領による利下げ圧力から、ドル売りによるユーロ上昇が確認されています。


左軸:NY金(ドル)  右軸:ユーロドル

ドル安がNY金相場を支えていますが、10月の4,000ドルオーバーについては調整が見られます。



ECB理事会による声明は日本時間30日22時15分、ラガルド総裁会見は22時45分です。

 

 

 

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