今週の見通し

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谷本　憲彦
商品アナリスト・東京商品取引所認定（貴金属、石油、ゴム、農産物、オプション)、証券一種外務員

＜今週の予定＞
・29日：米以首脳会談、日中国交正常化記念日
・30日：豪中銀政策金利
・1日：中国建国記念日(国慶節～8日)
・3日：植田日銀総裁発言、クノット・オランダ前中銀総裁送別会、米雇用統計
・4日：自民党総裁選開票

＜CFTC建玉明細＞
金

Date	大口投機玉	前週比	NY金(＄)
09/09	261,740	12,210	3,682.20
09/16	266,410	4,670	3,725.10
09/23	266,749	339	3,815.70

(直近3週間)

右軸：大口投機玉買い越し

9月23日終了時点のNY金大口投機玉の買い越しは266,749枚。
前の週と比べ、339枚買い越しが増えました。
FOMC後に大口投機玉は売りも買いも増やしており、バランスに変化は見られませんでした。

白金

Date	大口投機玉	前週比	NY白金(＄)
09/09	14,356	-2,642	1,372.10
09/16	15,203	847	1,402.50
09/23	22,042	6,839	1,527.50

(直近3週間)

右軸：大口投機玉買い越し

9月23日終了時点のNY白金大口投機玉の買い越しは22,042枚。
前の週と比べ、6,839枚買い越しが増えました。
主要限月乗り換えにともない、売りが大きく減り買いが増えました。

CFTCとは”US. Commodity Futures Trading Commission”の略で、米商品先物取引委員会のこと。各取引所の建玉明細を開示することを義務付けており、毎週金曜日引け後にその週の火曜日時点の参加者別建玉明細”Commitments of Traders”を公表している。

＜今週の見通し＞
今月のFOMCでは雇用環境の下振れとインフレの高止まりがあらためて意識され、今のところ年内2回利下げ期待は6割程度にとどまっています。
今週末に公表される米雇用統計が注目され、年内2回利上げ期待が高まるのかどうか注目されます。
失業率は4.3%で横ばい、非農業部門雇用者数は前回の2.2万人増から5.0万人増に改善される見通しです。

また雇用統計から一夜明けた土曜日には、自民党総裁選が実施されます。
一政党の総裁選とはいえ、日本の次期首相を選出する可能性があるため、注目イベントとなります。
見通しは流動的、さらには少数与党であるため、自民党総裁が総理大臣にならない可能性もあります。
トランプ大統領が来月末に訪日予定との報道も聞かれており、人選によっては米大統領の訪日が実現するかもしれません。

トランプ米大統領、29日に議会指導部と会談へ　予算失効控え
米ホワイトハウス高官は27日、現在の予算が失効する30日の年度末を控え、トランプ大統領が29日に与野党の議会指導部と会談すると明らかにした。
大統領はこれまで予算について民主党のジェフリーズ下院院内総務とシューマー上院院内総務との協議を行っていない。
ジェフリーズ氏とシューマー氏は27日夕方、共同声明で29日の会談を確認し「われわれは政府機関閉鎖回避に向け断固とした決意をもっている」と表明した。
政府は1981年以来15回目となる部分閉鎖の危機に瀕している。
11月21日までのつなぎ予算案は下院で可決されたものの、上院通過に必要な60票には遠く及ばなかった。(27日付ロイター)

今週米議会は再開予定、つなぎ予算の成立が期待されます。

中国工業部門利益、8月は20.4%増　大幅なプラスに転じる
中国国家統計局が27日発表した8月の工業部門企業利益は前年比20.4%増で、7月の1.5%減から一転、大幅なプラスに転じた。
1-8月は0.9%増。1-7月は1.7%減だった。
8月は政府による価格競争の取り締まりで生産者のデフ圧力が緩和されたが、引き続き景気刺激策への期待が高まっている。
自動車、太陽電池、その他の主要産業分野では競争が激しく、価格引き下げに依存する状態が続いており、企業の利益率に打撃を与えている。(28日付ロイター)

先週土曜日に公表された中国工業利益が大幅に上振れしており、週明けの中国マーケットはポジティブに反応することが予想されます。

10月1日より中国市場はおやすみに入り、9日より再開する予定です。