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この一か月色々あり、大変ご無沙汰をしてしまっております。

お客様にはお詫び申し上げます。

 

お寄せいただく飼育相談の中で、一番時間を要する「水質」に関する項目について、復習記事としてまとめを試みます。

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1)「水槽の水は綺麗です」

水はどうですか?とお尋ねしたとき、大抵の御相談者は

「綺麗です」

と答えます。

―――私どもが知りたいのはそんなことではありません。

 

はっきり申し上げて、水槽の水は汚いです。

 

・それは、絶対に飲める代物ではなく

・魚のヌル(いわゆる生臭さをかもす物質)が溶解し

・糞尿すら溶け込み

・その上病原菌やバクテリア、プランクトンなどがウヨウヨ居る

 

それが病魚が居る水槽の水です。

どんなに透明に見えても

不純物が少なく見えても

生きた魚、ましてや病気の(調子の悪い)魚が入っている時点で、その水は汚れています。

これを頭から外されてしまうと、コミュニケーションを取るのが困難になってしまいます。

絶対に忘れないでください。

 

2)「濁っていないし、糞も食べ残しも取ってます」

【仮定その1】

海水とガムシロップと真水の入った3つのコップがあるとします。

溶け残りは除去して、浮遊物もウールマットで濾過済です。

この3つ、全て同じに見えます。

しかし、金魚は海水やガムシロップでは飼育できません。

なんぼ透明でも、浮遊物がなくても、

何万回ウールマットで濾過しても、

海水は海水のままで

ガムシロップもガムシロップのままです。

それが真水になることは未来永劫あり得ません。

 

【仮定その2】

鍋の中に水を張った、とします。

そこに猫さんが来て、水の中にウンコをした、とします。

すぐに気が付いて、ウンコを菜箸でつまんで捨てました。

作業中、猫さんのカリカリも何個か水中に落としてしまいました。

だけど、全部除去できたので、その水のまま料理したんです。

―――と、言う人が居たら、多分、まともな人間だとは思われません。

基地外か、底抜けの大バカ者か、

或いは自分に何か悪意を持っているのだろうかとすら勘繰られてしまいます。

これは気持ちの問題だけではなく、

1回でもウンコや残飯が入ってしまった水は、それを除去しても真水には戻りません。

真水には接触したものに即座に「浸透」する性質があり、それは言い換えれば接触した不安定な物質を即座に溶解させる能力がある、という意味でもあります。

 

水に溶解した化学物質は、大抵の場合明らかな濁りや目に見えてわかる色彩を呈することはありません。

ごく一部に鮮やかな色彩や白濁を呈するものがありますが、殆どの種類の化学物質は無色透明のまま水に溶け込みます。

※いわゆる「入浴剤」にどぎつい蛍光色が付けられているのはそのせいで、残り湯の再利用を無邪気にしすぎないように、利用者にアラートを出す意味であの色彩に決めたとも言われております。

化学物質を除去しようとすると、各々の物質に適合した「濾過」をする必要が生じます。

色や濁りが無いからといって、その水が綺麗であることを担保するものではありません。

 

3)水槽の水で魚が飼える理由

これについては拙ブログ

【復習記事】窒素三態(チッソ・さんたい)或いは、いろはの「い」

https://ameblo.jp/fairlady-sp310/entry-12260594603.html

にてご説明を差し上げました。

 

病魚が出た際、私共が一番最初に知りたいことは

・それは本当に病気(細菌やパラサイト)なのか

濾過のサイクルが出来ていないので、そのせいで魚がダウンしているのではないか?

この点に尽きます。

濾過サイクルが崩壊している為にダウンした魚には、確実に細菌感染症もパラサイトも二次感染的に相乗りしてきますが、一番の元(駄目な水)を断たなければ何をやっても助けることは出来ません

 

飼育・病魚相談をお受けして、

「水はどうですか?」と、お尋ねする際、

知りたいのは

「濾過サイクルが完成した水槽であるか?」

「過去に濾過サイクルが完成していても、今現在アンモニアや亜硝酸が出てしまっていないか?

PHが不適な為に粘膜異常を起こしていないか?」

という点であります。

 

決して水の濁りの有無や、透明であるか否か、という問題ではありません。

 

ましてや、
海や山、空の生死や風がどうとか、知りたいわけでもありません。

皆様の大切なお魚が、逝ってしまわないように、がんばっているんです。

なりわいの中で。

 

 

今一度、周知徹底を計れればと願い、再度のブログ記事と致しました。

お尋ねを戴く前に、ご一読を戴けますよう、お願申し上げます。

 

文責:水棲疾病基盤研究所

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