ホルストの吹奏楽のために書かれた楽曲。組曲2曲を中心に、鍛冶屋、ムーアサイド組曲を収めた1枚です。ハワード・ダン指揮のダラス・ウィンド・シンフォニーの演奏。A.リードといった現代的な吹奏楽曲に至るまでは、編成が試行錯誤されました。管楽器に打楽器。コントラバスといったバス声部補強の例外はありますが、管弦楽から弦楽器を欠いた編成。小さなアンサンブルとしてはモーツァルトの管楽のためのセレナードといった時点では、小さなまとまりであったものが、次第に大きな独立した分野へと成長していきます。日本では軍楽といったところから導入されたために、行進曲などを演奏する編成から確立されていきました。演奏能力の向上と、とりあげる曲もオリジナルの編成のものが増えていった。そのころからウィンド・オーケストラといった編成の定型となっていくのです。ホルスト作品は、まだまだ黎明期にオリジナル楽曲として生まれ、クラシックの位置を占めています。まだまだ管弦楽組曲の惑星のみが一人歩きしているホルストの、有名作品でもあります。ムーアサイド組曲が1928年。第1組曲は諸説ありますが、1909年。第2組曲が1911年に3楽章を除く形で生まれ、ともに、20世紀音楽として誕生しました。第1組曲の第1楽章に古い形式、シャコンヌが導入され、イングランド民謡も挿入されます。吹奏楽という分野が、遅れてきたところからのもので、、まだまだ表現主義的な方法はとっていません。当時の、イギリスの軍楽隊の形態を反映している、真のオリジナル作品なのでした。ヴォーン・ウィリアムズのイギリス民謡組曲と並べられるのも、そのイギリス音楽的特質をも受けたものでした。パッサカリアもホルストのパーセル研究から生まれたとされます。オーストリアからアメリカ、グレインジャーのリンカンシャーの花束がアメリカ的なものを反映した、吹奏楽黎明期のもう一つの興隆の流れでした。

ダラス・ウィンド・シンフォニーの熱気。ここには、軍楽の編成の要素から、吹奏楽ならではの響きへと向かうものを含んでいます。シンフォニーの名を冠したように、これらはすでに交響楽団的な響きなのですが、同時にまだまだ既存の古典音楽のような響きとは異なるものです。大編成の管弦楽、惑星もまた木星をはじめとした曲が吹奏楽編に移されることがあります。吹奏楽編とは、楽器の特質を考慮したもの以上に、単に移したといったものが多いものでした。吹奏楽の分野、アマチュアへの浸透のおかげで、親しみのもてる分野にはなっていますが、レコードとしての一枚としてはどうでしょう。フェネルをはじめ、このダラス・ウィンド・シンフォニーのものも高い水準のものとして記憶されます。ホルストのほかの作品にも目が向かう契機となるかもしれません。

 


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