前回の神社紹介では富士山信仰の浅間神社の総本社的存在である富士山本宮浅間大社を採り上げたが、今回は私が個人的に静岡県内で一番好きな浅間神社である東口本宮冨士浅間神社(ひがしぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ)を紹介したい。

 

「東口」というのは何かというと、富士山の登山口の1つである。別名「須走口」。そのため、当社は須走浅間神社(すばしりせんげんじんじゃ)とも呼ばれる。

 

世界遺産「富士山」の構成資産の1つでもある。そういう意味では主要浅間神社と言えるであろう。

 

当社へはJR御殿場駅から河口湖駅行のバスに乗り20分強、須走浅間神社バス停下車。

 

このバスルートは浅間神社巡りにおいて非常に重要な路線である。まず、始発の御殿場駅から徒歩3分のところに新橋浅間神社(にいはしせんげんじんじゃ)。そして、当社。その先で富士山山中湖バス停付近に山中浅間神社。さらに富士山駅の手前の浅間神社前バス停付近に北口本宮冨士浅間神社。終点の河口湖駅からはバス乗り換えが必要になるが、河口浅間神社や冨士御室浅間神社の参拝も可能である。

 

 

 

当社参拝は3回目。天気は3回連続で曇り。そのせいもあるのかもしれないが、非常に厳しい場の雰囲気を持っている印象である。ピリピリと張りつめた緊張感。凄味と恐ろしさ。

 

ただ、季節や気候によって、神社は異なる顔を見せる。今回は3回目にして、厳格な中にも多少和らいだ印象を受けた。

 

 

 

 

 

初回参拝時、境内に一歩足を踏み入れた途端に空気が一変したことが忘れられない。それだけの緊張感と凄味がある場の気だった。

 

この楼門へと至る境内参道がたまらなく好き。参道が素晴らしい神社はかなり多いが、当社もその1つ。北口本宮冨士浅間神社の参道も当社とは全く異なる雰囲気だが凄いと感じる。

 

ちなみに、「楼門(ろうもん)」とは2階建ての隋神門(ずいしんもん)のこと。「隋神門」は、左右に門番の神を祀っている門。「神門」は隋神門と同様の使われ方もしているような気がするが、隋神門の形式になっていなくても、とにかく神社にある門が神門ということで良いだろう(たぶん)。

 

 

 

2回目参拝時の参考画像。こちらの方がより、厳しい場の気になっていることが感じ取れるだろうか。初回参拝時のように今にも雨が降り出しそうな天気であったり、実際に小雨が降っていたり、あるいは霧がかかるような状況だと、それはもう恐ろしい雰囲気になるだろう。

 

 

楼門から拝殿に至る参道。

 

 

 

拝殿。本殿・幣殿・拝殿が一体となっている権現造(ごんげんづくり)という建築様式だそうだが、見た目では私も判定できない。北野天満宮、久能山東照宮、日光東照宮などがこの様式で、浅間神社としては珍しいのだと思う。

 

社殿の「赤」はやはり御祭神である「さくや姫」を意識したものだろうか。

 

 

 

本殿。拝殿と本殿を連結する部分(通常、幣殿と呼ばれる部分)を「石の間」とも呼び、拝殿・本殿より一段低くなっているのが特徴とのこと。ただし、この外側からの画像ではわからない。

 

 

 

境内社。上がさまざまな神社を合祀した社護神社。下が恵比須大黒社。どちらも、なかなか立派な社殿。

 

 

 

当社の魅力の一つは、社叢。境内を散歩できるようになっている。先ほどの参道の厳しい雰囲気とは異なり、癒し系の杜に感じられる。

 

時間があれば、しばらくこの空間でゆっくりしたいので、杜の中にもう少しベンチでも置いてもらえるとありがたい気がする。参道脇の休憩所や、杜の端の方にあずまやはあるのだが、この杜のど真ん中で時間を過ごしたいのだ。

 

 

 

 

 

 

 

今回はこの後河口湖方面へ向かったため、バスの時間の都合で立ち寄れなかったが、祖霊社と護国神社がある。

 

 

 

前回参拝時の画像。上が祖霊社。下が護国神社。

 

全体の参拝所要時間は30~40分程度。浅間の杜でゆっくり場の気に浸っていても1時間あれば時間はあまると思われる。

 

初回の参拝時、非常に感動して評価5.0(満点)。ただ、2回目は初回ほどの感動はなかったというのが正直なところ。今回の3回目の参拝は全くの予定外で、当社に来たくて来たくて仕方がない状態で参拝に訪れた訳ではないので(経緯は過去記事の「さくや姫からの呼び出しのその後」を参照)、どうなるかと思ったのだが、久しぶりに当社を訪れてみて、感動が蘇った。やはり評価5.0は正しかった。そして、「静岡県で一番好きな浅間神社」という感想もそのまま。

 

富士山本宮浅間大社や北口本宮冨士浅間神社が観光バスで団体さんも来るようなメジャーな神社なのに対して、当社は3回の参拝でいずれも数人~10人程度の参拝者。少なくとも、今のところは世界遺産だといって人が押し寄せているような状況ではない。静寂の中ゆっくり参拝できて、私好み。散歩や瞑想、ただただ場の気に浸ってぼーっとするなど、参拝が終わった後にも楽しめる素晴らしい神社であり、お奨めしておきたい。

 

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