「覆面友情物語」
第一話 ~ジェット編~
クソガキ時代の俺は、某老舗芸能事務所で芸人修行していた。
ある日突然、歌手になろうと思い、一方的に漫才コンビを解散した。
すぐにソニー系列の「10年経っても色あせない音楽オーディション」に合格し、俺は歌手に転向した。
音楽の基礎を全く知らずに感性だけで曲を作る無鉄砲な俺に、大御所プロデューサーさんがプロのアレンジャーを紹介してくれた。
そのアレンジャーが、ジェット氏だった。
第一印象は、「物凄く大人しくて真面目そうな人」だった。
デビューに向けて、俺とジェットは二人でガンガン良い作品を作り溜めていった。
ヤンチャで無鉄砲な俺と、冷静で落ち着いているジェット。
正反対の人間だったことが良かったのか、仕事の相性は最高だった。
大御所プロデューサーの判断で、俺とジェットはユニットでデビューすることになった。
画像がデビューCDジャケット。
若き日の俺は、カメラ向けられるとつい睨み付けてたっけ。。。
デビューしてからは、色々あって俺とジェットは二人で苦労しまくった。
俺は一度、夢をあきらめて音楽を辞めたのだが、その時ジェットは…
「俺はお前が最高のボーカルだと思ってる。やりたくなったら戻ってきてほしい」
と言ってくれた。
二年後、俺はまた音楽界に戻った。
もちろん最初にジェットに連絡した。
ジェットは快く再結成してくれた。
この時に俺が、
「覆面被ってやんない?」
って誘った。
あの時のジェットの嫌がる顔が忘れられない。(笑)
ジェットと出逢って何年経っただろう…。
俺たちには必ず守らなきゃならない約束がある。
「いつか武道館ライブを成功させたら、二人っきりで酒を呑んで号泣しようぜ」
そろそろ実現させなきゃね!
ジェット・マスクに、多かれ少なかれ幸多かれ。
