黒人と警察 *酷すぎる現状* | 黒人夫とのアメリカ生活30年

黒人夫とのアメリカ生活30年

黒人夫との約30年のアメリカ生活で体験した、黒人差別問題など、ありのまま綴っていきたいと思います。より良い未来を願って⭐️



私は、ノースカロライナ州立大学を卒業したが、夏季講習だけ、アメリカ中南部にある、ルイジアナ州の大学で、クラスを取った事がある。

そこで友達になった一人に、背丈中ぐらいの、色黒い黒人男性がいた。彼は、真面目で物静かで、頭がいい好青年だった。

ある日、いつも落ち着いている彼が、「昼休みに車で走っていたら、警察に止められて、両手を車について、ボディーサーチをされた。」と、とても悲しそうに、怒りを押さえながら話してくれた。

私は「何かしたの? スピードだしてたとか?」と聞いたが、彼は「いや、普通に走っていただけ。」と、あまりの不甲斐なさに、怒りを隠しきれない感じだった。

アメリカ南部は、人種差別が酷いとは聞いていて、なんとなく肌で感じる事もあったけど、その時のショックとやり切れない思いは、今でも忘れない。それは、20代前半の私にも、きっと彼の肌の色が黒いから、という理由だけだ、とわかったからだ。

また、ロサンゼルス郊外の高級住宅地の一軒家に住んでいた15年程前、夜、夫が自分の敷地内の家の前に停めた車の中で、日本から遊びに来ていた、私の妹と話していたら、通りかかったパトカーがとまり、警察に何をしてるのか聞かれ、「私はここに住んでいて、話をしているだけだ」と言ったにもかかわらず、身分証明書を見せろ、と言われた事がある。(ちなみに、その頃、その住宅地には、黒人はほとんど住んでいなかった。)


その時の、妹の怒りとショックは、相当のものだった様で、警察に「彼はここに住んで居るのに、何でそんな事しなくてはいけないの?」と突っかかっていったようだが、旦那にとめられて悔しかった、と言っていた。


私も、夫に、警察に止められた時の対応方法(抵抗しない、手をあげて動かさない、警察に言われた事だけするなどなど)を教え込まれた事がある。

その時は、”何でこの人は、私にそんな事、何度も言うんだろう”と不思議だったが、最近、黒人家庭では、幼い頃から子供達に、警察への対応方法を教えると知った。

それは、悲しい事に、この国では、黒人だと言う事だけで、警察に捕まったり、逮捕される確率が相当高く、無罪でも、弁解する前に殺されてしまう事も多々ある、という現実があるからだ。(今回のデモのきっかけになった、ジョージフロイドさんの件も、その一例だ。)

先日のニュースでは、ロサンゼルスでの、黒人が警察に逮捕される確率が報道されていたが、ビバリーヒルズでは、白人の21倍。マンハッタンビーチでは43倍、という数字に驚異した。

以前は、「それは、黒人に犯罪者が多いからでしょ。」と思っていた事もあったけど、この確率は、どう考えてもおかしい。



娘が、黒人差別問題を理解する参考として、Netflixのドキュメンタリー”13th”を観ることを、友人達に勧めていたので、私も昨日観たが、それでわかった事は、黒人は奴隷から解放されて自由になったが、その後は、犯罪者というレッテルを貼られ、自由を奪われている人達が沢山いる、という現実。


ちなみに、生涯刑務所に入っている白人の割合は、たったの17人に1人だという。


事実、娘がインスタに載せていたビデオでは、警察官達が、上からの指示で、貧しい黒人やメキシコ人をターゲットにしている、という悲しい事実を告白している。 


また、娘が学校の先生から聞いた、という彼が若い頃の実話だが、、、彼の友人(黒人)が、白人の友人と一緒にドライブしていたら、警察にとめられ、何でとめられたのか理由を聞くと、「君の車のヘッドライトが、壊れているからだ」と言われ、「壊れていませんよ」と言うと、警察が目の前で車のヘッドライトを、警棒か懐中電灯で叩き壊し「ほら、壊れているよ」と言われたそうだ。

この嘘の様な事が、本当に起こっているという事に、私達は、気づかないといけない。

よく、無罪者が、警察にドラッグを仕込まれて、逮捕されるなんて話も聞いて、半信半疑だったが、おそらく、これも、本当に起こっている事なのだろう。

もちろん、いい警察官も沢山いる。でも、悪い警察官も沢山いるという事は、否定できない事実だ。

これを、どう変えていくのか。

私達は、今、その瀬戸際に、立たされているような気がする。






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