「ナイチンゲールの沈黙」

  海棠尊/著  宝島社  2006年



第4回このミス大賞受賞作「チーム・バチスタの栄光」 の第2弾です。


続きがあるとは思っていたけれど、

こんなに早くでるとは思わなかったなぁ・・・。


勤務医をしながら小説を書くって、

それも、こんな短期間で書くって、

すごいことだなぁ。




東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜は、

子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口に依頼する。

その渦中、患児の父親が殺され、思いもかけない展開を…。

メディカル・エンターテインメント第2弾。





話は面白かったです。


が、なんかまとまりがなかった。


というか、オカルトミステリーになっちゃっているような・・・。


著者の書きたいことがたくさんあって、

それがちらばりすぎて、まとまっていないのか。


著者と編集者(出版社)の意見の相違があったため、

全てをいれたら、こんなになったのか。


キャラクターの個性がとても濃くて、

そして、かぶったキャラでも、その描写がうまく、

現実の医療問題もはさみつつ、

それぞれの説明がわかりやすい。


だからこそ、ミステリーとしてまとまりがなくとも、

とても面白い内容になっている。


続きが読みたくて、もっとこのキャラたちを見たくて、

謎の登場人物とか、別の病院事情だとか、

そういった先を楽しみにさせる期待の持たせ方がうまい。


でも、2、3年はまたされるだろうな・・・と思っていた続きが、

たった8ヶ月で出たのは驚きだった。

もっとも、前作は賞に応募したものだったから、

実際には1年以上は間があったのだけれども。


正直、医療モノにこういったオチは私は歓迎しない。

オカルトを否定するわけではないけれど、

というか、オカルトミステリーならばかまわないけれど、

1冊目の設定にはそういった要素がまるでなかったわけで、

ありえない人物やありえない職業だらけの内容でも、

この小説に、オカルトを持ち込んではほしくなかったなぁ・・・。


もっとも、この路線を3作目以降にも使用するなら、

オカルトミステリーとして読むからいいのだけれど。


「オカルト」を連発していますが、

実際はオカルトではないかもしれません。

ただ、それに近い状態じゃないかな・・・と私は思ったのです。



まあ、前作だって、純粋なミステリーではなかったはず。

医療ミスの謎解きみたいなものだったから。


だから今回も有りな設定なのかな?


ちょっと異色のミステリーといったところでしょうか。


とにかくキャラクターが魅力的というのは、

ミステリーとして甘い話でも許せるのは、

有栖川有栖と同じかな。

次回作を待ちわびる作品ではあります。