自分の子どもを4人全員を東大に合格させたという「佐藤ママ」なる人物の発言が炎上した。私はそもそもその人物のことをよく知らなかったので(ネットニュースめっちゃ見るのになぜ引っ掛からなかったのだろう?)、発言云々よりもまずは佐藤ママって誰? ということこから解き明かし作業が始まった。(笑)
で、次にいよいよ「何の発言が炎上して、誰がどう噛みついたのか」である。
〇タブレットが(この世から)なくなったら子どもが賢くなります
これに嚙みついたのが、ホリエモンこと堀江貴文氏。続いて脳科学者(ホンマカイナ)の茂木健一郎氏。そしてひろゆき氏。
調べるほどバカらしくなってきたので、これ以上の詳細はもう書かない。
この一連の顛末を通して、筆者はふたつのことを思った。
①悪意あるマスメディアが、本人たちとは別のところでいらぬ誤解を与えている
②批判とは、基本名指しでするものではない。~への反論という形でなく、自分の意見として発表することが望ましい
まず①に関して。
発言の発端は、ある討論番組内でのものらしいが、マスメディアというのは良くも悪くも「簡略化」する。
筆者が触れた情報では、上記のような「タブレットがなくなったら子どもが賢くなる」と受け取れるものだった。でもこれだけでは、佐藤さんが「タブレットの存在を全否定している」のだと受け取ってしまい、そりゃ批判もされるよ、と思ってしまう。でも、続く佐藤ママの返しを読むと—
〇番組内でも言ったんですけどね、私はタブレットをなくせというのではなく「年齢で区切って使いましょう」ということを言ったんです。(この場合は12歳までは使用を制限しようという意見)
えっ? となる。ネットニュースとは実に恣意的でいい加減なところがある。
たとえ記事内ではちゃんと書いてあっても、タイトルの付け方で「佐藤ママ『タブレットなんか要らない』と発言」と書けば、なんかもうそれ読んだだけで中身が分かったような気になって、本文を読まない人も出てくる。で、あとで「佐藤ママって、タブレットなんか必要ないって言った人でしょ?」と人と話すことになり、よく調べない人の間でそれが広まってしまう。
筆者も、あやうく最初に出会ったネット記事で誤解しそうになった。12歳までは制限、という部分を知るのと知らないのとではまるっきり見え方が変わってくる。
なので、ネットニュースはいくらタイトルが分かりやすく内容が想像できても、人の名誉に関わることならなおさらちゃんと読みましょう! できたら、いくつか同じニュース記事を並べて比較検討しましょう!
で、②番目、ホリモンの「こいつバカ」、茂木氏の悪口は論外。
ひろゆき氏の「最近の研究だと、勉強を努力をできる才能さえも遺伝という説が強いので、単に優秀な遺伝子を継いだ子どもが当たり前の成果を生んだだけなのに、それを自分の教育法に意味があった(成功した)と思い込んでいるだけの可能性があります。もしこれが我が子じゃなくどこかの学校のクラスを受け持って、他人である受け持ちの生徒を全員東大に入れたとかなら尊敬しますけどね」はまだマシ。
佐藤ママを批判した三人の著名人のうち、このひろゆき氏の意見だけが唯一まともに取り上げる価値がある。言ってることだけを考えると、確かにそういう側面はあるからだ。
ただ、佐藤ママの言葉に反応して、その批判としてこれを言うのはちと残念だ。
勉強を頑張る、ということができるのも遺伝なのだ、とひろゆき氏独自の発信で言えばいいのだ。否定でなく肯定から。誰かの反論としてではなく、自分はこうという形で意見というものは発信するのがベストだ。もし、もともとそうしていてその上で佐藤ママにも意見したというのであれば、それは発信者が自分の価値を下げている。
自分の意見を言ったなら、あとは竿に魚がかかるのを静かに待てばいいのだ。自分から川に飛び込んで魚を見つけにいかなくていい。
●一流は、他人の反論を(しかも公の舞台で)しない。
言いたいことは、ただ自身の発信として「こう思う」ということを言う。
決して、他に「違う、そうじゃない」と干渉はしない。
ただし、例外というのはある。それは、その影響力のある誰かの発言が「不特定多数に誤解を与え、ひどい場合には不利益を与えたり不幸にする可能性がある」場合に、その発言を指して反論・訂正をすべき時もある。
その場合以外、一流どころというのは静かにしている。まぁそう言ったところでひろゆき氏あたりは「おいら別に一流じゃないんで。好きにさせてもらいますw」とか返されてゼンゼン応えないでしょうけどね。
もう、この世界で情報に踊らされないためには「自衛」しかないでしょうね。特に切り取られたような「まとめ情報」的なニュースソースには注意して、反論したくなる誰かの言葉はその前後も含め原文ママをちゃんと伝えているものを探すことです。