同一視の破壊力 | Eye of the God ~神の眼~

Eye of the God ~神の眼~

現代における預言の言葉。黙示。
現代の常識、価値観では幸せになれない人たちへ。
新時代に合うものの考え方を紹介していきます。
あまりにも常識と違うので、戸惑われることでしょう。
でも、キリストはかつてこう言いました。
『耳のあるものは聞くがよい』。

 

 

 人間を人間たらしめるもの。
 それは知性であるとか霊性であるとか、言葉を使うあるいは道具を駆使すること、今だけではなく過去と未来も含めた奥行きで思考できる……等々。
 それらを動物と人間との違いとして挙げることが多いだろう。
 でも今回、今挙げたものほど重要じゃないけど、実は考えてみれば結構重要なことなんじゃないか、と言える人間独特の特性について話してみよう。


 ネットで、不謹慎だがとても笑える四コママンガを見つけた。

【1コマ目】

 深夜に若い男性が、酔いつぶれた若い女性を介抱して自宅まで送っている。
 女性の自宅マンションに着いて、女性を部屋のベッドに寝かせる。これはもう意識が完全に飛んでいて、深く眠っているのとそう変わりがない。


【2コマ目】

 女性は美人で、体つきも男好きのするものだった。多少のことをしても、女性はきっとあとで覚えていないだろうと考え、エッチな行為に及ぼうとする。興奮しながらズボンを脱ぎかけたその瞬間、部屋の中のあるものが男性の目をくぎ付けにした。


【3コマ目】

 写真立てがあり、そこには創価学会の池田大作先生のご尊顔の写真が! 要するに、この女性は創価学会の会員(信者)だったのだ。


【4コマ目】

 一気に性欲が萎えた男性はズボンを履き直し、女性には手を触れずそそくさとマンションをあとにした。


 ……いかがだったでしょうか?
 池田先生が、今話題沸騰の旧統一教会の創始者・文鮮明氏でもオッケーだと思う。(なんとあのイエス・キリストの生まれ変わりだってさ! そう考えたら●●の科学の創始者のほうが肩書のスケールが大きい?)
 この笑えるマンガの一番のポイントは、心理学でいう「同一視」である。
 創価学会の信者だろうがなんだろうが、その女性がその女性であることに後にも先にも変わりない。男性がその事実を知る以前も知った後も、その女性は同じ女性である。ただ、男性の側で勝手に解釈が変わってしまったのだ。
 当たり前だが、女性は池田大作ではない。ありのままをとらえる目があったなら、関係なく女性を抱けるのに(あ、犯罪を助長してはいけないのだった!)、人間とは実に面倒な生き物である。頭の中で、男性の脳裏に池田大作の顔がちらつくのである。ひどい場合は、まるで池田氏とアレするような錯覚に陥ってしまうのだ。そうなると、いくら魅力的な女性の体を自由にできる状況でもなにもしたくなくなる。


 この「本来関係がないのに重ね見る」という心理的特性が人にあるために、日夜目にする悲惨な事件が起きている。仏教の言う「苦」が生まれるのも、これがあることが一因だ。しかも人間は一人一人がもつ判断のための物差しがバラバラなので、それぞれが勝手にする同一視同士がぶつかり合って、すれ違いや争いを生むこととなる。


●人は、情報の少ないものや良く知らないものにはより「同一視」が働きやすい。


 先ほどのマンガの女性も、その人となりをよく知ればもしかして「学会員であっても、それを乗り越えるほど好き」になることがあるかもしれない。(繊細過ぎる男ならそれでもダメかもしれないけど!) あと、よく知れば池田先生も素晴らしい人で、先生を尊敬するこの女性のことも体含めて愛せるようになるかも!(それもどうなんだろう…)
 芸能人が人気なうちは「みんな好きなのだから素敵な人なのだろう」と、よく知りもしないが世間の評価イコール自分の評価になる。これも同一視の一種だ。
 でも、香川照之みたく裏側が暴かれるようなニュースが出れば「なんと、実は悪い人だったんだ」と、これまた簡単に覆る。これでは、現代人は『情報の奴隷』だ。


 人である以上、生活の中で同一視は避けられない。一切するなというのは、息をするなというのと同じことだろう。そんな中で私たちができることと言えば「同一視をしがちであるということを覚えておいて、たまには思い出そう」ということ。
 幸いなことに、この世界には「時間という名の幻想」がある。昨日のあなたと今日のあなたは違う。そして明日のあなたも今日のあなたと違う。同じことで、あなたを取り巻く世界のすべても人も、刻々と変化するのだ。
 よく知らない人に、噂とかでよくないイメージが付くとする。放っておいたら明日も明後日も、その人物に対するあなたの評価は不動だろう。でも、気付く人は気付くことができる。


①自分で相手と交流して確認したこともないのに、他人の評価と実際のその人を「同一視」してしまっていることに。


②その人だって、日に日に色々な体験をして変化している。接さないあなただけが知らないのだ。実は大きな内的変化がその人にあて、今話せば「嫌な奴」と思った時のその人ともはや別人であることを。



 同一視とは、不和や争いも生むがうまくすれば世界を平和にすることにも使える。
 刃物と一緒で、人を刺すことに使うから過ちを生む。料理に使えば、人をもてなせば問題はない。それと同じだ。
 あなたも今日から、同一視というものを多少なりとも意識して自省して見ることで、周囲との関係が良くなることを体験してみませんか?