いやさか 創発研究所

   感性価値経営で企業の発展をサポートする 株式会社いやさか  高原裕一のブログ

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おせっかいな組織と創発

蟻のコロニー(集団)は、巨大な住居である蟻塚を作ります。

しかも蟻塚の内部には女王蟻の部屋をはじめ、食物を置く部屋、仲間の亡き骸を置く部屋など、機能的な構造になっています。

 

なぜ、このような大事業が蟻にできるのか。

その行動生態を支えているものが、蟻同士のフェロモンのやりとりです。相互に近隣の蟻とそれぞれがもつフェロモンを交換して、結果的に生産的な行動につなげているとされています。

これは近隣生態の創発性、トポバイオロジーと呼ばれるものです。

 

蟻の集団には指示命令者がいないのに全体として統率の取れた行いができる蟻たちに私たちは見習うべきものがあると考えます。

 

ある大手電子機器メーカーは「創発」をテーマに研究を進めています。また、この企業はマネジメントの基本方針として、「おせっかい」を掲げています。

 

それはまさに、近隣の関係者との相互関心性、相互関与性に価値を置いたマネジメントであると言えます。

 

自部門最適ではなく、前工程、後工程、そして部門スタッフの動きを観察し、感じ、全体最適を目指す。

このような組織風土を大切にする企業こそが先進的企業といえるのではないでしょうか。

 

怠け者よ、蟻のところに行って見よ。

その道を見て、知恵を得よ。

蟻には首領もなく、指揮官も支配者もないが

夏の間にパンを備え、刈り入れ時に食糧を集める。

<旧約聖書・箴言6章6~8節>

※特定の宗教をお勧めするものではありません

いやさか創発推進プログラム

http://www.eyasaka.jp/souhatsu_s1.html

子供はみんな「試すこと」が大好きだった

子供のころ、粘土遊びに耽っていました。

いろんな色を試し、形を試行錯誤しながら、自分のイメージに近づけていく。

頭の中のイメージを手を使って粘土で再現するという作業に飽きることなく、時間を使っていたように思いだされます。

こうしたら、どうだろう、ああしてみたら、意外に面白いなど、試してみることで、気づき、形がつくられていく。

 

人は大人になるにつれ、この試行錯誤の喜びを忘れてしまいます。

こと、仕事になると、「失敗しないよう」「ミスを犯さないように」と注意されます。

ミスなく業務を進めていこうとすることは大切な取り組みではあります。

また、学校教育の現場でも「ミスなく」「決められた通りにことを進める」ということは、将来の従順な働き手を育むという教育目的からみても重要なことであると言えます。

 

しかし、一方でその弊害があります。

失敗を恐れる風土が行き過ぎると、新しいやり方を試してみることなく、言われたことしかしない人間が出来てしまいます。

失敗があるから気づき、チャレンジするから楽しくなるわけで、このような「試す取り組み」を評価しない組織にはなってほしくないですね。

 

会社によっては、チャレンジ評価制度のようなものを設けて、失敗を恐れずチャレンジすることを評価することを推奨しているところもありますが、それでは不十分です。この制度に縛られ、ワクワクしなくなってしまうからです。

 

SONYは創業当時「自由闊達で愉快な理想工場」を綱領に掲げたと言われています。

制度ではなく、基本的な価値観として、社長や幹部自らがトライする風土を作っていくことが必要です。

 

ワクワクするトライを続けられるようにするため、創発型人材啓蒙活動を組織的に取り組むことが必要になってきます。

創発型人材育成1(トライ型人材)プログラム

創発経営

小さな蟻が巨大な塚をつくる

1+1は2にならない。 
 100の成果を作る人を10人集めると、1,000の成果は作れません。面白いことに、組織によって100×10人が500になってしまう場合も、あるいは2,000になる場合もあります。

 感情、人間関係や組織風土、リーダシップ、仕組みなどの内的要因、あるいは競合や技術革新、市場動向などの外的環境の中にあり、複雑な要因・環境の中で仕事をしている私たちは、数字の足し算では単純に計算できるものではないからです。

 これを目的に合わせ、戦略化し、結果を作るために適合させるために、マネジメントが必要になるわけですが、近年はそれだけでは十分でなくなってきました。

 

掛け算でもなく、「溶け込み、新たな何かを『出現』させること」

 こういう話をすると、よく「足し算ではなく掛け算」「いや、掛け算でもなく、可能性は無限大」と言ったりしますが、創発というのは「新しい性質や特性が『出現』される」という意味合いに近いものです。

 個々人としての能力は限界があっても、それらが組織全体に溶け込み、関わり合い、力を提供しあうことで、まったく新しい価値を生み出すこと、といってもよいでしょう。

 

自然界で見られる創発

 アリのような小さな生き物は、単体で外敵から身を守れるほとの力はまったくありませんが、集団で行動し大きなアリ塚という巨大マンションをつくり、そこで、必要な生産、繁殖を繰り返すことができます。また、集団になることで、大きな獲物も食べ物とすることができます。体も小さく、計画や設計をすることすらできない、意思を持たないアリがなぜこのような大事業ができるのでしょうか。

 個体としては取るに足らない生きものが集団となり、単なる「個の集合体」を超えたまったく次元のちがう特性を持つ現象が「創発」といいます。創発は、アリとアリ塚の例だけではなく、自然界、科学分野のあらゆるところで見られます。

 

優秀な人だけいればよい?

 組織は2-6-2とよく言われます。意欲や能力の高い人2割と意欲すらない人2割の間に、6割の追随者(時には面従腹背になったりする人)がいると言われています。したがって、能力意欲の高い人2割に組織はかかっている。だから、管理者やリーダーの育成は不可欠だということで、高い研修費を払い続けている企業が多くあります。

 くだんのアリの集団の行動によると、上位2割のアリだけとり分け、少数精鋭化しようとしても、その2割の中でもやはり「2-6-2」に分かれるようです。(実験したわけではありませんが・・)

 この自然界(アリ?)の前提を思い切って人の組織に当てはめてしまうならば、創発という考え方や志向を組織のリーダーは持ち合わせておいたほうが、より的確な経営ができるのではないかと考え、当社のあらゆる分野におけるサービスの軸に置くようになりました。

事業・商品開発の基本

商品やサービスは常に陳腐化する宿命にあるため、事業を継続していこうとするならば、市場を刺激し、市場を創り続けていくことが事業活動の機能であり目的そのものであるといえます。

 

そのため、新事業、新商品をいかにして継続的に展開していくかは大きな課題です。

その課題をどのようにクリアしていくかですが、そのためにどのような取り組みをしていけばいいのでしょうか。

 

事業や商品のアイデアは次のようなきっかけにより生まれてくるものです。

いわゆる事業・商品開発の端緒ともいうべきことです。

 

もちろん、一部の人の一瞬のヒラメキにより事業開発のきっかけが生まれるということもありましょうか。

ヒラメキはマネジメントできませんね。

 

そこで、まずは次の点に取り組むことが必要であると考えます。

 

(1)意外なところからの相談や問い合わせ

(2)顧客からの具体的な要望やクレーム

 

この情報を事業・商品開発に活かせてますでしょうか。

 

事業の開発は

(1)の取組につながる・・・・・・「新たな顧客に同社の商品や強味が売れないか」

(2)の取組につながる・・・・・・「既存の顧客に新たな商品を提供できないか」

 

上記2つの発想につながる考察が必要になります。

 

これを日常的に開発のチームに情報を提供することから始まります。

 

例えば、プロ向けの厨房機器を販売していたが、一般の人から引き合いがある・・・(1)のケース

あるいは、これまで問題なく対応してきたが、担当者が変わってから急に品質に厳しくなった・・・(2)のケース

 

このようなとき、例外扱いをしないでおくということが重要です。

なぜこのような要望が生まれてきたのか、その背景や実際の使用シーンは具体的にどうなのか。

このような「情報」を集めることが開発の端緒になります。

 

これらの情報を積極的に集めて、プロジェクトで共有し、ユーザー目線で新しい開発を考えていく。

 

「顧客が目の当たりにしている課題に向き合う」「満足の先を常に考える」といった取り組みこそが

重要であり、それらが、マネジメントされているかどうかを常に検証し進めていってほしいものです。

 

まずは、顧客の声に耳を澄ますこと。そこにこそ宝の山があるものです。

 

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生産性向上に求められる、リーダーシップ評価



働き方改革が叫ばれています。日本人の生産性の低さを時間あたりの生産性で表して、それが先進諸国に比べ如何に低いかと自虐的に喧伝されています。
天然資源や資本マネーゲームで優位的地位にある国と比べて日本はどうしても時間をかけて働かないと成り立っていけない国なのに、果たしてこの働き方改革は公務員のためのものではないかとすら思ってしまうほど不自然さと違和感を感じてしまいます。

とはいえ、いずれにしても労働生産性を高めることは成長のための根本的命題であることに変わりはありません。

短時間で如何に成果を高めるかが問われていますので、経営的にはビジネスモデルの転換が急がれます。最も付加価値の高い分野で競争力を高めていくための商品開発とシステム改革です。

同時に行わなければいけないことは、(むしろ、ビジネスモデルの転換の前提と言えるかもしれませんが)社内での評価に安住しているスタッフ、ライン従業員の新たな評価軸の設定であるといえます。

自社内でどのレベルかというより、業界内でどうか、高いパフォーマンスを果たして出せているかという視点が必要になります。
リーディングカンパニーという言葉がありますが、文字通りリーダー格の社員であるかどうかの評価が求められます。

自社内で相対評価されてしまうと低いレベルでの優越感しか持ち得ませんし、その人が基準になってしまうと周りもその低いレベルでの仕事しか出来なくなってしまいます。

そこで、この問題を解決するためには「リーダーシップ評価」をしていかなければならないと考えます。

どの人事評価シートにも必ずリーダーシップの類いの評価軸はありますが、真の意味での本来的なリーダーシップの評価にはなっていないといえます。
真の意味での本来的なリーダーシップとは何か。それは起業家資質の発揮であるといえます。

新たな価値を市場に提供し続けるために構想し実行する。この活動なしには生産性向上し続けることは出来ないと言ってよいでしょう。

面貸しサロン

理美容業が繁栄するためには、人材の確保と育成が最優先課題である。といわれてきました。
その理由の一つに、理美容師法によって、ハサミを持てる人、いわゆる国家技術取得者しか、

生産(カット、カラー、パーマ、シャンプーなどコア技術の提供)に関われないという制約があります。
また、指名売上に代表されるように、お客様から指名を頂ける人が良い人材であるとする、

技術者に対する普遍的な評価の基準があります。
これらの考え方により、新人を採用し、育成し、辞めることなく「一人前」の美容師に育て上げる

仕組みづくりやマネジメントがサロン展開の成功の条件でした。

育成は単に技術だけではありません。人が相手の接客業なので、人間力の育成も含め何から何まで・・・。
こうして、必然的に新人から採用し、3年から5年かけてようやく一人前になった時点で、人材投資の回収が始まるわけです。

近年、面貸しサロンが増えてきました。

美容室独特の表現ですが、鏡のことを(セット)面といい、そのセット面、いわゆる場所を貸す

サロン運営形態です。基本的に美容師さんは個人事業主であり、管理は全て自己管理となります。

サロン店舗を所有する家主がいて、美容師は店子になります。

収入は、一定の店子料を支払い、残りが自分の収入になります。

契約形態にもよりますが、おおむね、お客様から頂いた売上の45%~65%の報酬還元率です。

これでは、新人から育てあげ、人として、技術者として、ようやく一人前にして、

さあ、これからサロンに貢献してもらおうと思ったころに、面貸しサロンで独立されると、

サロン経営者は回収できずに苦しみます。
 

その一方で、面貸しサロンで「独立」営業し出した人は、仮に売上100万円(月)を上げることができれば、

50~60万円位の収入になる。
このようなシミュレーションができるため、腕に覚えのある技術者が独立しようかなと思う気持ちも分かります。

顧客流動性が高い都会では、失客も多いが新規客が多いという理由で、このような、面貸しサロンのモデルも

成り立つかもしれませんが、地方のサロンにおいては本当にハッピーとなるくらいの収入が得られるのか、大いに疑問が残ります。
また、男性の美容師でしたら、他の多くの業界では働き盛りの40歳、50歳になっても十分に仕事ができるか、というと、

現実、そうではないようです。

 

メジャースポーツの選手ではないので、現役の時だけ結果を出せればいい、といった世界ではなさそうです。

さらに、仕事を通して得られるもの。例えば、「生涯収入」「関係する人(仲間とのつながり)と幸せ感」

「個人では出来ない、大きなチャレンジができるといった組織力の発揮」という観点では、どうでしょうか。

 

人の働き方と幸せ感について、考えさせられます。

ベクトルを合せるために

会社の方向性(=ベクトル)を社員と共有することの大切さはよく聞かれます。

私たちはどこへ向かおうとしているのか・・・。

少なくとも過去の延長線上には未来はありません。

限られた資源を集中して群衆を軍団にし、スピードと強さをもたらすためには当然のことです。

個々人の成すべきことを明確にし、仕事を割り振り評価をするだけではベクトルは合いません。

ベクトルを合わせるためには、ビジョナリーであるかどうか、イメージできるかどうか、が問われます。

言葉だけでは、伝わりません。言葉の受け止め方やニュアンスが一人一人違うからです。

(「お客様の笑顔・・」といっても、どんな場面で、何に喜んでいるのか・・・解釈は人それぞれです)

だからこそ、ビジョンの共有のためにに時間を割くことが必要です。

一人一人が、未来の自社の姿とそこで働く自分たちや顧客、社会をどのようにイメージしているか。

組織バイアスを排除するため、自社外の専門家にファシリテートを依頼し、

語り合う場を設けることをお勧めします。

http://www.eyasaka.jp/vision_meeting.html (ビジョンミーティングのご案内)

ベクトルを合わせるには、まずはビジョン、イメージを語り合う場を共有することです。

そうすれば、社員がビジョンに合わせた仕事ぶりを進めようと動きだします。

さらにその先に、ブランドを積み上げていくことができます。

理想工場

東京通信工業株式会社(現SONY)は1946年1月、新たな事業のスタートを切りました。

当時の「設立趣意書・会社設立の目的」に「真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき自由闊達にして愉快なる理想工場の建設」とあります。
マイクロマネジメントの愚に陥らず、プロの技術者の能力を信じ、最大に引き出そうとする「理想工場」を目指していくことで新しい時代にふさわしい経営を志すという決意を感じます。

同、経営方針には、「不当なる儲け主義を廃し、あくまで内容の充実、実質的な活動に重点を置き、いたずらに規模の大を追わず」「経営規模としては、むしろ小なるを望み、大経営企業の大経営なるがために進み得ざる分野に、技術の進路と経営活動を期する」「極力製品の選択に努め、技術上の困難はむしろこれを歓迎、量の多少に関せず最も社会的に利用度の高い高級技術製品を対象とす。」とあります。

これらの考え方は中小、ベンチャー企業が目指すべき普遍的な考え方であるといえます。

これを起草した創業者ひとり、井深大氏は未来が見えていたのではないか、と思われるほどビジュアルで、ストーリーを感じます。
当時の多くの関係者はインスピレーションを沸かせ、インスパイアされたであろうことは想像に難くありません。

あなたにとって、理想の工場とはどんな工場でしょうか。



「引用」はSONY webサイト(https://www.sony.co.jp/SonyInfo/CorporateInfo/History/prospectus.html)より。

写真は「(通称)ソニー通り」

子供は試してみることが大好き


子供は高い所から跳ぶことが大好きですね。
私もどれくらいの高さから跳ぶことができるか競いあったものです。

絵を描くことだって、楽器を鳴らすことだっていろんなやり方を自分なりに試してみてその楽しさを味わったりしていました。
こういうことを振り返ると、人は本質的にトライすることが好きであるということがわかります。
むしろその先にどんな結果や自分なりの表現や思いもよらない発見があるのか、楽しみですらあります。

いつからでしょうか、トライすることに楽しさや喜びを感じなくなってしまったのは。
試行錯誤のプロセスにこそ人間本来の智恵の涵養があると思います。

トライしないと結果が出ないのに、失敗を恐れて旧態依然のやり方に甘んじてしまう。
一つの正解を求めて記憶学習に多くの時間を費やし、社会に出たらマニュアル通りに働ける人を評価するようになってしまっている臆病な社会。

AIでは出来ない、「最適解の外にあるもの」をつかむ力をヒトが発揮するには、子供に頃に無上の歓びを感じていたトライするプロセスを愉しむことにもっと時間を費やしたいものです。

今年一年ありがとうございました。

今年も多くの方との新たな出会いの機会を頂くことができました。

果たして今年はそれらの方々を少しでもインスパイアすることが出来ただろうか?

お一人お一人との出会いを振り返り、次の年の決意を新たにしています。

 

また、今年は何人かの方々との余りにも早すぎる今生の別れもありました。

その方々との出会いによって、私自身が鼓舞されてきただけに、

彼らの道半ばの志も次の年に引き継いで生きたいと、気持ちを新たにしています。

一瞬一瞬を大切に・・・。

 

今年一年、ありがとうございました。

新しい年が皆様にとって健やかで佳き年でありますように。

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