2030年に本格的に量子コンピューターが稼働するかどうか未確定だが、一方で、人工知能が新素材を生み出し、それが量子コンピューター開発を加速する可能性が出てきたようだ。2030年以降に社会人となる世代が大学でやるべきことはは数学、物理、化学、生命科学などの基礎科学の勉強だけでなく量子コンピューター関連分野の勉強、ということになるのはほぼ確実だ。
遠慮ない言い方をすれば「文系人材スクラップ化時代」が本格化する。銀行、証券会社を筆頭に文系大卒など採用しなくなる。法務、会計などの「文系専門分野」は、ごく少数のベテランAIを活用して業務を遂行するようになるので新人の需要は激減し2040年までにはゼロになることだってあり得る。
そのような未来に必要とされる人材を育成する人的能力、資金力のある日本の大学は数えるほどしかない。受け入れ可能な人数は3万人以下だろう。従って、アメリカのトップ大学も視野に入れて進路設計をしないと、エリート層に入ることが不可能となる。
2026年から大学生となる予定の人は、国内の大学の場合は、文系学部への進学は止めて理系学部にするべきだ。それができない場合はアメリカのトップ大学に入る必要がある。アメリカの多くのトップ大学は応募時点では専攻を決められない。入学後2年以内に専攻を決めるのが一般的だ。
アメリカの大学の学費は高額なので、4年間で4千万円を自己負担できるようなフィナンシャル・プランをたてることが必須だ。そして、進学先はリサーチ大学がいい。もしLiberal Arts Collegeを選択する場合はランキング上位20位以内に絞り込む必要があるだろう。いずれにしろ量子コンピューティング関連の優秀な教員は少ないので、ランキングに拘っていると進路を誤る恐れがある。例えばUniversity of Maryland College Parkを応募先に入れるのは「当然」なのだが、日本人でその判断ができる人はいないのではないか?しかし、それじゃ、ダメなのだ。