■報道機関幹部の意識について
●報道の自由が明らかに制限されるような事態(例えば、記者が逮捕されたり、危害を加えられたりということ)は今の職場には起きていない。最大の危機は、政権や世の中の風潮への忖度であり、上の指摘に過剰に反応する現場幹部の対応にあると思う。自らが自らの報道を貶めているように見える。我々の職場では常時同時配信などを実現するために放送法の改正が必要であり、経営の存続を委ねられた幹部たちがその改正に心血を注いだことは理解できるが、そのために政権にあまりにも距離が近くなりすぎてしまったのではないか。(放送局社員)
●放送局幹部の姿勢。表向きは放送の自主自律をうたっても、電波法76条があるため政権に忖度せざるを得ないと勝手に思いこんでいるようだ。(放送局幹部自体が、放送法の本来の立法の意味などについて、理解してないものと思われる。)スクープ記事の多寡や選挙取材、視聴率を尺度に出世を決める制度にも問題がある。出世街道にいる人々は、スクープや選挙で功績をあげ選ばれてきた側なので、自身の成功体験をベースにしてしまうと現在起きているパラダイムシフトには対応できない。なぜ問題だといえるのか?スクープをとるためには多くの場合、情報が最も集中する政権側と伴走するのが好都合。結果として、与党政治家などからもらったスクープネタを餌に名を挙げる、御用記者が後を絶たなくなる。
(放送局社員)
●NHK 経営委員会による制作現場への介入疑惑。(放送局社員)
●ある分野で素晴らしい記事を書いてきた記者が、全く異なる部署に配置替えをされたとの話を聞いています。会社の事情があるにせよ、本人の意に沿わない人事は、本人のためにならないだけでなく、“報道の力”そのものを削ることになり、たいへん憂慮しています。(東京の民間放送局社員)
●おかしいと思っていても、組織内の力関係、属人的な問題でまったく事が前に進まない。どう考えてもマスコミ、放送関係が魅力的な仕事、職場に見えず、新しい血(採用)が入ってこないことも最大の危機だと思う。(放送局社員)
●ジャーナリズムの原則に対する理解の欠如。視聴率優先主義。(北陸の民間放送局社員=ニュース報道番組)
●なんとなく遠慮した報道がされているように思えます。基本的に放送局員はサラリーマンでありそのため完全なるジャーナリストになれないような。ジャーナリストたる主張をする人間を組織も煙たがる印象があります。上層部の腹がくくれていないのでは。(放送局社員)
●過労死認定された記者は、政権や地方の権力者のご機嫌を伺うだけの、視聴者不在の選挙取材によって殺されたといっても過言ではない。全国の若い記者たちが、報道局長を頂点とした政治部の下請けとして動員され、心身を病んでいる。他社よりも1秒でも早い当確が、何の意味を持つのか。それよりも、候補者がこれまでに何をやってきて、何を訴えているかを、選挙前に徹底的に曝すことこそが本来の仕事ではないのか。若い記者の退職が相次ぎ、記者系の幹部は焦っているというが、旧軍の愚行から何も学んでいないようだ。(放送局社員)●経営側からの見えない圧力。直接感じたことはないが、介入ゼロとは思えない。(放送局社員)
●現場に関わらない上の人間が、提案や編集に口を出し、完全な議論が現場に失われている。(放送局社員)
●現場に出ていない人の判断が放送に反映されること。(放送局社員)
●現場の映像を社内で把握し続けようとするため、現場での判断が尊重されなくなってきている。一部の人間の意見のみで動くようになっていっている。(地方局の放送局社員)
●国民の知るべき情報が届けられていない、知る機会が奪われているという深刻さに、気づいていない幹部が大半で、非常に危機的状況にあると感じる。(放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●使命感の欠如。ニュース項目を選ぶ基準が視聴率だと感じる。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●自主規制。正直、政権与党から直接的な圧を感じた事はないが、内側にいる我々が勝手な忖度し、中立公平という謎の概念に、ジャーナリズムを放棄するような判断が多々見られた。ジャーナリズムよりも企業倫理が勝ってしまう現状に危機感を感じ続けている。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員=ニュース報道番組)
●上層部の代わり映えばえのしない人事体制。(放送局社員)
●組織防衛の名の下、世の中に意義ある放送を出すことよりも、政権ににらまれないなど、リスク回避が最優先になっている経営幹部の姿勢に危機感がある。(放送局社員)
●大手広告主、電通、吉本興業、ジャニーズ事務所などの大手芸能事務所からのあからさまな圧力に放送局幹部が簡単に屈してしまう。(大阪の放送局社員)
●働き方改革を進めなければならない中、管理職でまったく意識改革なく、明け勤務でも夜まで働き、休日なのに幽霊出勤で働いている。世間が働き方改革を推奨しているのにNHKは昔のままの状況である。政権とつながりや忖度報道についてはあると思って業務をしている。NHK改革こそ必要。(放送局社員=報道局)
●報道局で権限を持つ人たちが、報道に課せられた使命を理解していない。また個々人で思考し判断し責任を取るという姿勢ではない。圧倒的な権力を持つ人とそれにならう人で構成された組織。だから簡単に忖度は起きる。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員=ニュース報道番組)
●放送局上層部が積極的に政権の意向におもねっていること。(放送局社員)
●忖度がまかり通っている。総務省が、理事がこう言っている、という主語で悪びれもなく指示が下りてくる。幹部も上司も思考停止で、監督官庁の意向を忖度するのに必死で、唯々諾々と上からの指示に従っているという感じ。疑問を呈するという姿勢がそもそもない。(放送局社員)
●「報道の自由」に関する質問への答えですが、正確には「あることはあるが、マスコミ側が安倍政権に忖度して行使しようとしない」というのが私の答えです。ただ国民目線に照らせば「守られていない」ということになるかと思います。(新聞社・通信社社員)
●トップへの忖度に伴う迷走が目立ってきている。安倍政権下の官邸を笑えない。(地方紙の新聞社社員)
●パワハラする上司がまだまだいて、若い世代に魅力ある職場として映らない。(新聞社・通信社社員)
●「紙か、デジタルか」という表面的な議論しかせず、働き方改革、人材育成など人への投資をないがしろにする自社の経営姿勢。いずれ世に出ることを「独自」とアピールして報道するセンスのなさ。記者クラブ偏重主義。(新聞社・通信社社員)
●新聞社内の高齢化が進み、多くの上司が自らの保身をばかりを考えるようになった。(全国紙の新聞社社員)
●森友以来、上層部からニュースの内容について制限がかけられている。(新聞社・通信社社員)
●パワハラ等ハラスメントへの意識が旧時代的である。記者としての取材研修体制がなく、質が担保できていない。(大阪の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●過去の例で言うとテレビのフルハイビジョン化。国民は望んでいないのに総務省、NHK、民放各社全てが推し進めました。当時は報道番組のディレクター職でしたが異論を唱える企画は通りませんでした。国民的アイドルグループの CD 販売商法についてもデスクから「触れるな」と言われました。結局圧力に屈しているのが現状です。番組のトップにいるテレビ局員はサラリーマンです。リスクを背負う事は絶対にやりません。特にコンプライアンスの導入以降、テレビは官僚体質を抜け出せないサラリーマン的思考に強く支配されてしまい楽しさより息苦しさを感じる事の方が多くなりました。(放送局の関連会社・取引の
ある制作会社社員)
■中間管理職の萎縮、現場の意識について
●「過剰な忖度」であると現場の制作者も中間管理職もわかっていながら、面倒に巻き込まれたくないと
の「事なかれ主義」が蔓延していること。自分たちがジャーナリズムを担っている自覚に薄く、とにかく無難にやり過ごすことが行動原理となってしまっているように見える。組織内の評価が「減点主義」であることは昔から変わらないかもしれないが、それをはねのけるジャーナリストとしてのプライドがかつてはもう少しあったのではないか。いまは目の前にあるジャーナリズムの危機を、危機だと感じる感性・見識のある制作者が少なくなっていることが根深い。(放送局社員)
●「発表ジャーナリズム」になっている。間違いを怖れる余り、自分の言葉で記事を書けない。そして、上から下まで、事なかれ主義になっている。(放送局社員)
●働き方改革(という名の管理強化)が現場の若手の障害になっている。モチベーションも人によっては落ちているし、働かない人はより働かなくなった。単に「トップが悪い」「政治が悪い」のではなく、これはサラリーマン放送人が増えたせいだと思う。マインドの問題。ジャーナリズムを求めるのではなく、安定や収入、会社名、社内の評価にしがみついている働き方のせい。(放送局社員)
●タブーとされる情報にはなるべく近寄らない報道姿勢。全て他人事。楯突けば支局に飛ばされるので何も言えない。社員は萎縮している。(地方の放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●意見を言いたくても幹部の意向で変わる事がある。(放送局社員)
●現場職と管理職との間にある使命感の差異。管理側になったとたん保身に走る傾向が強い。これでは現場感は民へは届かない。オブラートに包まれた毒にも薬にもならないただの事象伝達機関と化している。(放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●公正公平な判断の阻害圧力を局内外から感じている。(放送局社員)
●国民の知る権利に応えるという基本姿勢が薄らぎ、政治家をはじめとする目の前の取材先の意向ばかりを気にするようになっていること。(放送局社員)
●視聴率優先の論理が報道現場にまで押し寄せてきて多様な意見や異論が放送しにくい状況。(北海道の放送局社員)
●集中して扱われる話題の一本化と、それに伴う他の話題の希薄化。(放送局社員)
●上長が右であれば右のニュースが増え視野が狭くなり、上長が左であれば左のニュースが増え、また視野が狭くなる。なにに対しても強いバイアスがかかり、正しい情報は出せないと感じることが多々ある。
(放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●職員の SNS を制限しようとしている。(放送局社員)
●政権に忖度した放送。韓国、政治、憲法など難しいテーマは、そもそもやらなくていい、という雰囲気。
(放送局社員)
●政権への正当な批判感覚が甚だしく希薄化している。(放送局社員)
●切り取りや偏向報道ばかりで中立性が担保できない。(放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●組織内の争いで足の引っ張りあいがあり、番組が放送できない話を聞いた。(放送局社員)
●中間管理職に事なかれ主義が多い。(放送局社員)
●徹底追及、批判ができない社内体制。(放送局社員)
●「日本万歳」じゃなければ非難され、排除される。日本人としてのプライドを保つ手段として韓国や中国へのヘイトを助長している。(放送局社員)
●報道番組は視聴率欲しさに極度に煽っている。(放送局社員)
●放送局内の管理職はもとより現場取材者にも「危機」の認識が薄いこと。知る権利や報道の自由など、法的にも定められた使命をそもそも学習する機会のないまま現場で取材・制作に携わっているように思う。(放送局社員)
●問題設定力の欠如。緻密な批判力の欠如。歴史感含めて教養の欠如。意志の欠如。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●裏取りの取材をしていない。(放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●立場の安定優先し、批判を恐れるあまり、主張のない一辺倒な報道しかできないこと。(放送局社員)
●忖度。(複数の放送局社員)
●捏造、虚偽が横行している 真実を全く伝えようとしない。(放送局社員)
●上司(中間管理職)が上ばかり見て記事を忖度している。(新聞社・通信社社員)
●センセーショナルな見出しを重視する姿勢は報道の不信を招く。(新聞社・通信社の関連会社員)
●そもそも問題意識のない記者が多い。社内も忖度。社長は世間の顔色を見る。(新聞社・通信社社員)
●記者が本来、野蛮人であることを忘れ、コンプライアンスなどを重視させられていることに、一番の問題があるかと思います。(関西の新聞社社員)
●記者やディレクター職でないため、直接の「危機」に触れるわけではないが、組織と部署全体に上のものの判断に意見や異論をとなえると報復的業務を受けるのが当然という状況になっている。(新聞社・通信社の関連会社員)
●結論ありきの報道姿勢、それに疑問ももたない社員。(新聞社・通信社社員)
●権力、国民からも、批判精神を理解されない同調圧力を感じる。(関東の新聞社社員)
●視聴率主義。芸人タレントコメンテーターを使いたがる。食べ物ばかり。(新聞社・通信社の関連会社員)
●自己規制。異論を述べにくい雰囲気。異論を言うと仕事がしづらくなりそう。(専門紙の新聞社社員)●取材しても書かないこと。(新聞社・通信社社員)
●取材先に食い下がらない記者の姿勢。(関東の新聞社社員)
●中間管理職のネットでのバズり至上主義。本当の良い記事、写真映像が見極められなくなっていること。(全国紙の新聞社社員)
●同調圧力、権力への忖度。(新聞社・通信社社員)
●報道されない事件があります。(新聞社・通信社社員)
●忖度から生まれるある種の遠慮。(新聞社・通信社社員)
●忖度が日常になっていること。(新聞社・通信社社員)
●はじめから批判の報道。(フリーランス)
●マネタイズのために過剰な煽り、釣り見出しの乱用。都合の良い発言をしてくれる専門家の乱用。(全国紙系列の雑誌、フリーランス、インターネットメディア)
●オールドメディアの読者の方を見ない、時代錯誤な選民意識も問題を深めているように思います。ただ元新聞社記者として、私は新聞やテレビがダメになったらおしまいだという期待も強く抱いているので、報道関係者として(オンラインアンケート呼びかけ人の)果敢な問いかけをいつも応援しています。根っこにある問題は一人一人の報道関係者のもの言う力と矜持が欠けていることだと思います。会見が中継されて、一般の人の批判が強くなるという外圧があってから動くというのはおかしい。組織も問題ですが、組織を作る記者個人個人の姿勢が問われているのだと思います。そして、取材手法や伝え方、言葉の選び方からして、旧来からの「お約束」に縛られ、読者を味方につけられないことも権力に強く抗えない理由になっているのではないでしょうか?(インターネットメディア社員)
●社風に縛られて、中立な報道ができない。(雑誌、フリーランス、インターネットメディア)
●波風たてるような姿勢はいらない、というような無言の同調圧力。(雑誌、フリーランス、インターネットメディア)
●報道する側が裏取りなく自分の気持ち中心の記事を書いていて、それが一般市民と随分かけ離れている。この調子が続けば、現在のマスコミという構造体自体が社会的に不必要な存在になり、いずれ絶滅すると危機感を持っている。(インターネットメディア社員)
■不安定な雇用形態について
●不安定な雇用形態。これも深刻すぎて、言うに及ばずだ。机を並べて同じ番組を作っている者同士、ギャラや雇用形態に格差がありすぎ、金銭感覚も異なりすぎて飯も一緒に食えないのが、今の放送現場だ。
いわんおやこの力関係が編集室や取材方針の取り決めなどにも作用するとしたら…?どれほど理不尽なことが現場で起きているか、想像するのも困難だ。(放送局社員)
●「報道ステーション」の大量派遣切りはリニューアルの為としているが、どんなリニューアルをするのかを含めて合理的な説明がなされていない。違法でなければ良いという問題ではない。スタッフは疑心暗鬼状態で、上に対し自由闊達な指摘や議論ができる状況ではない。テレ朝社員ではないスタッフは局側に睨まれたら契約を切られると思ってしまう可能性。そもそも労基法違反の働かせ方をしている。契約時間をオーバーして働かせて、休憩時間は全くない。それでも皆やりがいだけを支えにやってきた。そういう多くの外部スタッフの志に支えられて放送が出ていることを局側はもっと自覚してほしい。世の中の不正や不正義を指摘する資格はない。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員=ニュース報道番組)
●社員は休んでいてもグループ企業は働かされている しかし質は落ちて毎日訂正。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
●中間管理職(テレビ局社員)の意向に従わなければ、組織内での立場や職を失う可能性があると、社員や社外スタッフが恐怖を感じている。それにより自由な意見交換が行われず、上の意向に従い、また忖度するだけの、問題提起や批判精神のない放送になっている。メディアの役割である権力の監視とは程遠い状況。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員=ニュース報道番組)
●報ステの派遣切りが象徴するように、報道機関としての役割を自覚する人達が切られていく。社員は切られても、まだ別のポジションを与えられるが、プロダクションのスタッフは路頭に迷わされる。同じ境遇のカメラマンや編集マンとよく話すが、次は自分ではと、今回のやり方に不安と憤りが蔓延している。(東京の民間放送局社員=報道番組担当)
●今のテレビ制作現場は慢性的な AD 不足です。昔と違い派遣会社の AD がたくさん働いています。彼らの給料は局員の 3 分の 1 以下で、そんな彼らがテレビ業界に夢を持って働くことができるのでしょうか?
(放送局の関連会社・取引のある制作会社社員)
■人員体制について
●業務が多様化する中で、「ミスは絶対するな!」とリスクを出さないことばかり上司は声高に叫ぶ。人員削減をして、「ミスをするな」、それは無理な話ではないか。(放送局社員)
●こういう時こそ、中から変革の声があがってもおかしくないが、日々の業務に忙殺され、そんな余裕がないという事態。このままでは衰退していく一方。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員=情報・報道番組)
●質をぎりぎりまで維持しながら、いつまで放送を出し続けられるのか。(放送局社員)
●女性管理職がほぼいないこと。(放送局社員)
●人減らし。(全国紙の新聞社社員)
●地方にいると、人が減らされてデスクの負担が重くなり、その分、ジャーナリズムとは何か、何が必要なのか、考える時間がなくなっているように感じます。日々の紙面を埋めること、マストの記事(いわゆる社モノなど)を載せること、で精一杯。ひとつひとつの事象のどこが問題で、私たちは何を目指してなんのために記事を書くのか、議論する時間も余裕もなくなっています。本当はひとつひとつ、考えて、それを共有したうえで進めないといけないと思っています。それができず、自分の中で伝える理由や根拠(=必要性)が確立されていない記者は、会見でもつよく質問できないし、すぐに諦めてしまう。問題意識をぼんやりさせたまま取材する記者の多さも、報道現場の危機の一つだと思っています。そういう上司が、そういう部下を育てていく悪循環を感じています。(新聞社・通信社社員)
■メデイア環境の変化について
●国民のテレビ報道に対する風当たりの強さ。(放送局社員)
●報道メディアに対する批判的な声が年々増えていて、信頼性が著しく損なわれているように感じる。ネット上に溢れるメディアに対する批判の中にも一部ではあるが的を射たものもあり、的を射ていないものも含めて「ネット情報の方が正しいものが多い」と認識されている風潮がある。この現状をどうにかしない限り、報道メディアの将来は暗いと考えます。(東京の民間放送局社員)
●アグリゲーションのネットメディアが増えて、独自取材できるメディアの減少や経営基盤の弱体化していること。(放送局社員)
●テレビ離れ。(放送局社員)
●マスコミの社会に対する影響力が弱まり、権力を監視するという目指すべき機能のひとつが完全になくなっている。優秀な若い人材の流出も激しい。(放送局社員)
●政権のみならず、SNS を中心とした「声」にも大きく左右されていると感じる。(放送局社員)
●若手記者たちはほとんど、転職サイトに登録している。気に入らない異動ですぐ辞める。どうしても記者になりたい人が記者になっているのではない。(全国紙の新聞社社員)
●一部の極端な思想の記者が、SNS で確度の低い情報を発信し続けることで、報道への信頼が著しく低下している点。(新聞・通信社社員)
●ステレオタイプに権力ばかりを監視して、国よりも強権な GAFA は知らないふりを貫く。ネットニュースで「未取材」記事、誤字・誤植が酷くなっていること。(新聞・通信社社員)
●新聞とテレビはパニックを煽ってばかりいる。記者クラブも閉鎖的で会見内容を全部公開しない。全文載せない新聞と全部動画を配信しないテレビ局が独占しているから報道の自由がなくなっている。しかし、記者は大卒後その会社の中でしか生きてないから、縦社会と社内教育という名のパワハラが温存され、本当の外の社会の実情を知らない。知らないだけでなく、外の人と対話して積極的に耳を傾けて聞くこともできない高慢な人がどんなに報道を担っても社会のためにならないだろう。テクノロジーの面からしても電波テレビや紙新聞の時代は終わった。我々は素直に認めなければならない。停波、発行停止が望ましい。次世代のためにも。新しいメディアは生まれている。報道の自由はそこから生まれてくる。(東京の民間放送局の関連会社・取引のある制作会社社員=報道番組制作者)
●広告の減少。(新聞・通信社社員)
●経済的な理由で職場そのものが消える可能性がある。(インターネットメディアの社員)
■メディアの連帯について
●日本独自の記者クラブ制度が、権力との癒着や談合を生む要因であることは今や白日の下にさらされ、日本のジャーナリズムの欺瞞性をさらしています。各社とも志があるのであれば、クラブ制度は全廃すべきです。(放送局社員)
●記者クラブ制を廃止にしたらいいと思う。海外で講演を行った時も「日本の記者クラブ制」に学生から質問が出るほど海外からも日本の報道姿勢は異常だと思われているし、私自身もそれを近年強く感じるようになった。今、ネットで英文検索すれば(テーマにもよるが)日本語メディアよりも日本について深く的確に取材している良い記事を見つける事ができる。競争力の面でも、技術力の面でも海外から置いて行かれている。また、海外ニュースが圧倒的に遅い。(放送局社員)
●一部の人々が正当なフリーランスを不当に排除しようとしていること。(新聞・通信社社員)
●記者クラブでの会見などからメンバー外を疎外すること。取材人数の制限。報道に関するお願い(意向)などの押し付け。(新聞・通信社社員)
●労働組合が現政権に対する忖度の蔓延の問題で経営側をあまり糾弾しない事で、御用組合と化してしまっていることが最大の危機であると感じる。ただ、報道の自主自律を守ろうとする気骨ある職員が少なからずいるのも事実で、今こそ他社の同じ思いを抱くジャーナリストと連携していく事が重要な局面にあると感じる。(放送局社員)
●「信なくば立たず」は報道機関も同じだが、存立基盤が急速に掘り崩されている。人々と報道機関、報道各社、社内各セクションそれぞれを分断して都合よくコントロールしようとする動きに対し、連帯して抗う必要がある。(放送局社員)
●人事のありようや公共放送の意義をトップがミスリードしている今、中間管理職(労組未加入)もそのミスリードに踊らされざるを得ない。昨今、放送現場の中間管理職は、働き方改革のあおりを受けて、一般職員が働けなくなった労働時間の穴埋めを背負い込んで徹夜、長時間労働を一手に引き受けているという話も聞く。地方局などに行けば、管理職は圧倒的に少数派で「孤独」という側面もある。まず、中間管理職を孤独・孤立や過重労働から救い出さなければ、報道の自由はないと思う。(放送局社員)
●権力との距離について沈黙している労働組合は、もはや労働組合の態をなしていない。自浄作用もなく、外部から追及されるべき。戦おうとした組合員がつぶされている。看過できない。(放送局社員)
●報道業界が業界全体として、報道の自由を大切にし、公的機関にさらなる情報公開を求めるために団結していく動きがない。(インターネットメディアの社員)
こちらより転載。
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