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ロックはかなり真剣な眼差しで、コウに迫る。
「うーん……分かった、行くよ。で、何日かかりそうなんだ?」
コウが問うと、ロックは握りこぶしをあごに当てて、少し考える。
「ふーむ、そーだなー、何日かはかかるな。」
「分かった、準備しておくよ。何時に出るんだ?」
「大陸への始発便に乗るから、早朝だな。」
「じゃあもう寝ないと。マスター、おあいそ。」
「あいよー。ちょっと待ってくれ。」
マスターが忙しそうに答える。どうやら他の客がちょうど何か頼んだところだったようだ。
「じゃ、名コンビ再結成を祝して乾杯といこうぜ。」
ロックが喜びながら酒を自分とコウの杯に注ぎ、持ち上げると目の前に掲げた。
「調子いいな、相変わらず。」
コウが苦笑しながら、同じように杯を掲げる。
「我らの行く先に、謎を解きし光明と、旅の女神の加護のあらんことを!」
「あらんことを!」
そう言って、二人は掲げた杯を飲み干した後、先ほどのピザ代を払い、店を出た。
空の月は既に昇り切っており、夜の町にかすかな明かりを供していた。
「さて、宿屋行くかー。コウも行くだろ?」
「いやー、今夜は何処かで旅の練習がてらに野宿するよ。」
「ははは、気が早いんじゃないか?まあ止めないけどな。」
ロックがさもおかしげに笑いながら言う。
「まあいいや。じゃあ明日の朝俺の泊まってる宿屋前で待ち合わせとしよう。じゃ、お休みー。」
「ああ、明日なー。お休みー。」
宿屋に向かう道中で二人は別れた。コウはそのまま銀行へ向かった。寝袋を取りに行った様だ。
そして、銀行近くで適当な場所を探している。
……どうやら見つかったようだ。薪を作り火を点けている。
「よし、点いた。」
パチパチと音を立て、焚火が煙を吹き始めた。
その横に寝袋を敷いて、ゴロリと横になる。
「ふうー、旅かー。連れ立っての旅は久しぶりだけど、何日かかるだろうか。それに、本当に何かあるんだろうか……」
そんな事を呟きつつ、深く眠りにつくのだった。

第一章  旅立ちの日

小鳥のさえずりと差し込む朝日に、眠気を一気に飛ばされる。久しく体感しなかったからか、眠るのが遅かったからなのか、コウはまだ半分眠っている。
「ふぁ~~、もう朝か。うーー……」
大きく延びをして時計を見ると、約束の時間まで少し余裕がある。
「ちょっと早いけど、そろそろ行こうか。」
コウは手早く寝袋を片付け、宿屋に向かった。
ちょうど、ロックも出てくるところだった。
「お、おはようー。よく起きれたなー。」
「おはよう、ロックこそ。」
二人は笑いながら、慣れた挨拶をする。
「じゃあ行こうぜ。定期船の時間まであと少しだ。」
「ああ、じゃあ出発しようか。」
そう言うと、二人は船着き場に向かう。宿からの道中、馬を2頭見つけたロックが、素早く近づいてナンパを始めた。
「こっちへおいで…、君のようなペット、欲しかったんだ……」
その様子を見たコウが、少し奇妙なものでも見るかのごとき視線をロックに投げるが、当人は構わず続ける。
そして、あっという間に馬が2頭手に入った。

 

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ある日、この世界に一つの噂が流れた。それは『夕方の2時22分に秘密の花園で何かが起きる』というものだった。
多くの冒険者が、新たな刺激を求め、この噂に従ったが、何かが起こったという話は一向に上らなかった
その内に、この噂を信じる者も居なくなり、しばし時が過ぎた。

序章 回りだした歯車、つながれた糸

ここはマジンシアのとある酒場。客は数人ほどで、店内は割と静かだ。
と、店の隅っこにあるテーブルで何か話している二人の男がいた。
「そういえばさ、徳の島って行ったか?」
「いや、まだだけど?」
「向こうの町は変わってるぜー。今度行ってみるといい。」
「へえー、そうだな。今度行ってみる。しかし、ロックは物知りだよなー。」
「そんな事無いさ。コウが単に知らないだけだ。」
しばしば聞かれるような、他愛のない会話がそこでは交わされていた。
「何たって、ロックは弓の名手だから、どこ行っても平気だよ。」
「ははは、まあそれほどでもないけどな。コウだってそれなりに剣使えるだろ?それなりに腕があれば、徳之島でも生きていけるさ。」
「そんなもんかなあ…」
そう言うと、コウと言う男は軽く瓶を煽った。
「まあそんなもんだよ。」
そう言うと、ロックは愛用の弓を取り出した。その弓はひどく古びていたが、彼はあちこち修理して使っているようである。
「俺だって、まさかコイツで旅をするとは思ってなかったさ。最初はな。」
言いながら、ロックは弓を実戦と同じ様に構えた。
「お客さん、店の中で物騒なモン構えるなよ!」
マスターから一喝を受け、舌を打ちながら弓をしまうロック。
「マスター、何か食べ物頼むよ。」
コウがすかさず間に入る。そして、しばしの沈黙の後、ロックがふいにトーンを落として口を開いた。
「……なあ、コウ。」
「……なに?」
少し驚くようにしてコウが答える。
「以前流れてた噂、覚えてるか?」
「え?噂?」
「ああ、一時期『魔の刻』とか言われたあの噂さ。」
コウはしばし腕を組んで思い出そうとする。
「いつごろだっけ?その噂って。」
「そうだな、だいたいひと月前くらいかな。」
それを聞き、やっと思い出したようだ。
「あー、そういえばあったねえ。」
二人が話しているのは、例のすたれたあの噂だった。
「俺はあの噂、何かあるんじゃないかと思ってる。火の無い所に煙は立たないって言うしな。」
「まあねえ」
2人がこそこそ話していると、不意に後ろで大声が走った。
「はいよ!チーズピザお待ち!」 
そして、マスターがいそいそと料理をテーブルに並べた。
「お、来たか。」
ロックがすかさずがっつくと、二人の会話はしばし中断した。
…………二人共食事の間は言葉を交わさなかった。
食事が終わると、何事も無かった様にロックが切り出した。
「明日から、行ってみようと思うんだが、コウも来ないか?」
「おいおい、随分急だな。まあ行くのはいいけど、ここからじゃ長旅だよ。それに何で僕なんだ?」
「旅は道連れと言うだろ?な、一緒に行こうぜ。それに、何かあった時の証人になってほしいんだ。」

随分長い間休載状態だったイビルバスターの著作を再開致します。

 

思えば休載状態に入って早十数年、これだけの時間があれば十分完結していたと思われる本作ですが、この間に私の本拠であるHOKUTO鯖を始め、国内の鯖には日本人GMが居なくなったそうです。

北斗まつりに再び参加したいところですが、個人的な事情により、どうしても北斗まつりの開催される時間帯はログインする事が現状において絶望的です。

そこで、このブログにて作品そのものを広く公開し、偶然訪れた人も、偶然検索で辿り着いた人も、等しく私の作品を御覧いただける状況を作ろうと思っています。

 

まず、イビルバスター第1巻から第3巻までを画像にて公開する事とします。

ただし、内容に差はありませんが、レイアウトや演出等が原版と異なっていると思います。

予めご了承下さい。

(5月9日追記)

過去の移転先で公開していた画像版を元に、同じレイアウトへ画像を差し替えました。

ひとまず刊行済みの49巻の内、40巻まではバックアップが存在するので5月9日中に公開出来ると思います。

41巻以降は再作成となりますので、レイアウト等に差が出るかもしれません。

 

※画像版の最後にテキスト版もご用意しました。これが本来の原版ですが、UO内の赤い本で公開しているものが正式版になります。

 (各章のタイトルをご覧頂ければ、何故画像版を正式版としているのかがお分かり頂けると思います。)

ついうっかりとしてGeocities終了の際に移転手続きを忘れていた結果、そちらのデータを全ロストしてしまいました。
ブログ終了の通達が有ったので、急遽Amebaブログさんへ引っ越して来ました。

何とかデータの復旧を行える範囲で行いつつ、今後はこちらへ情報を出すことにします。

よろしくお願いします。

そろそろ形になり始めているので、告知いたします。
2年ほどに亘り、イビルバスターの情報を提供してきた当ブログですが、第6回北斗芸術祭において、ブログでは(現状の私の知識では)公開出来ないファイルを公開する事となりました。
そこで新たにHPを同じアカウントで作成したのですが、ついでにそちらへ全て移し替えようと考え、急遽作ったのが、http://www.geocities.jp/evilbuster2004/です。
現在は7,80%ほど移行しており、もうすぐこのブログの役目も終了致します。
今後は、上記のHPで情報を提供させて頂きますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。