淡い夢 | 浮き草のうえで

浮き草のうえで

綴っています

君が離れていって夢を見るようになった
もう出会うことはないって思っていたのに
夜になると会えるなんて
あの時のすれ違いは
まるでなかったかのように

曖昧な手のぬくもりだけで
とても嬉しかった
曖昧な笑顔だったけど
夢なんて思えなかった
だから僕は一握の砂に思いを込めた

君が去っていって手紙を書くようになった
信号のやり取りに時間を割きたくなくなった
ゆっくりと手紙を書いた
今まで言えなかったか言葉たちが
形にならないまま未だに悶えている
ちょうど君の面影をさがすかのよう

曖昧な手のぬくもりだけで
とても嬉しかった
曖昧な笑顔だったけど
夢なんて思えなかった
邯鄲の夢を思い出すこともなく