桜の季節に | 浮き草のうえで

浮き草のうえで

綴っています

桜の季節に見上げる横顔が
太陽のせいではっきり見えない
あなたの顔が微笑むたびに
あなたに似合う季節の訪れを想う。

このまま眺めていたい
このまま止まってしまえ。
桜の花びらはあなたの周りで
そっと風に舞って踊っていた。


桜の季節に震える肩は
季節の変わり目の飽くなき証言
あれから長く時が経ったというのに
まだ少しも変わらない
あなたの肩のぬくもりが
あなたの優しさを思い出させる。

あのときのあなたが立ち止まっていたのは
わたしが前に進まなかったからなのかな。
桜の花びらたちは冷たい風にのって
それでもあなたをまわりを取り囲んでいた。


桜の季節に話すあなたの言葉が
今も私の中で反芻される
何かにぶつかりつづける花びらたちは
やわらかく優しく纏わり付く

言葉を選ぶあなたの姿も
まっすぐ見れない私の弱さも
風に舞え、散ってしまえ
あなたの横でわたしはずっと桜の花びらを見上げていた
桜の季節にわたしはずっと花びらを眺めていた
あなたへの想いは伝わらないまま