ハンブルク・フィルハーモニカーコンサート(2013年6月・ドイツ) | クラシック音楽と食べ物と。。。

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~コンサート会場・ライスハレ近くの建物~

 

ハンブルク・フィルハーモニーカー(Philharmoniker Hamburg)は、ハンブルク国立歌劇場の管弦楽団で、2013年当時シモーネ・ヤング(Simone Young)が総支配人・音楽総監督を務めていました。この歌劇場は、古くはマーラーが音楽監督を務め、ヴォルフガング・サヴァリッシュなどのそうそうたるメンバーが歴代音楽監督のリストに名を連ねます。現在は、Kento Naganoが音楽監督を務めています。

 

友人たちから、ハンブルクにいるからには一度シモーネ・ヤングの指揮を見るべきだとのアドバイスをもらいコンサートに行ってみると、急に指揮者変更びっくり

横に座っていた人に聞くと、どうも家族に不幸がありオーストラリアへ帰っているとか。

がっくしガーン

 

代打は、ニコラス・カーター(Nicholas Carter)。プログラムによると、2011年からシモーネ・ヤングのアシスタントとしてハンブルク国立歌劇場で、セビリアの理髪師、魔笛、ヘンゼルとグレーテルのリハーサル指揮者をしたり、ヨハン・マッテゾン(Johann Mattheson)のクレオパトラ(Die unglückselige Cleopatra)を指揮しているようです。メルボルン大学で声楽とピアノを学んだ後、Victorian Opera's Artist Development Program(ビクトリアオペラ芸術開発プログラム?)のメンバーとなり、指揮者としてのキャリアはシドニー交響楽団でウラディーミル・アシュケナージのアシスタント指揮者としてスタート。様々な公演で指揮者として活躍、ということのようです。
 

さて、コンサートの方は、SUMMERTIMEと銘打ったコンサート。ライスハレで開催されました。

 

最初のプログラムは、

ヨハン・シュトラウス2世 「芸術家のカドリーユ」(Johann Straus Sohn: Kunstler-Quadrille op. 201)。この曲は、1858年2月にウィーンのSofiensallで行われた芸術家のための舞踏会用に書かれたもので、この時代に流行っていた多くの曲をモチーフに作曲されました。メンデルスゾーン「結婚行進曲」、モーツァル「交響曲第40番 ト短調」、ウェーバー「オベロン」「魔弾の射手」、マイアベーア「悪魔のロベール」、モーツァルト「魔笛 」ショパン「ピアノソナタ Op.35」、パガニーニ「バイオリン協奏曲 Op.7」、ベートーベン「トルコ行進曲」「バイオリンソナタ 第9番 Op .47 ”クロイツェル”」などなど、なじみのモティーフふんだんに入っています

 

2番目は、

シャルル・グノー(Charles Gounod)の、

「ミレイユ」より(Ouverture zu "Mireille")

「ロミオとジュリエット」より(Entr'ance aus "Rome'o et Juliette", Arie der Jliette "Je veux vivre" aus "Rome'o et Juliette") 

「私は夢に生きたい」のアリアありました

 

3番目は、

カール・マリア・フォン・ウェーバー(Carl Maria von Weber)の、

「オベロン」より「序曲」(Ouverture zu "Oberon")。これも良く演奏される曲ですね

 

4番目は、

アンブロワーズ・トマ( Ambroise Thomas)の、
「ミニョン」より(Entr'acte aus "Mignon"、Arie der Philine "Je suis Titania" aus "Mignon")。1866年パリのコミック座で初演された曲です。

 

5番目は、

ジョージ・ガーシュウィン(George Gershwin)の、
「ポーギーとベス」より(Ouverture aus "Porgy and Bess"、"Summertime" aus "Porgy and Bess")。

このサマータイム、言うまでもなくどれだけのミュージシャンにカバーされているかわからないほどのあの超有名曲ラブラブ

 

6番目は、

リチャード・ロジャース(Richard Rodgers)の、
回転木馬のワルツ(?)(The Carousel Waltz)。

「回転木馬」はブロードウェイのために書かれたミュージカルで、サッカーファン愛唱の「人生ひとりではない」もこのミュージカルからきているんだそうです。

このミュージカルのオーケストラ版が今回の曲。今日は、ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターのために1993年に書かれたリバイバル版での演奏だったようです。

 

7番目は、

エンニオ・モリコーネ(Ennio Morricone)の、
「ワンス・アポン・タイム・イン・アメリカ」より("Vocalise" aus "Spiel mir das Lied vom Tod")。

この人、映画音楽の世界では超有名な方。インターネットで調べれば恐ろしく長い「彼がかかわった映画」のリストが掲載されています。アンタッチャブル、ニュー・シネマ・パラダイスなどなど。NHK大河ドラマ(武蔵)の音楽まで担当していたとか。海の上のピアニストもリストに入ってます。この英語結構好きなんですよね。

 

8番目は、

レナード・バーンスタイン(Leonard Bernstein)の、
「キャンディード」より(Ouverture zu "Candide", Arie der Cunegonde "Glitter and be gay" aus "Candide")。

 

ぜー、はー。。。アセアセ

でも、なんともおいしいどころどりの楽しいコンサートでした。

こんなコンサートなかなかありません。

 

ソプラノのディアナ・ダムラウ(Diana Damrau)も熱唱で、彼女はドイツ人なので、余計に盛り上がったのかもです。でも、プログラムの写真と実物があまりにも違いすぎて、「これ誰っ!ムカムカ」 状態だったことはよくあることで。。。

 

観客もすっかり楽しんで、アンコール3曲も。。。最後は、スタンディングオベーション。

 

拍手拍手拍手拍手拍手

 

指揮のニコラス・カーターも結構頑張りました。こういう、緊急時の代打投入で有名人にのし上がっていくというのは、一つのパターンではあるので、是非これから頑張ってほしいと思います。