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 キャンプから帰ってから読んでいる本。

 作家の森禮子氏による「キリシタン史の謎を歩く」。お仲間と共に九州の切支丹遺跡を周る紀行文で、学者とは違った視点で歴史の隙間を描いていくのが「謎を歩く」の意味するところのようだ。時には作家の強みを活かして新聞社を動かし、地元の学芸員や郷土史家に案内をされ、知る人ぞ知るという切支丹遺跡を踏査する。気楽に読めるのでこういう本は嫌いではない。
 読後はこれまで「まあ、行かなくてもいいか」と思っていた場所に行きたくなってしまう危険な本。実際、以前行った平戸や豊後竹田などで「まあいいか」と思ってすっ飛ばした場所を森氏らが一苦労しながら探し当て足を運ぶくだりには感服する。
 三冊シリーズの第一巻目にあたるが、収録地がこれまで自分で行った場所と多くが重なっているので読んでも得るものが少ないだろうと後回しにしていた。が、自分が出かける前に早く読んでおけばよかった、と思った。

 
 上智大学キリシタン文化研究会の今野氏による「考古調査ハンドブック8『キリシタン考古学』キリシタン遺跡を掘る」。研究史及び文献、招来品、伝世品、ごく最近の調査事例からキリシタン関連の遺構・遺物全般に解説を加えている。特にメダイの集成、分類、その意義などには多くの紙面が割かれている。(私がこの辺不勉強なのでいけないが、博物館等で展示されているメダイを見てもなかなか関心を持てなかった。こういう形でまとめてくださると多少はメダイに関心をもてるのでは、、、と思う。)
http://hokuryukan-ns.co.jp/books/archives/2010/03/8_4.html