20世紀末時点で、アジアの大富豪はどのくらいの富をもっているか調べてみたことがありました。
台湾の奇美実業グループ総帥 許文龍は、総資産1,572億円(2000年当時)でアジアベスト30位代と推定されていました。
45歳までひたすら仕事をして富を蓄積し、45歳から週労2日として、バイオリンを初歩から習い初め、イシモチを釣り、美術品や楽器を収集して過ごしていました。
役員賞与もなく、月給10万元(37万円)は、全額寄付し、手持金は月初でも最大2万元(7万4千円)のみでした。
お金は釣りの餌代くらいしか使わないとのことで、
「贅沢や美食にはまったく関心がない。金ほど使い道がたくさんあるものはないし、人にやって多すぎたといわれたこともない。使ってこそ価値がだせるものである。それ でも金がなくても今の生き方は十分できた。」と雑誌のインタビューで答えていました。
金や富は使い方が重要であるということの重要な教訓を示しています。
華僑は富を独占することはなく、仲間内のコミュニティで回すことでお金を外に流さないようにします。そうすることで、さらに富を倍増させながら華僑は栄えてきました。
華僑が他人を自分の仲間と認める条件は3つです。
1 仕事熱心であること
2 知的であること
3 裏切ることがないこと
3つの条件の揃った利益を生むことのできる人物だけを信頼します。
華僑は人脈からお金だけではなく、知識を引き出すことでも達人です。何かの分野に特化した専門家の人脈を得ると、徹底的に頼り、知識を独占することなく他の仲間にも紹介し、利用します。華僑は築いた人脈を大きくしていきます。人が人を呼び、人脈が育っていくとある時からより知識の深い人物や大きな財を持つ人物と出会います。
こうした華僑の思想は、起業においても有効なものだと思います。