錫杖ヶ岳山麓を行く | 今日も まっ晴れ! 鉄道回顧録

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 高校に上がって初めての定期考査(中間テスト)の前日、友達もテスト勉強はしないと言う言葉を真に受けて、お天気も良いことだし関西本線に一人でふらふらと撮影に出掛けてしまいました。

 

撮影日: 1973年6月3日

 

 休日と言うこともあり、中在家の大築堤は撮影者がいっぱい居るはずなので初めから行く予定はなく、目指すのは錫杖ヶ岳を背景に捉えることの出来る田園地帯です。

 

関西本線 加太-中在家(信)

 

 

 錫杖ヶ岳の麓の直線区間は案の定だれも居ないので、畔が少し広くなった田んぼの真ん中でDD51が本務機の1791レの後補機D51を一人のんびりと待ちます。

 

関西本線 加太-中在家(信)

 

 

 1791レの一時間ほど後にやって来るD51が後押しするD51本務機の261レがこの日のメイン列車で、さすがに261レの通過時刻が近づいて来ると此の場所にも撮影者が来るようになり、その中の年配のファンの方から「あんたを最優先するからもう少し後ろの植え込みの所まで下がって貰えないだろうか?」と言われ5~6人のファンの人達と一緒に杉木立のある所まで移動して目的の261レを待つことになりました。

 

 平行雲台に付けた2台のカメラのうち、望遠レンズをつけたほうは辛うじて後補機を写し込む事ができましたが、標準レンズのほうは本務機の煙で後補機が隠れてシャッターチャンスがありません。

 本務機がファインダーからはみ出す寸前にタイミング良く煙が風に煽られて錫杖ヶ岳も後補機のD51も同じ画面に捉える事ができました。

関西本線 加太-中在家(信)

 

 

 「テスト勉強などしないで、やっぱり来て良かった」と写真の手ごたえに一人満足していると、車で来られている御兄弟に「柘植側のほうに一緒に行かないか?」と有りがたい声を掛けて戴きました。 この御兄弟とは数週間前にC622撮影の際に会ったことがあるとの事で話しが盛り上がり、阪奈自動車道を通り柘植側に案内して貰えました。私より少し下の弟さんとはこの後、室蘭本線でも会ったような気がします。

 

 

 案内して貰った所は前に爆煙で凄く良かったとの事でしたが、この日は気温が上がり写真的には期待外れの結果となってしまいました。でも、このような御好意が嬉しくて思い出深い一日となりました。

関西本線 柘植-中在家(信)

 

 柘植側で撮ったあとも参宮線のC57を撮りに行かないか?と誘って戴いたのですが、帰宅時間が遅くなりそうで、さすがに翌日の中間テストが気になり、結局は先ほど車に乗せて戴いた所まで送って戴くことになりました。

 

 帰りの列車までは、もう下り込んで来る列車しかないので、普通に撮っても面白みがないと時間つぶしがてら草むらに腰掛けて、綺麗に咲いていたアザミを前景にD51や信楽線に入るC58、それにキハ35やDD51を同じような画角で撮っていました。

 

 この列車がD51499で来るのを知っていたら、こんな風には撮っていなかったのですが(^^ゞ

関西本線 中在家(信)-加太

 

 青空に白い雲とアザミの赤の3色のコントラストがとってもイイ感じだったのですが、高校に上がったばかりの私がモノクロでこんな風景を撮るには難し過ぎました。

関西本線 中在家(信)-加太

 

 

 そして翌日からの中間テストは、問題用紙を見たとたん泣きそうになったのは言うまでもありません。

 

最後まで御覧戴いて ありがとうございました。