という訳で引き続き夏休み。

 

にしても暑いですね。

 

ウチに引き籠るに限りますね。

 

 

という訳で一応日曜日なので映画を。

 

 

夏、8月というとやはり6日、9日、15日と過去の戦争に思いを致す、どうしてもそうなってしまう。

 

 

個人的には毎年大体録画しまくった戦争に関するドキュメンタリーを観倒すというのが通例なんだけど、ここ数年はそれもサボりがち、ていうかね、コロナ過の2020年以降はその番組数が激減したというのもあったし、まさに数年前に録ったものも含めてたまりまくっててね、今年ことは、今年こそはと思い立ってもう幾星霜...ダメですね。

 

 

ま、別に夏だから観る、それ以外は観ないってことでもないんだけどね、何となく、夏に観るものというイメージが何となくある。

 

 

という訳で、残りの日をうまく活用して溜まりに溜まったものをイッキに観ようとは思っているものの...今日はやはり日曜日だし、映画を。

 

 

でもまあせっかくなので、これもずーっと観なければ、観なければと思っていた小林正樹監督の大長編ドキュメンタリー映画「東京裁判」に挑戦してみた。

 

正確には極東国際軍事裁判というんだね、第二次世界大戦、太平洋戦争における日本の戦犯を裁く「東京裁判」の模様を描いている。

 

1983年の作品だが、今日観たAmazonプライムビデオのものは2018年にリストアされた4Kデジタルリマスター版ということのようだ。

 

途中に「休憩」の入る4時間37分の大長編...いやあ、ホント、疲れました。

 

 

 

題名通りまさに「東京裁判」の記録フィルムを佐藤慶のナレーションで淡々と紹介していくんだけど、実はそれだけでなく、裁判の模様を映しつつ、戦中戦後の日本が突き進んできた軍拡、戦争の足跡を詳細に追いながらその「戦犯」を事細かに明らかにしていくという、大日本帝国の犯してきた大罪をこれでもか、これでもかと映し出していく...4時間37分も納得の内容の濃さだ。

 

東条秀樹を筆頭に様々な戦争犯罪人の戦犯を追求する過程で日本の「歴史」の含めた当時の国際情勢を入れ替わり、立ち代わり映し出していくのみならず、まさに第二次世界大戦の記録フィルムやら、それこそ日清、日露戦争にまで言及していき、更にはナチスドイツの栄枯盛衰にまでも踏み込んでいくことで、まさに日本の歩んできた戦争の歴史とその集大成である終戦、東京裁判という実に丁寧な構成で、小林正樹という名匠の執念のようなものが感じられたように思う。

 

ウィキペディアによるとこの裁判から25年を経てアメリカ国防総省が公開したフィルムをメインに編集された結果が、この怒涛の4時間37分ということのようだが、記録を残すことの重要性もさることながら、戦争を二度と起こさないという日本が背負う宿命に思いを致す、もうね、とにかく日本は昔とんでもない国だった、まさに悪の枢軸だった訳でね、今なお歴史修正主義に踊る愚か者たちに抗うという意味でも、こういう映画を観て、反省し、襟を正すことは大事ですね。

 

 

それでも東京裁判そのものがいわゆる「戦勝国」側の理屈で無理矢理押し付けられたという印象も少なからずあったし、それも含めて国際社会がいまだに戦争から抜け出せない、葬り去ることができていない反省もしなけらばならないなとも感じた。

 

ロシアのウクライナ侵攻、イスラエルのガザ侵攻は間違いなく国際法違反だし、戦争犯罪以外の何ものでもない訳だけど、止められないのは当事国や友好国の責任ばかりではなく、もはや人類全体の問題であり、責任であるわけでね、そういう意味ではあれから全く進歩できていないのかなという悲しさもあったりして。

 

 

まあとにかく怒涛の4時間37分を通じて、改めて日本の歴史の一部を学び、その日本の犯した罪の重さを感じ、結局は戦争反対、核兵器廃絶しかないなと。

 

 

久し振りにドキュメンタリー映画を観たけど、劇映画には決して表現できない「本物」の凄みと、ドキュメンタリーといえども緻密な構成とシナリオがあって初めて名作たり得るんだなということを再確認した。

 

小林正樹監督の「東京裁判」...日本人なら絶対に観ておくべき映画の一本...私はそう思います。