昨日の「異人たち」の余韻も冷めやらないが、せっかくのお休み...何だかまた映画を観てしまった。

 

 

先日の「後悔」を少しでも緩和しようと、パラマウントプラスで観られる映画ということで今日はあの周防正行監督の名作、そのハリウッドリメイクである「Shall We Dance?」を観た。

 

 

2004年の作品なのか...実はこれ、劇場で観たんだよね。

 

ていうか1996年のオリジナル「Shall we ダンス?」に当時ぞっこんでね、もう繰り返し、繰り返し観てたんだよね。

 

 

ハリウッド版がリリースされたときはもう観ない訳にはいかんだろうと、嬉々として劇場に足を運んだんだけどね、充分に楽しめたもののやはりオリジナルには勝てないかという、そういう冷めた印象しか残らなかったんだけどあれから20年...もうホントすっかり忘れてたよ、このリメイク版の存在を。

 

 

久し振りに観て、単に懐かしいのもあったけど、想像以上によくできたリメイクだったんだな、こんなにいい映画だったっけ? と素直に楽しんで、ウルウル感銘を受けている自分にかなり驚いている。

 

 

にしても多少アメリカナイズしているというか、キャラの若干のアレンジはあるものの基本的にはオリジナルにかなり忠実で、そのオリジナルの物語が私の身体の中にいまだにしっかり染みついているなということも再認識しつつ、このハリウッド版ならではの魅力も含めて、想像以上に楽しめたように思う。

 

 

確かにね、役所広司のあのくたびれた日本サラリーマンの悲哀がリチャード・ギアには全く出ていなくて、ていうかね、どう演じたってカッコよくなっちゃうよねというのは今回も同じ感想だけど、スーザン・サランドンの奥さんだとか、竹中直人の役回りを演じたスタンリー・トゥッチ、それこそヒロインのジェニファー・ロペスもそれぞれオリジナルを逸脱せず、こんなに卒なく演じてたんだなというね。

 

公開当時はその卒のないリメイクっぷりに強烈な印象が残らなかった代わりに、探偵役の人が事務所で、手のひらに付いた自分の食べたパンの屑を熱帯魚の水槽に払い落とすシーンが妙に印象に残ったくらいでね、もうホント、観たことさえ忘れてた。

 

 

でも改めて観てみると...リチャード・ギアはやっぱカッコよすぎるよなとは思いつつも、それぞれのキャラがオリジナルに忠実なだけでなく、少しだけ付加されたオリジナリティがどこか心地よくてね、先日観に行った「デューン 砂の惑星PART2」に感じてしまった違和感なんて全くなかったのが自分でもとても意外でね、あれ、この映画こんなによかったっけ? というね。

 

 

せっかく山田太一さんの追悼意を込めて観に行った「異人たち」も霞みそうな、それほど今の私にはグッと来た「Shall We Dance?」...思いがけなかったけど、時の経過、加齢ってある意味マジックなのかもね。

 

 

そういえば周防さんのオリジナルもしばらく観てないな...今となっては懐かしいけど、今観るとまた違った感動があるのかも知れないね。

 

 

さてもうすぐゴールデンウィーク...悪あがきの準備を。