日曜日。
ていうかあっという間に桜が満開...ま、愛でる資格は私にはまだあるとも思えないので、チラッと見てスルー...そんな年月をダラダラと過ごしとります。
という訳で日曜日...ここ最近はあれこれつまみ食いし過ぎた感があるので、日曜日の基本に戻って久し振りにウチで映画を。
今日は少し古い作品、1977年のロバート・アルドリッチ監督作「合衆国最後の日」をチョイス。
脱獄囚がミサイル基地を占拠、その理由は...というエンタメ作品。
ポイントは舞台が1980年、つまり製作当時から見ると近未来に設定されているということで、ベトナム戦争に対する皮肉を盛り込むうえで巧妙にフィクションに落とし込んでいる。
脱獄囚の頭目、バート・ランカスター扮するこの作品の主人公はいわば無実の罪を着せられている元軍人という設定で、その彼が核ミサイル施設をいわば「人質」にしている理由がまさにベトナム戦争だけでなく、アメリカという大国が戦争を繰り返ししていることに対する罪をどう償うのか、そんなテーマが内包されている、エンタメ作品とはいえ意外にもシリアスな作品だった。
まあ古い映画なので、展開がもったりしてたり、それこそ会話劇が多いというのもあって、想像以上に地味な印象ではあったんだけど、それでもアメリカのこれまでのあらゆる戦争の大義が国民を犠牲にするばかりの「偽善」に塗れていることを浮き彫りにしたり、大統領がそれに抗って国益よりも国民の命を優先するという「正義」に目覚めて、国の中枢を構成する要人たちに逆らってその「偽善」を暴こうとして、脱獄囚の要求をのんで自らの命を危険にさらしていくという展開は、なかなか胸アツだった。
加えて往年のスターが勢ぞろいしているという意味でもまさにエンタメしてて、それぞれのキャラクターがちゃんと立ちつつバチバチぶつかり合う、それだけでも充分に楽しい。
にしてもアメリカの大国としての傲慢をしっかりエンタメ作品で炙り出すという、その姿勢には感服する。
その傲慢さに対してエンタメも報道もしっかりと対峙している、そういう意味でもアメリカはまさに「大国」だと思う。
それに比べて日本は...失われた30年、特に安倍政権後の10年余りの体たらくには、ただただ脱力するしかない。
まあでも、いよいよ政権交代かという機運は徐々に高まっている...これを逃したら日本は本当に終わりだと思う。
さて...今週は平日にお休みを頂いたので、いよいよ「オッペンハイマー」を観に行くつもり。
てか結局原作本はいまだ読んでいない...間に合うか...無理か。
せめて録画した関連ドキュメンタリーなどで少しでも「予習」していこうと思う。