日曜日のいつもの「ウチで映画」をHDDひっ迫のためサボったこともあって、今日は思いがけず仕事が早く終わったので、思い切ってまた、ユナイテッドシネマとしまえんに。


ていうかね、たまたまスタジオジブリの近くで仕事してたので、勝手に縁を感じて思わず写真を撮りに行ったらこれはもう今日観ないとまずいんじゃないかと...なんか、ね。

 

 

宮崎駿10年ぶりの新作、ていうか前作で引退って言ってたからじゃあ観ておこうと劇場に足を運んだことがつい最近のような気がするが...引退撤回、今度こそ最後、かも知れない「君たちはどう生きるか」をIMAXで観た。

 

 

宣伝を全くせず、唯一の手掛かりは鳥の皮を被っているらしい「何か」が描かれたあのポスターのみ...

 

 

予告編どころか、物語の内容も、声優が誰かも全く情報が示されない、まさに異例の「最終作」...そりゃあね、観ない訳にはいかないでしょう。

 

 

ていうかこういう全く何を見せられるのかを予備知識なしに映画を観るという体験は恐らく初めてだと思うので、そういう意味でもワクワクドキドキしながらいざ、開巻...

 

 

ええっと...何といえばいいのか、いろんな意味で心の整理がつかないというか、宮崎駿さん、これホントに最後? もうホントに作らない? もう何だか観終わった後、しばらく席を立てず...もうホント、いろんな意味で放心状態。

 

 

それこそ観客に対してほとんど予備知識なしに予断を持たずに見せるといういわば実験的というか、宮崎駿さんのネームバリューならではのまさに異例の最新作...ええっと、ええっと...

 

 

ひとことで言うと、まあいわゆる「集大成」的ではあるんだろうし、ひとつだけチラッとネタバレしちゃうと、なんというか昭和ノスタルジーで静かに始まったかと思ったら、やはり宮崎駿は宮崎駿、宮崎駿ワールド全開かつホラー味強めの昭和マルチバース・ダーク・ファンタジー...そんな感じ。

 

 

公開直後にテレビで声優陣を「ネタバレ」していて、それを遮断しようとしたんだけどひとりだけ知ることになってしまったので、まずその人を見つけようとしてたんだけど、なかなか分からなくて、それでも観進めていきながら、あ、この声はあの人かな、この人かなと探り探りしつつも、徐々に物語に引き込まれていく...

 

 

で、結局当たっていたのはふたりだけで、思いがけない人たちがわんさか、わんさか、ていうかあれ? この声あの人だったの? この人だったの? という思ってた人と全然違ってたりして、さすがに自分の耳の残念さに落ち込んだりもしたけど、それでも観ている間は段々気にならなくなっていって、やはり宮崎ワールドの集大成をそれなりには堪能できたように思う。

 

 

ただ何というか、悪く言えばそこここにこれまでの宮崎作品に出てきたような「既視感」があって、そういう意味では新鮮味はあまりなくて、それでもファンタジー要素の少なかった前作「風立ちぬ」よりは宮崎駿ワールド感はあったんだけどね、さすがに歳を取ったのか、これまでのどこか突き抜ける感覚というか、心をギュッと持っていかれる強烈なカタルシスは弱かったような気がする。

 

 

うーん、やはりインスパイアされたという吉野源三郎さんという人が書いた小説「君たちはどう生きるか」を読んでおいた方がよかったのかも知れない。

 

 

まあ何だろうね、男は結局みんな女の息子、そういうことなのかな...加齢とともに結局男は母性に回帰する...そんな宮崎駿さんの「晩年」を見せられたというか、強烈な作品ではなかったような、いやでもそれでもいいんだろうね。

 

 

ちなみにパンフレットはまだ発行されておらず、後日改めて東宝からアナウンスがある模様...この心のモヤモヤをパンフレットを読んで少しでも早く、解消したいところだが、さていつになるのか...待つことにしよう。

 

 

でもねえ...これ、ホントに、最後???

 

 

お疲れさまと言っていいのか、悪いのか...まだ何かやりそうな気が...いや、年齢的にはさすがに難しいとは思うけど、それにしても...

 

 

...いや、私には計り知れない「深み」がそこここに散りばめられているとは思ったので、再度観たら感想がガラリと変わりそうではある。

 

 

パンフレットもまだ読めないしね、とにかく時間を置いて、落ち着いて、また観られれば私の中でどういう思いに至るのか、楽しみでもある、かな?