日曜日。
春も近いと思いきや、今日は意外に肌寒い日曜日。
ていうかね、気が付いたら1月、2月はとっくに終わっててもう3月も半ば...
時は大切に、大切に...
という訳で「赤江珠緒たまむすび」の木曜パートナー、ピエール瀧さん逮捕、ということでね...そのショックからなかなか立ち直れない...と言うのは大袈裟だけど、それにしてもテレビではそのニュースばかり垂れ流されてて、肝心の安倍政権の失政をまともに報道しない...安倍政権下の日本はある意味中国や北朝鮮以上に質の悪い独裁国家なのではないか...それなのに茹でガエル国民、日本人のおめでたさには脱力しかない。
...っと、そんな世間の惨状は惨状として、私は私の生活、人生を...という訳で今日もウチで映画を。
今日は外付けHDDの最も古いコンテンツを...ということで何と、2013年1月に録画していた1958年、昭和33年の「丹下左膳」をチョイス。
数年前、夭折の天才映画監督山中貞雄と大河内傳次郎のコンビによる「丹下左膳余話 百萬両の壺」に強烈に感銘を受けたことが思い出されるが、今日のは松田定次という監督さんの大友柳太朗主演の「丹下左膳」。
ていうかね、いろんな役者さんが演じてもう何十本と作られた「丹下左膳」だがその山中貞雄の「百萬両の壺」しか観たことがなくて、隻眼、隻腕のダークヒーローという曖昧な印象しかない。
そんな私だが今回、予備知識なく観始めたら、この映画もなんと件の「百萬両の壺」のエピソードだと気づいて、ああ! というね。
大友柳太郎版は今日の作品を第1作としてシリーズとしては5本作られているんだけど、この「百萬両の壺」を第1作に据えたということを考えると元々番外編であったであろうそのお話は実は人気が高かったのかも知れない。
みるみるうちに物語を思い出し、あああの役は、この役は、このキャラはとスイスイ頭に入って来て、素直に楽しめたように思う。
左膳のバディとなる柳生源三郎は大川橋蔵、そのいい名づけは美空ひばり、左膳とお藤の義理の息子、ちょび安は松島トモ子、その他かつて左膳を演じたという大河内伝次郎や月形龍之介なども脇を固めてて、恐らく当時の東映オールスターキャストといった、そのメンツだけでもまさに豪華なたたずまい。
いやあもうね、あれやこれや言うのもはばかられるような、安心感というか、昭和のスターのそのたたずまい、貫録の演技合戦を見ているだけでも楽しい。
多く登場するそのキャラクターの関係性とその描き分けも鮮やかで、なおかつシンプルな物語構成が実に飽きさせないし、もうね、まさに娯楽時代劇の王道。
山中貞雄版のその軽妙さも印象深かったけど、今回の松田定次版、いや大友柳太朗版も東映スコープ総天然色の鮮やかさの中で昭和の名優たちがきらめく逸品であった。
左膳登場のシーンの大友柳太朗のその立ち居振る舞い、殺陣の鮮やかさ、それを見事に演出する編集...もうね、カッコいいったらありゃしない!
鳥肌モノ...ホント、今のチャラチャラしたタレント俳優には決して醸し出せない、その迫力、その色気、もうね...本物の役者ってこういうのを言うんだなと。
もちろん美空ひばりが出てて、相手の大川橋蔵とのラブロマンスも絡んだりしてて、そういう意味ではアイドル映画でもあるんだろうけど、それがチャラチャラしてないというか、王道の娯楽映画のその風格、ああ、いろいろ言葉で飾れば飾るほどむなしくなるくらい。
ていうか今調べて知ったんだけど監督の松田定次、何と牧野省三の息子であり、マキノ雅弘の異母弟なんだって! ...もうどれだけ映画一族なんだよというね。
にしてもね、昭和の映画のその輝きにはノスタルジーを差し引いたって、その魅力に酔いしれてしまうよなあ。
また新たに教科書を見つけてしまったその嬉しさに浸っている。
にしても映画って何だろう?
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