日曜日。

 

 

世間は3連休の中日...でも私は昨日も仕事、明日も仕事なので、いつもと同じ日曜日。

 

 

洗濯、スーパー、映画。

 

 

 

今日はドン・シーゲル監督の1973年の作品「突破口!」を。

 

 

原題は“Charley Varrick”、ウォルター・マッソー演じる主人公の名前だ。

 

 

ひと昔前のハリウッド・スターでとても有名な役者さんなんだろうけど、なぜか私はあまり出演作と縁がなくて、勝手なイメージとしてはジャック・レモンと共演が多い、喜劇役者さんという印象しかなかったのだが、この映画はかなりドライな犯罪映画、そのあたりのミスマッチに違和感を感じながら観ていた。

 

 

まあでもそれはね、私の無知からくる違和感なので気にしないように、気にしないように物語そのものに集中することを心掛けながら観た。

 

 

 

シナリオ指南の本だとか、それこそシナリオ学校だとかで初心者に教えられる決まり文句のひとつに「いきなりクライマックスから書け」というものがあると思うのだが、この映画がまさにそれ、いきなり銀行強盗というクライマックスからの導入で物語が始まる。

 

 

 

そこから徐々に仲間が死んでいったりだとか、主人公の出自だとかが明らかになってゆき、更には盗んだお金がマフィアが銀行に隠蔽したお金だったことが分かったりして、物語はどんどん「意外性」を積み重ねて進行していく。

 

 

基本的な貫通行動はそのマフィアから逃れて、いかにして盗んだ大金を「死守」するかということに徐々に収束していきながら進んでいくので、そのいい意味でののらりくらりというか、観客と共に探り探り物語を進めていくという独特のタッチが古い映画ということとは関係なく、何だか新鮮だった。

 

 

仲間は(妻も含んで)使い捨てのように死んでいくし、マフィアとの対立構造、さらにはその殺し屋との対決を織り込んでいくまさに「ドライな」展開に最後の最後まで目が離せない。

 

 

ただクライマックスの展開は想像通りだったので、そのあたりはやはり古い映画なのかなという感じがあったけれど、それは差し引いたってもまさに「意外性」の積み重ねによるミスリードの巧みさがとても多くて、また古い映画から学ぶところの多い、いい経験となったように思う。

 

 

ここ最近何だかジメジメとした展開ばかりに収束していく自分がいて、そこからくる閉塞感から逃れられないことに、普段の生活も含めてがんじがらめになっていたのだが、こういう「乾燥した」映画に出逢って、まさに目から鱗。

 

 

 

書く姿勢、普段の生活、前向きに明るくいかないとね。

 

 

 

ドン・シーゲル監督、ありがとう。

 

 

ウォルター・マッソー、ありがとう。

 

 

 

もう1本、いけるな、観よう。

 

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