東京は雨がシトシト...梅雨ですねえ...

 

 

ウチでゴロゴロと思っていたのだが、午前中に会社で急遽研修を受けさせられちゃった。

 

 

 

 

余談だが、どうして東京の人って、往来で人にぶつかることに鈍感なんだろうと思う。

 

 

俺がよけなきゃ、絶対今、ぶつかってただろう...街を行き交っていると常にそんな風に思っちゃう。

 

 

もうね、ホント、東京の人っていろんな意味で他人に対して鈍感、盲目。

 

 

そんな鈍感になってまで何をそんなに急いでるんだろう、何をそんなに焦って生きているんだろう...

 

 

 

傘をさしていたせいもあったのだろうが、いつもより一層東京の「暗部」を感じてしまった。

 

 

 

 

 

で、ウチに着いたらすでに午後、それでもまだ東海テレビの帯ドラマが始まったばかりであった。

 

 

 

ま、結局はね、時間があるときには映画を観たくなる訳で、今日は先日ようやく観始めた「山田洋次監督が選んだ日本の名作100本」の2本目、先日亡くなった高峰秀子主演の代表作「二十四の瞳」を。

 

 

この作品、若い頃にテレビで観ていたが、特別印象にも残っていなかった。

 

 

 

それから恐らく十数年、不惑に突入して再見してみると...いかんね、涙腺ウルウルしちゃいましたね。

 

 

 

観たら消そうと思っていたが、すかさずBD-REにダビング開始w。

 

 

 

 

 

 

瀬戸内海の小さな島の20年に渡る先生と生徒の交流を描いたこの作品、戦争をまたいでいるということもあって、出てくる人物がなくシーンが多い。

 

 

嬉し涙、哀しい涙、同情の涙...高峰秀子演じる大石先生を中心に、とにかくみんなよく泣く。

 

 

その涙に釣られて私も泣くw。

 

 

 

物語そのものは、あまりにも有名すぎるのでここであえて言及する必要もないだろうが、まあいってみれば「学園モノ」の嚆矢とでもいえる内容は、今となっては新鮮味はない。

 

 

 

 

ただねえ、高峰秀子が巧いんだなあ、これが。

 

 

20年の歳月をまたいでいるその加齢を実に自然に演じ分けているように思った。

 

 

メイクという意味では、当時の限界が見え隠れしていたが、それを補って余りある実に自然な演技に、改めて昭和の名女優の職人芸を見させていただいた。

 

 

 

この映画、前に観た時には印象がなかったが、意外に長尺(156分)。

 

 

多少冗長な部分があったかなと思わなくもないが、まあねえ、1954年の映画だからねえ、それは言っちゃあいけないかな。

 

 

それでも、大まかに生徒たちの3つの年齢を描くことを中心にすえ、それぞれの時代背景も含めてそれを追いつつ、大石先生が家族を持つ過程も加えながら、全体的に丁寧に描かれていたと思ったので、長尺はその結果だったのかなと、少し納得。

 

 

 

戦前、戦中、戦後を描いた1954年の作品という意味でも、反戦のメッセージの込められ方に思いをいたすことは意義があると思うし、デジタルリマスターされたフィルムには当時の瀬戸内海の風景(小豆島)がモノクロ、スタンダードの映像に見事に切り取られているので、それも魅力だと思う。

 

 

 

 

1954年といえば、私のベスト1「七人の侍」と同じ年の製作。

 

 

当時のベスト10では「七人の侍」が第3位で、この「二十四の瞳」が第1位ということだ。

 

 

まあ全く別のタイプの作品ではあるが、1954年、昭和29年にすでにこんなすごい映画たちが作られた訳だ、日本では。

 

 

どちらもある意味日本の原風景、日本人の本来の姿を描いているのかなあと、ふと今の日本をますます憂いている自分に気付いたりして...

 

 

 

古い映画を観ることは、その時代に思いを馳せること、その時代の映画を取り巻くさまざまな事象に目を向けること...単純に古い古いと退屈がって、現代人ぶって映画批評をすることではないのだ。

 

 

 

また今日も、いろいろ勉強になりました。