今日は黒澤明監督の命日だ。
亡くなってもう9年も経つのか...

奇しくも今日の私には「時間」の余裕が出来た。
...となるとこれはもう、何か黒澤さんの作品を見ずにはいられなくなり...

という訳で古いVHSテープを取り出して「天国と地獄」を見た。
今週の土曜日、テレビ朝日でテレビドラマとしてリメイク版が放送されるのもあって、今日は「天国と地獄」。

何度も見た私の大好きな作品のひとつ。
いつ見ても色褪せない。
画面の隅々に行きわたった緊張感、役者陣のパワフルな演技、脚本の構成のうまさ、キャラクターの描き方の緻密さ、葛藤の見せ方...サスペンスとしても一級品だが、それだけにとどまらず社会問題にも深く切り込むその鋭さ...いつ見ても引き込まれる。
言うまでもないが、黒澤映画の、日本映画の、いや全ての映画の傑作のひとつ。

最近その黒澤さんが「乱」を演出していると思われるシーンが合成されて使われているCMが流れている。
桑田佳祐との「共演」となっているそのCM...どうかと思う。
作る方も出る方も、もうちょっと思慮分別があれば...ちょっとありえない。

映画ってなんだろう...テレビドラマって...
そう思ったときに、なぜか見たくなる黒澤映画。
いくら見たって簡単に答えは出ないが、それでも見たくなる黒澤映画。