困った...

フジテレビの9時の山田太一ドラマスペシャル...どうしても録画したい。
一度見るだけならテレビ内臓のHDDで間に合うのだが、やはりここはメディアに残したい。
BDに残せれば理想だが、今は無理。
だからせめてアナログ4:3じゃなく、地デジの16:9をダウンコンバートしてでもDVDに残したい。
ところが、NHKのBSハイビジョンで放送される、前からどうしても見たかった映画が重なってしまう。
こちらも録画してじっくり見たい...でも、地デジのドラマを録画するためにはテレビのデジタルチューナーをDVDレコーダーの録画に充てなければならない。
するとテレビ内臓のHDDには録画出来ないというジレンマ...
こういう場合はどうすればいいか?

...生で見るしかない。
という訳で10時から「イングリッシュ・ペイシェント」を見る。
1日に映画を3本...しかもすべて第二次世界大戦がらみの映画...ヘロヘロ...

 

1996年度アカデミー作品賞、監督賞など8部門受賞のこの作品、前から少し気にはなっていたのだが、昨日まで見る機会がなかった。
原題はそのまんま“THE ENGLISH PATIENT”、監督はアンソニー・ミンゲラ。
出演はレイフ・ファインズ、ジュリエット・ビノシュ、クリスティン・スコット・トーマス、ウィレム・デフォー、コリン・ファースなど。

第二次大戦中の北アフリカで繰り広げられる、セスナを操縦中に砲撃に遭い全身やけどを負った「英国人の患者さん」。
彼を看病する看護婦とその関係、合間合間に挿入される回想シーンで描かれる愛人との過去が描かれる。
構成が緻密で、現在と過去が交互にうまくつながっている。

登場人物それぞれの生き方がそれぞれ丁寧に描かれている。
戦時中の話だがそういう意味での湿っぽさはなく、むしろドライすぎるくらいの不倫メロドラマ。
主人公のレイフ・ファインズのキャラクターの秘密がじわじわと明かされていく過程が面白い。
愛人のクリスティン・スコット・トーマスの女性としての激しさ、看護婦のジュリエット・ビノシュの女性としての力強さ、その二人の女性の対比も面白い。
一つ一つのシーンがどこか浮世離れしているのだが、それでいてそれぞれの人物の描き方は丁寧。
そのコントラストがこの映画の面白さであり、特徴なのかも知れない。

それに加えてこの三人の演技がとてもよかったように思う。
そのおかげで3時間近くも飽きずに見ることが出来たのだろう。

それと忘れていけないのは砂漠の美しさ。
ハイビジョンだったのでそのすばらしさがより一層際立っていた。

昨日は劇場で2本、ウチで1本の第二次大戦がらみの映画を見て、はっきりいってとっても疲れたのだが、どれもとてもいい映画だったのでそういう意味ではすこぶる満足だ。

ただ...文芸座ではパンフレットが「硫黄島からの手紙」のものしかなくて、また改めてどこかで“FLAGS OF OUR FATHERS”のものを手に入れなくてはならなくなったのだった...うぅ涙