一英語教師の読書ノート -16ページ目

江利川春雄 『日本人は英語をどう学んできたか』

江利川春雄 (2008) 『日本人は英語をどう学んできたか』 研究社


 明治時代からの膨大な史料に基く日本の英語教育史。歴史本として興味深かった。

 しかし、その膨大な史料からの具体的かつ現実的提言は、授業数増と少人数教育くらいで目新しさはない。教科書から文学作品が減少していく問題についても、実用・資格重視の傾向を憂い、考えさせ感動させる教育のために時代にあった名作を教科書に掲載しようと述べるのにとどまっている。文学を教科書にとりもどすには、実用・資格重視の傾向と矛盾しない教授法、作品そのものがもつ利点を提示することが必要なのではないかと考えるが、本書は教育史の記録であり、今後の提言まで求めるべきではないのかもしれない。

 批判めいた記述が続いてしまったが、日本の英語教育史を概観する上で大変役に立ち面白く、一気に読めた。

Montgomery, L. M. Anne of Green Gables

Montgomery, L. M. 1998. Anne of Green Gables. Read by O'Malley, S. Oregon: Blackstone.


 記事が前後してしまったけれど、最初に聞いたオーディオブックはこれ。全体で10時間半と長かったけれど、懐かしく思いながら聞いた。子供の頃に日本語で読んで以来だったので、英語で接したのは初めてで、新鮮だった。

 楽しみの読書の時間がとれない時にはオーディオブックはとても便利だと思う。通勤時間を今までもリスニングにあてていたけれど、ダウンロードした時事ニュースを聞くことに少し飽きてきたので、オーディオブックのリスニングは楽しみながら勉強にもなるので一石二鳥。しばらく続けてみようと思う。

Christie, A. Murder on the Orient Express

Christie, A. 2001. Murder on the Orient Express. Read by Sachs, A. London: Macmillan.


オーディオブック。聴きとりやすい発音。クリスティーが好きな人にはいい。全体で3時間はかからなかったと思う。